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高島屋と阪急・阪神、統合合意を発表

2008-10-12 18:12:33 | Weblog
高島屋と阪急・阪神、統合合意を発表 2008年10月11日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081011-OYT1T00116.htm
 百貨店業界3位の高島屋と、阪急阪神百貨店を傘下に置く5位のエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは10日、2011年まで
に経営統合することで合意したと正式発表した。
 両社は09年2月末までに、互いに10%の株式を持ち合う。高島屋や阪急百貨店、阪神百貨店などのブランド名は維持する方針だ。業務面では、商品調達の共同化や人材交流、大規模開発での相互協力などを進める。
 高島屋の鈴木弘治社長とH2Oの椙岡俊一会長は10日、都内で共同記者会見し、両社合計で約1兆5000億円の売上高を将来的に2兆円以上に増やす考えを示した。鈴木社長は、他の百貨店が合流する可能性について、「断固拒否するということでもない」と述べ、再々編に含みを残した。
 統合後は、売上高で大丸と松坂屋を傘下に持つ2位のJ・フロントリテイリングを抜き、最大手の三越伊勢丹ホールディングスに匹敵する規模となる。

高島屋:百貨店「冬の時代」を相乗効果で…阪急阪神と統合 2008年10月11日
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081011k0000m020106000c.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081010/biz0810102257011-n1.htm
 高島屋と阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングの経営統合で、売上高が1兆5000億円を超える百貨店グループが誕生する。少子高齢化、人口減少に伴う市場の縮小が両社の背中を押した格好だ。首都圏、関西圏など大都市圏での強みを発揮することを目指すが、消費マインドが急速に冷え込む中、統合の果実を得るには課題も多い。
 「消費人口の減少が進んでいる。株の大暴落で経済危機も言われており、的確、迅速に対応しなければならない」(鈴木弘治高島屋社長)。「これからは大都市圏しか(店舗経営は)成り立たない」(椙岡俊一・H2O会長)。10日、経営統合を発表した記者会見で、両社トップは百貨店の経営環境に対する危機感が統合の背景にあったことを認めた。
 少子高齢化や郊外型ショッピングセンターなどとの競合激化で、全国百貨店の売り上げは昨年まで11年連続で前年実績を下回った。物価高や株安を受けた消費低迷が加わり、08年上半期の売上高でコンビニ業界に抜かれるなど、「消費の王様」と言われた昔日の面影はない。百貨店の大型再編が続く中「高島屋のブランドを磨き上げるのが一番」(鈴木社長)と単独路線を掲げていた高島屋も方向転換を迫られた格好だ。
 椙岡会長も「リスクを取らなければ顧客ニーズをとらえた売り場が作れない。規模の体力がある方がいい」と新たな統合に進んだ。
 高島屋の強みは東京、横浜、名古屋、京都、大阪の大都市圏に売上高1000億円超の大型店をバランス良く配置している点。一方、H2Oは大阪・梅田地区の存在感は大きいが「梅田だけの一本足打法」(関係者)との指摘もあった。売上高規模も約5000億円で、売上高1兆円を超えるJ・フロントリテイリングや三越伊勢丹ホールディングスに見劣りしていた。
 統合で、H2Oは全国展開の店舗網を獲得。大阪地区では「市場を制圧する」(関係者)圧倒的な存在感を誇る。一方、百貨店業態しか持たない高島屋はスーパーや宅配なども手がけるH2Oの店舗ノウハウを吸収できる。将来は、新たなショッピングセンターに高島屋とH2Oのスーパーが出店するなどのケースも出てきそうだ。
 課題も少なくない。両社は来年2月をめどに10%程度の株式を持ち合い、商品調達や物流の共同化などの業務提携を進めるが、実際の経営統合については「3年以内が目標」としている。統合の方式も現段階では結論が出ておらず、基幹システムの一本化に動く三越伊勢丹などに比べると出遅れ感は否めない。
 消費低迷の直撃を受け、三越伊勢丹なども、今のところ統合の成果は不振店舗の閉鎖程度にとどまっているのが実情。世界的な金融不安に伴う株安や景気の悪化で、今後、消費者心理が急速に冷え込むことも予想され、改革のスピードが遅れれば、提携効果を更に遅らせる懸念もある。

