本日のギャラリー巡りは遠出をして、ダラスペース→小樽美術館→小樽文学館の3箇所。
■Dala Space「Chinatsu AITA Exhibition at Mt.Haruka」。宮の沢からバスに乗り、はるばる西春香へ。桂岡までは結構店があるなあと思ったが、その先突如として何もなくなる。
歩いて約2分で、Dala Spaceへ。ちょうどギャラリーから出てきたダムダンライさんに挨拶をして、早速展示場へ。普通の家の一角をギャラリーにしているようである。
まずは會田さんの大作「train 2008,6,11a」「同b」。全道展では「b」が出品されていたと思うが、そうか「a」もあるのだね(当たり前か)。これは本当に間違いない傑作で、世界観の素晴らしさと緑・紫の色彩の深みが両立していると思う。
続いて新作「windpipe-sleety 2008,11,18,a」「同b」「同c」。もやのかかったような白地に薄紫でニョロニョロのようなものが描かれている。ふーん、sleetyって「霙の」ということか。不思議な作品で、ちょっと本人解説を聞きたいところである。
ダムダンライさんにコーヒーを御馳走になり、お子様の画を見せてもらう。紙を綴じて作った画ノートに大量に鬼太郎キャラクターが描いてあった。さすがにダムダンライさんの子どもというか、画が好きなんだなあという感じ。
バスが1時間に1本しかないので、もう少し見ていたい気分を残して小樽へと向う。途中、吹雪っぽくなるが、小樽ではまた天気が回復。
いつも寄る古本屋さんを経由して、昼食(別項)を取り、市立小樽美術館へ。1階中村善策記念ホールでは、「全貌展」を見た中学生が壁新聞をつくり、中村善策のことを書いていた。新聞によると「善策さんはウィスキーとワインが好きで、痛風のため刺身や三平汁を食べていたが、ビーフシチューも好き」とのことであった。
続いて2階の「小樽風景」展へ。見たことのある作品(美術館蔵)もあるが、かなり作者蔵の作品も出品されており、「思い入れの小樽展」という感じだ。
山下脩馬「紙飛行機」:モザイク上の小樽の街の上を紙飛行機が飛ぶ作品。何となくプロレタリアアートの雰囲気がする。
佐藤善勇「運河沿いの工場」:150号くらいか? これでもかとゴツイ工場が描かれている。
羽山雅愉「黄昏・小樽08」:幻想的な小樽を俯瞰気味に描く作者だが、この作品は道路に立った目線でリアルな感じに小樽を描いている。
小平るり子「遠き日の栄光」:忘れ去られそうな小樽の過去を描いているが、結構そういうところが好きなんだけどね。
輪島進一「手宮心象」:近くで見るとラクガキみたいな線が沢山描かれているのだが、離れてみるとそれによって街が命を吹き込まれているように見えるのだ。
小川清「小樽風景」:ぎりぎり昭和時代の小樽風景。遠くに見えるのは展望レストランだろうか。
堀忠夫「小樽倉庫」:人間の不在感が非常にする画で、建物の存在感だけが感じられる。
木嶋良治「雪の街」「雪の日」:陰鬱な冬の夕刻、雪のため真っ白な屋根と対比するように暗い壁が見える。
雪国の人ならば分かるように、決して雪国の冬は綺麗なばかりではない。何よりも寒いし、雪の降り始めと雪融け頃は道路がぐちゃぐちゃになり、かなり汚い。そういう雰囲気も含めての小樽風景と言えるだろう。
■小樽文学館「小樽ちまちま文豪展」。小樽に関係のある作家と世界の偉人の人形&エッセイ展。話題の展覧会だけあって、普段よりも人が多い。展示のほうだが、人形も良いが、エッセイで紹介される偉人達のエピソードが爆笑だ。記憶で書くので多少違うかも知れないが、面白いものを紹介してみる。
ファーブル:良い教師だったらしいが、怒ると怖い。真っ赤に燃えるストーブを怒りのあまり蹴倒して、教室を火の海にしたこともあるとか。
赤塚不二夫:ぼったくりバーで金を巻き上げられたが、次の日以降も連日通いつめ、お店の人が怖くなって「もう勘弁して下さい」と言うと「何で? いい店じゃん」と言ったとか。
サリバン先生:ヘレンケラーの方が有名(人形もヘレンケラー)だが、この人がスゴイ。14歳まで文盲だったのが一念発起して先生になり、ヘレンケラーを暗闇から導き出したのは何と20歳のことらしい。
いつもの通りコーヒーを飲んで、さて夜の小樽に繰り出そう。