散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

20100509最近読んだ本

2010年05月09日 21時31分59秒 | 読書
これまで、はっきり言っていわゆる普通小説(特定のジャンルに属していない小説)を読む意義をかけらも感じていなかったが、図書館から借りて少し読んでみている。借りる基準は最近の本らしいもの(綺麗な本)を、適当に見繕っている。

以下、図書館の7冊。
■「今夜も宇宙の片隅で」笹生陽子
休載中の人気漫画に関係しつつ、リアル及びネット上での人のつながりを描いた作品。面白くなくはない(←素直じゃない奴)。

■「バーバーの肖像」早乙女朋子
見るべきところがない訳ではないが、これは私の好みとは何ら関係がない。

■「ふたりのシンデレラ」鯨統一郎
二人の女優による、劇団の主役争いが殺人事件に発展。犯人は逃亡した男に確定と思われたが…。技巧に走りすぎ。

■「ピロティ」佐伯一麦
マンションの管理人が後継者になる人に仕事を引き継ぐ一日の様子を、管理人の語り口調で書いた本。微妙な面白さがある。

■「一枚の絵葉書」沢野ひとし
旅に関する雑多なエッセイ。もう20年くらい前の本である。

■「ワーキングガールウォーズ」柴田よしき
女性係長の周辺を描く、会社小説。古き悪しき日本企業が舞台になっており、パターン化されている。

■「やってられない月曜日」柴田よしき
ドールハウスおたくの女性会社員物語。会社としてのリアリティは、直前に読んだ作品よりはある。

今日も生ちらし

2010年05月09日 12時34分14秒 | 食べ歩き
土曜日は終日休養。その結果、今日の目覚めは良かったが、遠出はせず、古本屋→昼食→図書館といつものコース。昼食は二十四軒の寿司屋「T」へ。日曜日なのでランチ設定がないのだが、生ちらしの一番安いのを食べてみよう。

入っているのはトビッコ、しめ鯖、甘エビ、サーモン、タコ、マグロ、イカ、ゲソ、玉子、かまぼこ、椎茸甘煮、奈良漬。お吸い物にはかまぼことボタンエビの頭。



ネタは強弱あれど、しめ鯖の大きさとしめ具合の良さが光る。それからゲソも美味しい。こういう安いネタを美味しく食べさせてくれる店には好感が持てる。お吸い物のボタンエビもしっかりした身がついていて、良いものを使っていると思われる。

この店の最高値段の生ちらしは、今日食べたものの約2.5倍の値段である。食べてみたくもあり、ちょっと抵抗感もあり。


20100508最近読んだ本

2010年05月08日 07時15分28秒 | 読書
■「だれかさんの悪夢」星新一
アイディアの切れ味十分のこのころ。SF的アイディアより、社会的なアイディアの方が目立つ(再読)。

■「未来いそっぷ」「かぼちゃの馬車」星新一
この辺から民話調に移行しているのかと思ったが、まだそうでもない(再読)。

■「エヌ氏の遊園地」星新一
とはいえ、これも昭和41年の本が新潮文庫に再録されたものだからなあ(再読)。

以下、図書館の4冊。
■「麻雀放蕩記」黒川博行
久しぶりに博打小説を読んで、面白かった。手ホンビキやバカラはルールを知らないのだが、それ以外の麻雀、ルーレット、ブラックジャック等は良かった。

■「アキハバラ」今野敏
秋葉原の電器ビル内でヤクザとマフィアとオタクが入り乱れての銃撃戦。ジェットコースターノベルである。紆余曲折しながらも、最後はなかなか爽快なエンディングを迎える。

■「ツクツク図書館」紺野キリフキ
つまらない本しか置いていないという図書館の物語。職員も妙な人ばかり。シュールで面白かった。

■「鬼姫人情事件貼」鯨統一郎
某藩の姫が記憶を失い、街の居酒屋に身を寄せる。しかし身に着いた剣術で悪人を成敗するという、本当にどうでもいい話。

記憶なし

2010年05月07日 22時43分18秒 | 飲み歩き・すすきの界隈
本日は仕事の後、飲み会。少々体を動かす事情があったので、ビールが旨い。その後、米焼酎のロックに転じたが、これが飲み過ぎの元だった。

食べ物は鶏沢山、ラーメンサラダ、冷奴、塩ホルモン等。

2軒目は一人、すすきののバー「N」へ。まずはさっぱりとベネットを注文。ここで記憶が途切れる…。

2杯目は赤ワイン、3杯目はマティーニを飲んで終了。何で赤ワインを飲んだのか知らないが、少し前に飲んで美味しかった記憶があるからだろう。メモから飲んだものだけは判明したが、ふるまいは大丈夫だったのだろうか?

