ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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「消えた年金」支給受けた生活保護世帯、札幌市が返還要求

2008-10-04 14:52:10 | Weblog
「消えた年金」支給受けた生活保護世帯、札幌市が返還要求 2008年9月27日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080926-OYT1T00668.htm
 「消えた年金」の支給を受けた札幌市厚別区の生活保護世帯に対し、札幌市が支給額と同額の保護費を返還するよう求めていたことが、26日わかった。
 この世帯は「返還請求は不当」として、北海道に不服審査請求を行った。審査請求は12日付。
 同市保護指導課によると、この世帯は2005年11月から生活保護を受けている。今年7月、03年2月から今年5月の約5年間で年金の一部が支給されていなかったことが発覚し、計約29万円の支給を受けた。
 生活保護法では、債権や不動産など資力があるにもかかわらず、現金がないために生活保護を受けた場合、後で資力分やその間に支給された保護費を返還することを定めている。


 う~ん。不服審査を行った当事者には残酷なことを言うようですが、生活保護の原資が全額国から支給(元々は我々が支払った税金)している以上は、私も臨時収入があれば、その分を充当(返還請求)するのが筋だと思いますし、もし裁判に訴えたとして、その訴えが認容されるようなことになると、生活保護法の基本理念が脅かされることにもなりかねないだけに、あっけなく棄却されると思うんですけどね…。
 今は児童扶養手当も、シングルマザーが元夫から養育費を貰う場合は、その8割を収入とみなして減額する規定が導入されるくらい、お国の財政も厳しい状況ですし、そんな訴えを認めているようではセーフティネットの公平性も保てなくなりかねないだけに、仮に法律の場で争ったところで非常に厳しい戦いになるのではないでしょうか…。

貸付信託「ビッグ」に幕 中央三井が取りやめ決定

2008-10-04 14:44:50 | Weblog
貸付信託「ビッグ」に幕 中央三井が取りやめ決定 2008年9月25日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080925/fnc0809251817016-n1.htm
 中央三井信託銀行は25日、貸付信託「ビッグ」の募集を来年9月21日から取りやめると発表した。既に、他の大手信託銀行は募集を中止しており、中央三井の募集取りやめで信託銀行の代表的な商品が姿を消す。
 中央三井は、前身の三井信託銀行が昭和27年に貸付信託の取り扱いを開始。最近は、変動金利の定期預金や投資信託などが主力商品となっていた。ビッグを含む中央三井の貸付信託の残高は8月末時点で6867億円。


 信託銀行のビッグと言えば、ヒット同様、かっては信託銀行の主力商品でしたが、換金が不便で多様な金融商品が発売される中、市場競争力を徐々に失っていったことや、取り扱う金融機関としても資金調達の方法が増えたことから、次第に取り扱いを停止。来年9月で中央三井信託銀行が取り扱いを止めることで、とうとう日本の金融市場から姿を消してしまうようですね。
 ちなみに、私が新入社員だった頃は、まだ普通銀行や都市銀行では変動金利定期預金は取り扱っておらず、別の信託銀行で賞与が支給されるたび、その一部を定期預金感覚で預け入れていたのですが、期待に反して金利は更に低下してゼロ金利に突入。
 しかも、『自動継続扱いなのに、途中解約すると(当時の金利と比べると)法外な解約手数料をとられる。しかも解約は店頭に出向かなければならない)』ということで、解約のタイミングは事実上2年おきあるいは5年おきしかなく、満期になり、解約手数料がかからない1週間程度の解約期間中にお昼を抜け出して解約手続きに行かなければならなかったという、実に面倒な思いをした経験があります。
 まあ、ビックという商品が一種の金銭信託(金銭を信託財産として信託銀行に預け、その金銭を主に企業向け貸付により運用する合同運用指定金銭信託の一種)だったため、途中解約金利ではなく、一定額の解約手数料を取られるという仕組みそのものは致し方ないのでしょうが、個人が預け入れるにはあまりにも換金性の悪い商品だったことは相違ありませんし、信託銀行でも都銀や地銀と全く同じような変動金利の金融商品を取り扱い始めた以上、この商品の使命も終わりを告げたといっても過言ではないと思います。

