三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

映画「Honest Thief」(邦題「ファイナル・プラン」)

2021年08月02日 | 映画・舞台・コンサート
 映画「Honest Thief」(邦題「ファイナル・プラン」)を観た。
 
 悪役がいい。学生時代にアメリカンフットボールで鍛えたみたいな体型に顎の大きな悪役ヅラだ。このジェイ・コートニーというオーストラリアの俳優さんは、なかなかの存在感である。これからも悪役で活躍し続けそうだ。
 今回のリーアム・ニーソンは珍しく泥棒の役。基本的に善玉の役しかしないから、敵はそれ以上の悪役となり、当然のように悪徳警官がその任を果たす。警官がFBIなのは、現金を強奪したのが複数の州の銀行だからだろう。
 相変わらず家族第一主義のアメリカ映画だが、今回の家族は新しい恋人である。ケイト・ウォルシュは53歳だが、本作品ではかなり若く見える。演じたアニーは大学院を卒業しようという年齢だから、卒業がどんなに遅くても30歳より前だ。大胆な配役だが、撮影当時68歳のリーアム・ニーソンに合わせたとも言える。ハリウッドの俳優陣はいくつになってもとても元気である。
 ストーリーはアクション映画の例にもれず、絶望的な状況に陥った主人公がこれまでに培った力量ととっさの判断力を発揮し、幸運にも助けられて危機を脱出する話だ。予定調和だから安心してみていられる。マイヤーズ捜査官役のジェフリー・ドノヴァンがいい味を出していた。

映画「ジャングル・クルーズ」

2021年08月02日 | 映画・舞台・コンサート
 映画「ジャングル・クルーズ」を観た。
 
 スカーレット・ヨハンソンがディズニーを訴えた。今年(2021年)の7月29日のことである。映画「ブラック・ウィドウ」の公開について、劇場公開と同時にディズニーがDisney+でストリーミングサービスを始めたからだ。ヨハンソンは劇場の興行収入に対しての歩合をもらう契約だったから、ストリーミングされて来場者が減少してしまうと彼女の取り分が減少してしまうというのが理由である。流石に権利は堂々と主張するお国柄だ。この訴訟で彼女が非難されることはない。
 
 本作品もディズニー作品で、もしかするとDisney+で同時配信しているのかもしれないが、当方は映画は映画館で観る主義なので、縁がない。ネズミーランドの人気のアトラクションを実写映画化したらしい。当方はそのアトラクションを利用したことがないが、CGIを駆使した本作品に比べれば実際のアトラクションはかなりショボいと思う。ショボいが、映画とはまったく違う体感がある。だから映画の観客はその体感を想像力で補いながら鑑賞する。ディズニー作品はそれがとてもやりやすく出来ている。本作品も例外ではない。
 ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンはアクションばかりではなく喋りも上手い。相手役のエミリー・ブラントが割とヒステリック系のヒロインの役が多い(本作品でもそうだった)のに対して、ザ・ロックは善玉も悪玉もモブキャラもできる。29歳でプロレスラーから映画デビューし、今年で49歳、俳優のキャリアは20年になる。印象の強い俳優で、本作品でも鑑賞後に思い返すのはこの人のアクションや表情がほとんどだ。ブルーバックやグリーンバックのスタジオ撮影が多いのだろうと思うが、そんな環境でも表情豊かに演じきる。ザ・ロックとCGIとの相性は意外といいのかもしれない。
 ストーリーはベタそのもので、不可能と思えた冒険だが、やってみればできてしまう。人間関係は最悪の出会いから試練を経ていい関係になる。もはや水戸黄門みたいにおなじみだが、それなりに爽快感はある。日頃のストレスやもやもやをザ・ロックが代わって吹き飛ばしてくれる映画である。楽しかった。