***
翌日は天気も悪く、ゴールデンウィーク中にギャラリー巡りも済ませていたため、休養日。図書館にだけ行って、夜読む本を借りてきた。

20100507最近読んだ本

2010年05月07日 14時05分01秒 | 読書
■「にぎやかな部屋」星新一
人間と霊の2重構造による戯曲。ワンアイディアを中編として上手くまとめている(再読)。

以下、図書館の6冊。
■「マンボウ最後の名推理」北杜夫
事件でもない話を作者と同名の「北杜夫」が作中で事件化してしまう。中身が薄く、かなりひどい。

■「小さな町小さな旅 東北北海道」
といっても、北海道で登場したのは江差のみ(小コーナーで小樽と函館が少し)。東北の町は昔の建物が沢山あるなあ。それから結構水路が多いのも特徴的だ。

■「乙女の大阪」甲斐みのり
どうしても大阪に行かなくてはという理由が見つからない。奥の深い大人の町なのだろうが。

■「ABCDEFG殺人事件」鯨統一郎
身の回りの人間が次々死んでいきながら、探偵としては成功をおさめる主人公。このくらい変な設定の方が、この作者の持ち味がでる。

■「包丁人轟桃次郎」鯨統一郎
悪趣味で浅い。ラストも丸わかり。

■「「県境」の秘密」秋山忠右、中原淳
一つの島なのに、属する県によって「石島」「井島」と名前が違う島。県をまたいだ飛び地というのも結構あるのだが、さらに二重飛び地(A県の中にB県があり、さらにその内側にA県がある)まであったり、驚きだ。

旧産炭地の旅ファイナル+1 まとめ

2010年05月05日 23時36分35秒 | Weblog
また旧産炭地に行ってきたのだが、その記事のまとめを最新日付(GW終了の頃)にして置いておく。

旧産炭地の旅ファイナル+1(1) → とりあえず滝川到着
旧産炭地の旅ファイナル+1(2) → がんがん鍋を喰う
旧産炭地の旅ファイナル+1(3) → 滝川で郷土館へ
旧産炭地の旅ファイナル+1(4) → 滝川美術自然史館へ
旧産炭地の旅ファイナル+1(5) → まってました「なんこ」

以上で今回の旅は終了。

5/4 空知の彫刻を追加。

20100505最近読んだ本

2010年05月05日 21時15分55秒 | 読書
■「おせっかいな神々」星新一
アイディアもさることながら、それを読ませる設定に無理が無いのが星新一の凄さだと思う。現在から読むと、携帯電話が無いことに違和感を感じたり、コンピュータの描写の古さに目が行くが、それは枝葉末節である(再読)。

■「片目の猿」道尾秀介
常人離れした聴力を武器に探偵業を営む主人公。今回受けた調査で、自分に関わりのある過去が発掘される。ある意味、叙述トリックといえる工夫が興味深い。

■「塩の街」有川浩
地球外からやってきた塩の結晶の塊。人類の体を塩に変えていく作用があるらしいのだ。このままでは絶滅してしまう人類に、打開策はあるのか? 最初の方は非常にパーソナルな話から始まり、最後は人類について描かれる。なかなか面白い。

■「ぜったい好きになってやる!」みうらじゅん
マイブームにまつわる話。世間的に評価が定まっていないものを見つけ、そこにのめりこめるのは凄い。

■「霧のソレア」緒川怜
良くできたエンターテインメント。主人公のパイロットと事故死した父の関係、飛行機に乗っていた原子力科学者と死んだ娘の関係など、少々取ってつけたような背景は残念。