富山の宝石店「友の会」破綻 割賦販売行き詰まり

2008-10-04 14:34:55 | Weblog
富山の宝石店「友の会」破綻 割賦販売行き詰まり 2008年10月1日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20081001c6b0103601.html
 中部経済産業局は1日、富山市の宝石店、キタガワ(北川秀一社長)が運営する「キタガワ友の会」が9月30日、富山地裁に破産手続きの申し立てをしたのに伴い、会員に前受け金(積立金)の配分措置をとると発表した。いわゆる友の会の破綻は2006年10月に北海道の宝石店で発生して以来で、珍しい。
 中部経産局によると、友の会の会員は950―960人。今年3月末時点の前受け金は約7090万円。割賦販売法に基づき、その半額にあたる約3670万円は保全措置がとられているという。還付の手続きはおって公表するが、会員証や入金証明書などが必要になるという。
 中部経産局は6月、キタガワが会員から集めた前受け金を企業に貸し付け、適正に返済されていなかったとして、新規の貸し付けをしないよう改善命令を出していた。



 ちなみに友の会制度の破綻は、平成18年10月23日に札幌市の宝石貴金属の店ありもとが自己破産した3日後に、宝石のありもとダイヤモンド友の会(1口2000円の積立金を集めて、1年後の満期に2000円のボーナスを上乗せして、ありもとの商品を購入できました)も連鎖破綻して以来なのですが、今度は富山県の宝石店の友の会が自己破産してしまったようです。
 超低金利が10年以上も続く中、『例えば12回の積み立てで1回分のプレミアがつく』といった特典のある友の会制度は、特定のお店でしか商品が買えないデメリットを上回るその表面上の利率の良さが評価され、百貨店などでもかなり浸透していた(百貨店から見れば、ライバル百貨店に顧客を奪われないというメリットもあります)が、その一方で経営母体が経営破綻したときは、割賦販売法に基づいて半額が保全されるとはいえ、残りの半分は基本戻ってこないというデメリットが、今回の破綻で改めてクローズアップされる形になってしまったと思います。
 友の会で積み立てを行う場合は、実質金融商品代わりに運用している方も少なくないと思いますが、経営母体が破綻したときは、このようなしっぺ返しがあるデメリットもあることは決して忘れないで欲しいと思い、当ブログでもあえて記事を紹介させて頂きました。

マケイン氏、ミシガン州から撤退 世論調査で劣勢

2008-10-04 14:29:25 | Weblog
マケイン氏、ミシガン州から撤退 世論調査で劣勢 2008年10月4日 
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081003AT2M0301603102008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081003-OYT1T00613.htm
 米大統領選で共和党のマケイン陣営は2日、ミシガン州の選挙スタッフを引き揚げ、来週に計画していた同州への遊説を中止することを決めた。激戦が予想されていたが、世論調査で劣勢となっているため。他の勝利が見込める激戦州に広告費など選挙資金を振り向ける。「金融危機により、経済政策に疎いマケイン氏が影響を受けた」と米メディアは伝えている。
 ミシガン州はビッグスリー(米自動車大手3社)の本社・工場を抱え、雇用問題が大きな争点になっていた。マケイン陣営はオバマ氏は白人労働者層に不人気と分析し、同州に週100万ドル前後の広告費を投入するなど力点を置いてきた。一方、オバマ氏も同州に重ねて遊説に入り、広告を集中投下。両者が激烈な戦いを繰り広げていた。
 米世論調査分析サイトが集計した同州世論調査の平均値でみると、9月中旬にオバマ氏は2ポイントの小差でマケイン氏をリードしていたが、10月1日には6ポイント差に広がった。2004年の前回大統領選では、民主党のケリー候補が同州を制した。


 マケイン氏にとっては、ミシガン州というのは、2000年の大統領予備選で、ジョージ・W・ブッシュ氏相手に勝利し、マケイン旋風を引き起こした地でもあるのですが、今回は予備選でもロムニ-氏に敗退。
 加えてミシガン州は、ビッグ3の全ての工場があることから、国内労働者の保護に熱心なオバマ氏に人気が流れて大差がついてしまったということもこの大決断の理由としてはあるのではないかと思います。
 とはいえ、6ポイント差なら、まだ逆転の芽はあると思うのですが、マケイン氏も随分思い切った策を打ち出すというか…(吃驚
 勝てそうな州に広告費を集中投資するマケイン氏の戦略が成功するのかどうか要注目です。