高島屋と阪神阪急統合 関西2強の統合でドミナント加速 2008年10月11日 産経
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081010/biz0810102300012-n1.htm
 統合によって高島屋とH2Oは、関西の百貨店業界で圧倒的な存在感を持つ流通グループとなる。店舗網は人口が集積する大阪、京都、神戸、堺の4つの政令指定都市すべてを網羅。計18店で、売上高は6518億円と市場全体の4割を超える規模を持つ。なかでも相乗効果が大きいのが大阪の商圏。阪急、阪神が本店を置くキタと、高島屋が旗艦店を持つミナミでの“南北両面作戦”など共同キャンペーンの展開によるさまざまな販売促進効果が期待できる。
 百貨店を専業とする高島屋、大丸、そごうなどと阪急、阪神、近鉄、京阪などの鉄道系との間で、絶妙のバランスですみ分けが行われ、均衡が保たれていた関西の百貨店業界の勢力図は、昨年の阪急、阪神の両百貨店の統合、そして今回の高島屋との統合で大きく変わることになる。
 大阪・キタでは阪急百貨店が平成24年の完成予定で本店の建て替え工事を進めている一方、阪神百貨店の建て替えが検討されるなどビッグプロジェクトが推進中だ。ミナミでは高島屋が大阪店のリニューアルに取り組み、21年秋に増床、22年秋には本館の改修がそれぞれ完了する予定。
 キタとミナミの商圏は互いに競合関係にあることもあり、統一的な販売促進キャンペーンが行われることはあまりなかったが、高島屋とH2Oが手を結ぶことで、両エリアを回遊する新しいショッピングスタイルが誕生する可能性も出てきた。
 H2Oの若林純社長は「自前の商品開発など新しいビジネスを実現できる体力もつく。共同でいろいろトライしてきたい」と期待を込める。高島屋の安藤温規副社長も「来年以降、タイガース関連のセール開催も検討していきたい」と意欲を示している。

高島屋と阪急阪神、アジア共同出店 まず台湾、統合に先駆け 2008年10月11日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081011AT2F1100311102008.html
 高島屋と「阪急阪神百貨店」を傘下に抱えるエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は経営統合に先駆け、アジアに共同出店する。2010年をメドに台湾に出店するほか、ベトナム、中国への出店の検討に入った。シンガポールで培った高島屋の海外進出ノウハウを生かし、成長が見込めるアジア市場を開拓する。
 まず台湾の食品・流通大手、統一企業グループと提携し台北市へ約2万5000平方メートルの百貨店を出す。海外で15年以上の出店経験を持つ高島屋の管理・運営ノウハウと、統一企業グループと協力関係にある旧阪急百貨店の人脈を組み合わせ、台湾にあった売り場・商品作りなどに取り組む。さらにベトナムや中国沿海部への出店計画作りを急ぐ。