以下、図書館の2冊。
■「料理の哲学」三國清三
多少、キャラクターが「濃い」人だが、まあ良いのでは。

■「怖い絵」中野京子
真偽のほどはさておき、確かに得体の知れないほど怖い絵ってあるよな。

ゴールデンウィーク終了

2010年05月05日 12時49分20秒 | 食べ歩き
本日は休養日。昼食は二十四軒のビストロ「PE」へ。

今日はポタージュから。春にんじんのポタージュ、コンソメのジュレ添えである。にんじんの部分は甘味があり、岩塩で変化をつけて食べる。コンソメの部分が溶けだしてきたのを混ぜるようにすると、これがまた素晴らしい。上質なコンソメの味は、ある意味和風の出汁にも似たような所があり、ピッタリ口に合う。



続いて岩手県産サラダ鶏と自家製ハムのグラッセ、季節の野菜添え。これは鶏の柔らかさとジュースの含み具合が絶妙。焼鳥も良いが、もう少し大きな形で火を通しているため、旨みが逃げていない。さらにハムの塩気と野菜を合わせる。ギョウジャニンニクが入っているのもいいね。



最後にデザート。柔らかプリン、グレープフルーツのソルベ、抹茶のサブレ、(名称失念)何かのケーキの盛り合わせである。甘いものを食べて、コーヒーを飲んで、のんびりだなあ。明日から仕事だが2日間で週末になるので、大丈夫だろう。



床屋さんに行き、図書館に行き、帰宅。

最後にひっそりと飲みに行く

2010年05月04日 22時25分53秒 | 飲み歩き・すすきの界隈
今日はゴールデンウィーク中、最後の飲み会ということで、色々と思っていた店もあったのだが開いていない。バールに振られ(2軒連続)、立ち飲みは開店が18時(現在17時)、焼鳥屋に振られ、結局いつものすすきの駅「WY」へとたどり着いた。

「あらお久しぶりね」(そうでもないと思うのだが)とオネエさんが声をかけてくれたので、どうやら「たまに来る人」という認識ができたようだ。とにかく歩いたので、まずビール。通しはミニ刺身、もやし、チーズ豆腐。



このチーズ豆腐がなかなか美味しい。さて私の第一注文は豚えのき(珍しい)と鮎塩焼にしよう。豚えのきは前回と注文がかぶらないようにと珍しいものを頼んでみたが、肉のエキスがキノコにしみこみ、歯触りが残っていい感じだ。



鮎はやはり特別な味。頭は無理だったが、胴体からは骨ごと食べられるので、身と内臓を一緒に食べる。苦い中にも独特の白身の味がする。


→アングルがイマイチ。鮎よゴメン。

続いて、梅サワーに切り替え、鶏皮、肉団子を食べる。皮は初めてかもしれないが、いい感じに焼き上がっていた。





さて次は、ゴールデンウィーク中もありがたく営業しているバー「n」へ。1杯目はタンカンのマティーニ。柑橘系の香りが強過ぎず、甘味もほど良くという感じ。



2杯目は前回の宿題、VAT69の80年代(らしい)オールドボトルを飲む。現行のVAT69も値段(非常に安い)からすると、悪くない酒なのだ。しかし、味のふくらみ、柔らかさでは、全く次元が違うほどこっちの方がいい。オールドボトルというイメージから来る気のせいだけではないと思う。



3杯目は「ゴールデンウィークの最後に、ガツンとハードなのを」ということで、アイリッシュウィスキー+シャルトリューズヴェール9滴+ミントリキュール6滴のカクテル(名前忘れた)。副材料の滴数はどこまで本気なのという気もするが、マスターがかなり厳密に作ってくれた。

味は「ウィスキーで作ったマティーニ」のような感じ。オリーブが入っているのも要因かもしれないが、甘味をあまり感じさせず、ウィスキーが圧倒的な感じでもない。これは面白いカクテルなので、また頼んでみたくなるような気がする。

ここで塩ラーメン(トンコツスープ)を食べ、珍しくバスに乗って帰宅。今日の交通費は200円で済んだ。


20100504ギャラリー巡り

2010年05月04日 16時13分13秒 | ART
本日はミヤシタ→創→趣味の郷→さいとう→スカイホールの5か所。

■ギャラリーミヤシタ「井上まさじ展」。特定の色に偏らず、色々な色彩の作品が展示されている。2階奥の白黒作品には驚いた。白っぽい方は、白地に黒の点が無数に打たれている。黒っぽい方は、白い丸(結果的に黒地になっている)が無数に描かれている。ある意味、技法解説的でもある。