AIG、アリコ売却へ エジソン・スター生命も売却意向

2008-10-04 14:24:19 | Weblog
AIG、保険に注力 日本事業は原則継続 再建計画 2008年10月4日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/1003/TKY200810030247.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081003-OYT1T00604.htm
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/081003/fnc0810032259022-n1.htm
 米当局による公的管理下に置かれた米保険大手AIGは3日、資産売却を伴う再建計画を発表した。当局の資金繰り支援にともなう巨額融資を早急に返済し、経営を立て直すため、一部事業を売却する方針を明らかにした。売却対象として、日本でも事業を展開する生命保険会社であるアリコの名前もあがったが、原則として海外の生保事業は維持するとしている。
 AIGは9月16日、米連邦準備制度理事会(FRB)による最大850億ドル(約9兆円)の緊急融資が適用される代わりに、AIG株79・9%を取得する権利を政府に握られ、公的管理下に下った。
 10月1日時点ですでに、融資策の約7割にあたる612億ドル(約6兆4千億円)をFRBから借り入れた。ほとんどは、取引先への担保差し入れなどの資金繰りに充てたとみられる。
 ただ、FRB融資は、金融機関同士の貸し借りの基準になるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に8・5%も金利を上乗せされる。負担は重く、なるべく早く返済しなければ経営再建はおぼつかない。このため、資産売却で返済資金を調達するよう、リストラ圧力がかかっている。
 AIGは電話会見で、日本を含む25カ国以上で生命保険事業を展開する子会社であるアリコについて、売却する意向を示した。ただ、売却の範囲や方法がどうなるのかははっきりしない。日本での支社であるアリコジャパンは通信販売と金融機関窓口販売などを通じ、医療保険を中心に事業を展開している。保険料等収入では国内生保業界で5位。電話会見ではさらに米国内で営業する生命保険事業についても売却の考えを示した。
 このほかの資産売却の候補としては、傘下の米航空機リース大手「インターナショナル・リース・ファイナンス(ILFC)」や、再保険会社「トランスアトランティック」の保有株式、資産運用会社「AIGインベストメンツ」などがこれまで指摘されてきた。
 リディ会長兼最高経営責任者(CEO)は3日の会見で「買い手にとって魅力的な多くの事業を売る用意がある。すでに多くの引き合いが来ている。買い手が事業の価値を理解してくれると期待している」と述べた。そのうえで「事業の価値を最大にしたい。投げ売りはしない」と述べた。
 AIGが当局に資金繰り支援をあおぐことになった直接の原因は、中核の保険事業ではなく、サブプライム関連の商品を扱う金融事業の業績悪化だった。このため、保険以外の事業を売却して本業に集中するのが、再建への近道とみられる。
 問題は、それで十分な資金を得られるかどうかだ。資産内容が良くても、追い込まれた形で売りに出すAIGの事業は、相手に足元を見られて安く買いたたかれる可能性がある。市場の混乱は続いており、FRB融資の返済分だけでなく十分な手元資金を確保する必要もあるとみられる。
 
AIG、アリコ売却へ エジソン・スター生命も売却意向 2008年10月4日
http://www.asahi.com/business/update/1004/TKY200810030296.html
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081003-OYT1T00604.htm
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081003AT2C0301X03102008.html
http://mainichi.jp/select/today/news/20081004k0000m020143000c.html
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/081004/fnc0810040127001-n1.htm
 経営難で米当局の管理下に入った米保険大手AIGは3日、日本でも事業を展開する生命保険子会社アリコを売却する方針を明らかにした。同じく子会社のAIGエジソン生命保険とAIGスター生命保険も売却する意向という。売却先は未定だが、国内の大手保険各社も巻き込んだ再編に発展する可能性も出てきた。
 アリコの日本での支店にあたるアリコジャパンは同日夜、顧客に対し「米国本店の株主が変更されるだけで、保険契約に関しては変更はない」と説明する文書を出した。自社の財務状況や保険金支払い能力は十分な水準を確保しているので、安心するように呼びかけている。
 アリコジャパンは、日本の生保業界5位の規模。1973年に営業を開始し、テレビなどでの派手な宣伝をてこにした通信販売と金融機関窓口販売を軸に、生命保険や無配当保険の販売を伸ばした。08年3月期の保有契約件数は640万件、保険料等収入は1兆4657億円。
 一方、株式を売却する意向のエジソンは前身が東邦生命保険で、生保業界22位。スターは00年に破綻(は・たん)した千代田生命保険が前身で同23位。ただ、AIGによると、両社とも株式の一部保有を続ける可能性があるという。
 また、AIGは日本国内の損害保険事業は売却する考えはないことも明らかにした。旅行保険などを展開するAIU保険や通販の自動車保険などを手がけるアメリカンホーム保険が含まれるとみられる。
 AIGが事業売却を進めるのは、当局の資金繰り支援にともなう巨額融資を早急に返済し、経営を立て直すため。公的管理後に新たな会長兼最高経営責任者(CEO)に就いたエドワード・リディ氏がこの日の電話会見で、アリコを含む資産売却方針を明らかにした。今後は米国内外の損害保険事業に集中するとしており、米国内で営業する生命保険事業も売却する。

