ラグビーは他のチームを貶めるゲームだ。他が失敗し、自分たちだけが成功すれば勝利となる。自分たちだけが一丸となって頑張れば、他が失敗して勝利が転がり込む可能性がある。それがワンチームだ!
他人の不幸を請い願う。それが試合なのである。そもそも試合があるからいけない。試合はスポーツではない。試合をして優劣を競い合う限り、他人の不幸を願う人が人類の続く限り、存在し続けるだろう。他人の不幸を願う人ばかりの世の中をワンチーム!として喜ぶのは頭が悪いとしか言いようがない。
そもそも優劣を競うのは、自分が他よりも優れているという優越感を持ちたいからである。これは優越複合であり、劣等複合と対になる精神の働きだ。表裏一体なのである。英訳すれば両方ともコンプレックスだ。
コンプレックスは不自由な精神のひとつで、コンプレックスから自由にならないと人間は幸福になれない。相手を劣っていると馬鹿にし合う関係は、どこまでも不幸である。それがコンプレックスの関係だ。
ワンチーム!と言って他を貶めようとする劣悪な精神性が流行語大賞になるような国は、そもそも国民の精神性が劣悪なのである。戦前の精神性から一歩も出ていない。日本は国民総火の玉となって戦うのだ。鬼畜米英。一億玉砕。天皇陛下万歳。
戦後民主主義は画一化から脱し、多様性を求め、多様性に対して寛容を求めるものだった。戦後74年も経って、またあの暗黒の時代に戻ろうというのか。
ワンチーム死ね。