■趣味の郷「(展覧会名失念)」。佐藤忠良の「若い女」という140センチのブロンズ像に値段がついていたが、このくらいする訳なのね。

■さいとうギャラリー「続々トドまってはいけない展」。いろいろな展示物があったが、山下和良「トドまらない街札幌」の展示が面白かった。札幌の市街地図(巨大)に、魅力的な建物の写真をマッピングしたものである。ただ、残念ながら、古い建物はどんどん取り壊しされていっているのだ。

全て徒歩のため、25744歩。

※5/5追記 三越の「第50回東日本伝統工芸展」を忘れていた。結構緻密で良い作品多し。

大衆食堂の名店

2010年05月04日 12時47分35秒 | 食べ歩き
いつも気にはなっていたが、休みの頻度が高いらしい食堂がある。時々しか通らないので何とも言えないのだが、土曜日に開いているのを見たためしがない(公式には営業日らしいのだが)。

そんな中、「ゴールデンウィーク中は休みだろう」と思いつつも、念のために足を向けていると営業しているではないか。早速、食堂「A」に入店だ。

さすがに今日のランチはやっていないようなので、しばし考え「ハンバーグカツ定食」を注文。いわゆるメンチカツである。カウンターでご主人の手さばきを見ながら待つが、手際がよくて食べるのが楽しみな感じ。さて、私の注文が到着した。



ハンバーグカツをはじから一口。なるほどこれは厚みがあって美味しい。TVに出てくる映像のような、肉汁を含んだ断面である。ところで、一緒に作られていたハンバーグにはソースがかかっており、ハンバーグカツにはかかっていない。そこで、市販の醤油とソースで食べている訳だが、これはあまり凝ったソースをかけない方がいいのかもしれない。

ご飯が好みよりも柔らかかったのだけが惜しいが、料理のうまさ、ボリューム共に、文句なく素晴らしいと思う。またいつか開いている時があれば、立ち寄ろう。しかしその時は腹を減らしていかねばならない。



※なお、この記事はgooブログライターの新バージョンでテスト的に書いてみた。HTMLエディターの方は、評判を見ると重いのではという気がするが、TEXTライターの方はまあいいのではないか? もっともベータバージョンというのを信じないので、この後は元に戻す予定。

→改行が思い通りに見えない(プレビューで)ことが判明。しばらく新バージョンは使わない。

ゴールデンウィークといえば

2010年05月03日 22時18分53秒 | 飲み歩き・琴似界隈
麻生まで歩いて(トータル27684歩)、地下鉄ですすきのへ。バー「C」でまず一杯。ウィスキーソーダとマンハッタンを飲んで、琴似に移動。

最近できた沖縄料理の店「G」へ。私のゴールデンウィークといえば、旧産炭地の旅も恒例だが、沖縄料理店に行くことも多い。何となく気候が良くなってくる時期に、イメージがあっているのか。

オリオンビール生を注文し、海藻サラダ、ミミガー唐揚げ。サラダにはもずく、アーサ、海ぶどうが少しずつ入っており、予想通り。ミミガーはパリパリに揚がっていて、チップス状態。ビールに非常に合う。



続いてフーチャンプルー、沖縄天ぷら、島豚ステーキ。フーチャンプルーはもやしではなく、キャベツが入っている。キャベツの歯ごたえと甘味は良い感じだ。飲み物は泡盛ロックに変える。

最後にラフテーと沖縄そば。ラフテーは豚皮の部分が付いており、そのトロトロした感じはたまらない。沖縄そばにはコーレグースを入れるが、かなり辛く香りが強い。





久々に沖縄の味を満喫。ま、純粋に沖縄県の味とは違うかもしれないけど。この後、JR琴似駅方面に行き、久しぶりのショットバー「M」へ。マルガリータ、マティーニ、マンハッタンとスタンダードカクテル3連発。