AIG、日本の3生保売却 日生・東京海上など関心 2008年10月4日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081004AT3K0301G03102008.html
 米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が日本国内の生命保険3社の売却方針を発表したことで、国内の大手生損保や外資系保険会社による大型の争奪戦に発展しそうだ。業界関係者によると、日本生命保険、東京海上ホールディングスが買収に関心を示しており、独アリアンツ、英プルーデンシャルなどの名も挙がっている。保険業界の大再編につながる可能性も出てきた。
 生保3社の保険料収入は合計で2兆1000億円と国内大手生保に匹敵する。仮に全株売ると、売却額は計1兆数千億円に達するとの見方もある。




 AIGの日本事業については、生保事業を売却するのかそうでないのか、一時情報が錯綜したのですが、当初は「米国内外の損害保険事業を継続して保有し、米国外の生命保険事業も株式の持ち分を継続して保有する予定」とされ、日本の生保3社については言及していなかったため、日本の生保3社は売却しないという見方が強かったのですがが、会見終了後にAIGの日本法人が米AIGに確認したところ、アリコジャパンも売却対象に含まれているとともに、会見では言及しなかったエジソンとスターの売却方針も伝えられたため、日本法人が急遽3社の売却を盛り込んだ米AIGの発表文を追加して発表する騒ぎになったようです。。
 ちなみに、日本国内のAIGの傘下子会社は、生保は業界5位のアリコジャパン・業界22位のAIGエジソン生命・業界23位のAIGスター生命。損保は業界8位で代理店販売が中心のAIU保険・業界11位で通販中心のアメリカンホーム保険・50%を出資している旅行保険中心のジェイアイ傷害保険・同20.86%出資している富士火災がありますが、収益の安定している損保部門は残すとしても、生保事業についてもアリコジャパンについては、代理店事業や通販事業など販売形態も多様化していて、しかも大きなコールセンターを抱えていること、保険外務員のコンサルティングレベルもアリコの方が他の2社よりも格上とされることから、こちらは将来のためにも温存するのではないかと見ていただけに、少し意外な結果になりましたね…。
 まあ、AIG本体も政府に借金をしているようなものですから、早急な資産売却を迫られているという事情もありますし、仕方がないといえばそれまでですが、これまで多額のCM宣伝費をつぎ込んで築きあげてきたアリコブランドを放出するのはやはり勿体無い話かと思います。
 これから先、国内外の生保や生保に新規参入を狙っている一般事業会社相手に公式・非公式に打診した上で、一番高値をつけるところに売却するのでしょうが、早くも、ニッセイや東京海上、アリアンツ、英プルデンシャルが関心を示しているようですが、売却先はどこになるのでしょうか…。保険募集人の待遇を考えれば、ニッセイよりも賃金体系一つとっても近い外資系がベターな選択肢かと思いますが、少しでも赤字を減らさなければならないAIGとしては、1円でも高く売りたいでしょうし、正直どこが(とりわけアリコジャパンを)高値をてつけて落札するか全く読めないだけに、今後の3社の行方が非常に気になるところです。

