三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

映画「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」

2022年01月30日 | 映画・舞台・コンサート
 映画「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」を観た。
 
 ビデオゲームの「バイオハザード」は大変な人気だったから、遊んだことのある人は多いと思う。かくいう当方も「バイオハザード2」の発売当時に、知人のプレイステーションで遊んでハマってしまい、自分でもプレステを購入。新しいバージョンが出たのに合わせて、プレステ2、プレステ3も買った。「バイオハザード6」まで買い、その他に「コードベロニカ」や「アウトブレイク」も買って遊んだ。
 
 本作品はゲームで遊んだ人にとっては懐かしさを覚える作品である。主に「バイオハザード2」のストーリーを中心にして、それに「バイオハザード1」を足して物語を組み立てている。ふたつのゲームのつぎはぎみたいなストーリーだ。
 クレア・レッドフィールドの兄のクリスを登場させる以上、レオン・ケネディをあまり活躍させる訳にはいかなかっただろうし、エイダ・ウォンが端役になってしまうのも仕方がない。ピアノで「月光」を弾くのがジル・バレンタインでもレベッカ・チェンバースでもなくてウェスカーなのもなりゆきである。ただひとつ残念だったのは「バイオハザード2」の「タイラント」が登場しなかったことである。
 
 ゲームではタイプライターのある場所でインクリボンを使うとそれまでのプレイデータをセーブできるのだが、一度でもセーブするとゲーム終了時に「Sランク」が取れない。だからセーブなしでゲームを進めるのだが、殺されれば当然ゲームオーバーで、セーブしていないから最初からやり直さないといけない。だから強力な敵が怖い。
 ゾンビはよけて走ればなんとかなったのだが、警察署にいた「リッカー」と研究所の「イビー」がとてつもなく強くて怖かった。何度も殺されてゲームオーバーになったことを思い出す。そして壁をぶち破っていきなり現れる「タイラント」は、最初にゲームしたときは度肝を抜かれた。つかまったらゲームオーバーになるので、なんとか逃げるしかない。思えば「バイオハザード2」は逃げながら謎解きをしてストーリーを進めるゲームだった。
 ゲームに慣れて「Sランク」が取れると、無限に撃てるマグナムや、無限ロケットランチャーが手に入る。それらが欲しくて一生懸命にゲームをするのだが、取ってしまうとゲームが簡単になりすぎて面白くない。だから手に入れても使わずにゲームをした。
 
 映画になるとゲームオーバーで最初からやり直すという訳にはいかないから、タイラントを登場させるわけにはいかなかったのだろう。主要人物は当然誰も死なないし、巨大バイオ企業「アンブレラ」も倒産していない。ウェスカーはこのあと何をするのか、エイダ・ウォンの正体は何なのか不明のままだ。物語は本作品のあとも続く。しかし続編の映画が製作されるかどうかはわからない。本作品の興行成績次第かもしれない。
 
 ゲームの「バイオハザード」シリーズを一度も遊んだことのない人には意味不明の感想ばかりを書いてしまった気がする。ただただ、懐かしい思いで鑑賞した。ある意味で感激したとも言えそうだ。同好の士にはご納得いただけると思う。

映画「シルクロード.com- 史上最大の闇サイト」

2022年01月30日 | 映画・舞台・コンサート
 映画「シルクロード.com- 史上最大の闇サイト」を観た。
 
 予想と少し違った。サイバー犯罪にサイバー対策のスペシャリストが立ち向かっているところに、ひとり場違いな引退間際のおっさん刑事が参加して、聞き込みと防犯カメラの捜査で成果を上げるのかと思っていた。
 しかしさすがにそれではサイバー犯罪を突き止められない。ボーデン刑事はキーボード入力も覚束ないPCスキルだが、人を脅したり賺したりすることには手練である。サイバー犯罪も、人間がやっている分には、ボーデン刑事のやり方でなんとかなる筈だ。もし主犯が学習したAIであったら、ボーデン刑事には手も足も出なかっただろう。
 
 インターネットの匿名性は、自由な意見表明を可能にする一方で、無責任な人格攻撃や誹謗中傷も可能にしてしまう。そして様々な犯罪も、同時に可能にした。本作品で扱った事件はその典型的なひとつだと思う。
 それにしても見事な犯罪である。マリファナが合法の州もある。もう少し上手くやれば、重い犯罪にはならなかったかもしれないし、場合によっては犯罪にさえならなかったかもしれない。
 しかしそこは人間だ。家族をはじめ、人間関係からは免れないし、欲もあれば恐怖心もある。ミスを犯すのは必然である。
 
 ウルブリヒトを演じたニック・ロビンソンは上手い。天才的な犯罪者としての自負と、違法行為をした人間の怯えとの間で顫えている心理がよく伝わってきた。
 ボーデン刑事を演じたジェイソン・クラークは身体が大きくて押し出しが効く。今回の強引なおっさん刑事にぴったりだ。こちらには自負もなければ怯えもない。ウルブリヒトとの差は覚悟の違いだった。
 
 プラットフォームを運営するには手間と費用がかかるが、それをAIに任せてしまえば、運営者は追及されづらい。支払いを仮想通貨で行なえば足が付かないかもしれない。先ずは合法のサイトでAIに学習させて、非合法のサイトで使えるアルゴリズムを開発する。既に誰かがやっている気がする。