店内で「アバター」のDVDがかかっており、大体雰囲気は分かったので良かった。

20100503ギャラリー巡り

2010年05月03日 16時04分14秒 | ART
本日は札幌市資料館→NEW STAR→4プラ→ART-MAN→たぴお→STV北2条→JRアートBOX→北大総合博物館の8か所。

■ギャラリーNEW STAR「伊藤沙弥香初個展 「うちとそと」」。ペイズリー柄のような細かい画は好みである。写真はごく普通の題材だが、全て正方形なのが面白いかも。

■JRタワーARTBOX「高橋喜代史 「バーン」」。分かりやすいが、知らない人から見ると広告っぽいかも。「バーゲン」だと思ったりして。



■北海道大学総合博物館「わが街の文化遺産「札幌軟石」 -歩いた!探した!見つけた!」

軟石の仕上げ見本があった。これはツル目仕上げ。



これは機械割り肌。



「花の日露交流史 -幕末の箱館山を見た男」。植物に興味が無いので、さっと見たが、幕末の箱館にやってきたロシア人植物学者と日本人の助手に関する展示である。写真撮影は一部を除いて禁止。下にあるのは等身大マキシモヴィッチ像と函館の地図である。



この後時間が余り、麻生まで歩く。

それは魚を切っただけではない

2010年05月03日 11時56分12秒 | 食べ歩き
本日はギャラリー巡りの途中、寿司屋さんで生ちらしを食べた。祝日のせいもあってか、周りの人たちは酒飲みモードだが、私は控えておこう(昼間は)。

酢飯の上には玉子、いくら、しめさば、マグロ、エビ、サーモン、ブリ?、蛸かな。マグロとブリ? は良い。しめさばは貧弱。他は普通。いろいろな店で食べ比べると、生ちらしといっても魚を切ってのせただけじゃないってことが分かる(つまり、店によって旨い/そうでもない、があるということを言っている)。



メニューには味噌汁、漬物付きと書いてあるのだが、漬物が出てこないなあ。食べ終わって立ち上がると、「デザートとコーヒーがありますが」と店の人。じゃあ、立ち上がる前に気がついて持ってきてほしいよなあ(批判気味)。


20100502最近読んだ本

2010年05月02日 23時31分10秒 | 読書
■「孤宿の人 上下」宮部みゆき
江戸から厄介払いされ流れてきた孤児と、家族・部下を惨殺し理由を言わない勘定奉行が、四国の某藩で出会う。登場人物が一概に「悪」とも「善」とも割り切れない動機のまま行動することにより訪れる結末は? お涙ちょうだいにもならず、悲惨なノワールにもならないストーリーはさすがといえるだろう。

以下、図書館の6冊。
■「MORNING GIRL」鯨統一郎
人類の睡眠時間が減少を開始し、このままでは遠からずゼロになってしまう。人類の行く末を描いた、良く言えばクラークばり、悪く言えば思いつき作品。

■「粋な蕎麦屋酒のすすめ」鈴木義郎
店に点数をつけるのと、何回も「江戸っ子は死ぬ前に、たっぷり蕎麦汁をつけて…」の話が出てくるあたりは、粋じゃないけどね。

■「いつか、キャッチボールをする日」鯨統一郎
最初は野球小説かと思いきや、犯罪がらみ、さらにお涙ちょうだい物語と転変。

■「ヒミコの夏」鯨統一郎
日本中を新種のコメが味の良さで席巻。しかし遺伝子操作等による安全性に問題はないのか? この作者、ワンアイディアだけでストーリー作りをするのは良いのだが、そのアイディアを効果的に伝える舞台設定にまで気を配っていない。だから何となくウソっぽくなるのだよな。これまでもシチュエーションそのものが限定的な作品には良い物もあるので、もう少し考えて欲しいというのが、3冊連続読んでの感想だ。

■「親父メシ」辻啓一
熟年離婚でメシを作らざるを得なくなった人の話。フランス在住ということで、ある意味日本食へのこだわりを捨てざるを得ない(材料入手が難しい等の理由で)ので、気楽に取り組めるのではないか。

■「サークル」北島行徳
推理小説好きとしては、精神病物はよほどのことが無い限り認めたくない(何でもアリになってしまうから)。しかし普通小説として読むなら、決しておかしくはないのだろうと思う。