ワコビア、ウェルズ・ファーゴと合併 シティへ売却撤回

2008-10-04 14:13:30 | Weblog
ワコビア、ウェルズ・ファーゴと合併 シティへ売却撤回 2008年10月4日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/1003/TKY200810030256.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081003AT2M0303V03102008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081003-OYT1T00662.htm
 米銀行大手6位のワコビアと同7位のウェルズ・ファーゴは3日、合併することで最終合意したと発表した。ワコビアは先月29日、同社の銀行業務を同業大手シティグループに21億6千万ドル(約2300億円)で売却すると発表したばかりだが、その合意を撤回し、ワコビア全体がウェルズ・ファーゴと合併することにした。実現すれば、資産規模で全米4位の銀行になる。
 発表によると、ウェルズ・ファーゴがワコビアに対し、株式交換方式で約151億ドル(約1兆5800億円)支払う。これにともない、ウェルズ・ファーゴは最大200億ドル(約2兆1千億円)増資し、資本を増強する。
 新会社の総資産は1兆4200億ドル(約150兆円)。米金融大手では、銀行に業態転換したゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーを抜き、全米4位になる。
 ワコビアは当初、同社の資産の大半を占める銀行業務をシティグループに売却し、証券や資産運用業務のみを残して存続する、と発表していた。この際、シティグループは買収後にワコビアの資産からの損失が膨らんだ場合は米連邦預金保険公社(FDIC)が穴埋めすることになっていた。シティの買収が完了すれば、資産規模では世界最大の金融機関になるはずだった。
 これに対し、ワコビアとウェルズ・ファーゴの合併合意にはFDICや米政府系機関の関与はなく、公的な支援も受けないという。ワコビアは3日、「シティとの協議を続けてきたが、ウェルズ・ファーゴの提案を承認した」との声明を出した。



 ワコビアの買収問題ですが、当初シティグループが公的資金をあてにして買収するという話が出ていたのですが、公的資金の介入を嫌ったワコビア側が、交渉相手をウェルズ・ファーゴに切り替えて合併することで合意したようですね。
 それにしても、2007年12月末時点での時価総額でこそ、ウェルズ・ファーゴが世界ランキング10位で資産総額が11.97兆円、一方のワコビアは同22位で8.64兆円とウェルズ・ファーゴがリードしているものの、金融機関の規模としては、ワコビアの方が圧倒的に大きく、確かにスペインのサンタンデール銀行と共に、最終売却候補3行には残っていたとはいえ、本当にウェルズ・ファーゴがワコビアを買収することになるとは思いもしませんでした…(吃驚
 しかも、確かにワコビアの店舗網と個人預金は魅力とはいえ、全部門を引き受けるなんて…。仮に買収するとしても、ブービートラップが発動する可能性を否定できない投資銀行部門は切り離すなど、何らかの損失拡大対策は取るものだと思っていましたし、もし後から追加損失が出てきた日には、それこそウェルズ・ファーゴ側の株主から訴えられかねないと思うのですが、随分大胆な決断をしたものだと思います。
 ちなみに、売却価格は2日のワコビアの終値に79%を上乗せした1株あたり7ドルを掲示するようですが、この株価の算定も微妙かも…。ベア・スターンズの時も一度1株2ドルで算定しておきながら、株主の反発で1株10ドルまで引き上げた前例があるだけに、本当にこの値段での買い取りができるのかも注目しています。

金融安定化修正案が通過したのにNYダウは157ドル安→10325ドルで終了

2008-10-04 14:04:46 | Weblog
NYダウ大幅続落、157ドル安 3年ぶり安値、法案可決も不透明感 2008年10月04日 
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081004NTE2INK0104102008.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/081004/fnc0810040812005-n1.htm
 3日の米株式相場は大幅に3日続落。ダウ工業株30種平均は前日比157ドル47セント安の1万325ドル38セントで終えた。2005年10月27日以来、3年ぶりの安値水準。前日の急落を受けて自律反発狙いなどの買いが先行したが、米下院で午後に金融安定化法案が可決された後は一転して売りが優勢になった。
 ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は29.33ポイント安の1947.39と05年5月3日以来、3年5カ月ぶりの安値で終えた。
 米下院が午後、最大で7000億ドルの不良債権を買い取ることを軸にした金融安定化法案の修正案を採決し、賛成多数で法案を可決した。
 ただ、法案可決への期待から事前にダウ平均は300ドル超上昇しており、法案可決後は材料出尽くし感から売りが出た。市場の一部では法案に対する実効性への懸念が意識されたことも売りを誘ったという。最近発表される米経済指標にさえない内容が多いことから、米景気の先行き悪化懸念が意識された面もある。

