三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

芝居「風の又三郎」

2019年02月24日 | 映画・舞台・コンサート

 Bunkamuraシアター・コクーンで舞台「風の又三郎」を観た。
 https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/19_kazemata/

 開宴5分前に入場すると、観客の9割は女性である。当然ながら周囲の客もみんな女性で、中には肩や背中を出した若い女性客もいた。ダブル主演の窪田正孝も宝塚出身の柚希礼音(ゆずきれおん)も女性に人気があるのだろう。状況劇場の唐十郎を知っているとは思えない人たちがアングラ劇を観劇するということについて、なんとも隔世の感がある。
 芝居は歌あり踊りありで柚希礼音の独壇場みたいな部分もあったが、宮沢賢治の原作の幻想的なイメージもチラホラしていて、クレーンの仕掛けなども加わって、結構楽しめる芝居になっていた。休憩を入れて3時間の長丁場だが、まったく飽きずに見続けることができる。芝居に行くたびに見かけるうたた寝をする人は、今回はひとりもいなかった。
 柚希礼音の宝塚風の歌い方が凄い。高音も地声で歌うので喉がかなり酷使されて疲れるはずなのに、最後の最後まで歌声は朗々としていた。
 風間杜夫や六平直政のコミカルな芝居はアングラ劇ならではの観客との距離を縮めるもので、笑えるシーンがたくさんあったことも飽きない理由のひとつだった。
 チケット10,500円とその他で総額11,418円の料金に十分見合う内容だったと思う。