米、金融安定化法成立へ 下院が修正案を可決 2008年10月04日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081003AT2M0304X03102008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081004-OYT1T00164.htm
朝日 http://www.asahi.com/business/update/1004/TKY200810030313.html
 米下院は3日午後(日本時間4日未明)の本会議で、最大7000億ドル(約73兆円)の公的資金で金融機関から不良資産を買い取ることなどを柱とする緊急経済安定化法案(金融安定化法案)の修正案を賛成多数で可決した。上院は1日に同修正案を可決済み。ブッシュ米大統領は速やかに署名する見通しで、同法の成立は確実になった。
 米国発の金融危機の封じ込めへ、過去最大の税金を投入する金融安定化対策が動き出す。ただ不良資産の買い取り価格など不透明な部分が残っており、売却に伴う損失の処理で金融機関の自己資本が不足する恐れもある。金融危機が収まるか、なおハードルは多い。
 投票結果は賛成263、反対171だった。下院は9月29日、当初法案を共和党を中心とした反対で否決。世界同時株安の引き金となり、金融市場の動揺を招いた。修正案に預金者保護の拡充などを盛り込んだことで一転して賛成が優勢となった。

9月の米雇用、15万9000人減 失業率6.1%、金融危機波及 2008年10月04日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081003AT2M0304603102008.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081004k0000m020114000c.html
 米労働省が3日発表した9月の雇用統計(季節調整済み)によると、非農業部門の雇用者数は15万9000人減少し、9カ月連続で悪化した。2003年3月の21万2000人減以来、5年半ぶりの大幅な落ち込みとなった。失業率(軍人を除く)は前月と同じ6.1%だった。金融危機は実体経済に波及し、雇用にも悪影響が及び始めている。
 市場予測の平均は雇用者数が10万1000人減、失業率が6.1%だった。米雇用情勢の悪化は、内需低迷に加え貸し渋りが深刻化するなかで企業の雇用調整が加速していることを示しており、景気後退懸念が強まりそうだ。

NY原油、小幅続落=景気減速懸念で 2008年10月4日 時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2008100400089
 週末3日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、世界的な景気低迷に対する懸念を背景に小幅続落した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物は、前日終値比0.09ドル安の1バレル=93.88ドルで終了した。



 3日のNYダウは実に予想外な値動きをしたようです。まず、9月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が15万9000人減少と9カ月連続のマイナスとなり5年ぶりの酷い落ち込みとなったのに、朝方は反応せず、むしろ金融安定化修正案が可決する期待感から買いが入り、徐々に上値を切り上げ、現地時間13時頃には、前日の水準から310ドルを超える上げ幅を記録し、10800ドル付近まで上昇。
 そして、日本時間深夜4時頃に結果がわかるといわれていた金融安定化修正案が、予想よりも大幅に早く(深夜2時頃?)賛成263(うち民主172・共和91)VS反対171(うち民主63・共和108)の賛成多数で可決したため、てっきりそのまま大幅アップで終わるかと思っていたら、今度は、材料出尽くし感や法案に対する実効性への懸念が意識されたことから急激に売込まれたようで。同15時前には前日の終値を割り込む水準まで下落、その後しばらくは前日比プラスの水準で落ち着いていたものの、16時の市場終了間際にかけて再び急落し、結局前日比157ドル47セント安い1万325ドル38セントでの終了となったようです。
 まあ、金融安定化修正案が通過するまでの期待感が高くなるあまり、法案が通った後、他の雇用指標などの悪化にはっと気付いて、売込んだというのまではわかるのですが、終了間際の200ドル近い急落は、市場の値動きを見守っていた他の方もおそらくは唖然としているのではないでしょうか…。
 一方のNY原油は、前日終値比0.09ドル安の1バレル93.88ドルで終了。株価と比べて下げ幅が小さかったのは、市場終了直前の急落を一時的なものと見たのか、それとも前日に4ドル半下げて、原油相場そのものがここ最近ではかなり安い水準まで売込まれてきたからなのか…。
 どちらにしても、週明けのNY株式市場同様、今後の値動きに要注目となりそうです。