 う~ん。長年ライバル宣言をしていた阪神と阪急の経営統合にも吃驚しましたが、さらに高島屋と経営統合も想定した資本提携を結んでくるとはまたまた吃驚しましたね…。
 金融界でも、大和銀行が主導して奈良銀行や近畿大阪銀行(近畿大阪銀行は京都共栄銀行の受け皿銀行となった幸福銀行が経営破綻した時も大半の営業店舗を引き受け、なにわ銀行と福徳銀行が合併してできたなみはや銀行が経営破綻した時も大和銀行と共同で店舗網を引き受けています)と大関西連合を作り上げました(旧あさひ銀行の店舗網の大半は埼玉りそな銀行にとして別会社として分離)が、りそなグループの場合は、どちらかと言えば、『TOO BIG TO FAIL(大きすぎて潰せない)』状態にして公的資金もつぎ込んだのに対して、高島屋も阪急阪神も関西ではそれぞれ有力百貨店で、関東を中心に展開している三越伊勢丹HDの対抗勢力にもなれそうです。(高島屋にとっては、物流面でもかなりの効率化が図れそうですね)
 ちなみに、阪神百貨店は大阪梅田の本店の他に、兵庫の御影にテナント入居しているほか、西宮と三宮に食品館を開設し、来年には尼崎にもテナント入居する予定(業務提携先としてくまもと阪神もあります。)
 阪急百貨店は、大阪梅田本店の他に、四条河原町(京都)、神戸・宝塚・川西・三田(兵庫)、千里・堺(大阪)、有楽町(東京)、都築(横浜)に展開。
 そして、高島屋は大阪なんばの本社の他に、本店の分店扱いの堺と和歌山、泉北(堺)、京都及び京都の分店の洛西、東京(日本橋)・新宿・立川・玉川(東京都)、横浜及び分店2店、大宮(埼玉)、柏及び分店1店(千葉)、高崎(群馬)、岐阜、岡山、米子(鳥取)の他、グループ企業としてJR名古屋高島屋といよてつ高島屋(愛媛県松山市)。
 梅田となんばは、それなりに棲み分けができていますし、高島屋と阪急もそれぞれ大阪周辺の南部と北部で棲み分けていますし、直接競合するのは関西では京都と堺くらいですが、高島屋堺店は南海高野線の堺東駅に隣接していることから、立地的にも余程のことがなければ撤収は少し考えにくいですし、イオンモールに入店している北花田阪急もイオンモールに出店した中では成功した部類と言われていて、入居しているビルも2004年10月オープンと新しいことから、早期の撤収は考えにくいところ。
 京都の両店は双方とも四条河原町の角に位置することから、片方を閉鎖する可能性は基本的に考えなくて良さそう(むしろ梅田にある阪急と阪神のように棲み分けを図るのでは…)ですし、大掛かりな店舗再編の必要性がないという意味でも理想的な組み合わせかと思います。

GM、クライスラーと合併交渉、フォードはマツダ株の売却を検討

2008-10-12 18:00:31 | Weblog
GM、クライスラーと合併交渉 米紙報道 2008年10月11日
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081011AT2M1102511102008.html
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081011-OYT1T00399.htm
朝日夕刊 http://www.asahi.com/business/update/1011/TKY200810110113.html
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/world/america/081011/amr0810111307011-n1.htm
 米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)が米クライスラーと合併交渉を進めていることが10日、明らかになった。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)などが報じた。GMによる事実上の買収交渉のもようだが、クライスラーの買い手候補には日産自動車―仏ルノーも浮上している。米金融危機をきっかけに米国などの自動車市場は急速に悪化。経営不振のビッグスリー(米自動車大手3社)を中心に業界再編が進む可能性が出てきた。
 同紙によると、クライスラー筆頭株主である米投資ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメントとGMは1カ月以上前から初期の交渉に入っているという。関係筋の話として「交渉成立の可能性は50%。交渉がまとまるには数週間かかりそうだ」と伝えた。
 サーベラスは日産―ルノーを含む他社とも交渉しており、事態は流動的なもよう。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は交渉の事実を伝えたものの、「金融市場の混乱で交渉は進んでいない」と報じた。

GM、破産法申請「選択肢でない」 市場の憶測否定 2008年10月11日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081011AT2M1100E11102008.html
 9日に株価が急落した米ゼネラル・モーターズ(GM)は10日、日本経済新聞の取材に対し「連邦破産法の適用申請はGMが考えている選択肢でない」(広報)とのコメントを出し、破産法申請の憶測を否定した。米金融危機をきっかけに業績悪化の懸念が強まったことから前日に株価が3割以上急落、経営不安が高まっていた。
 GMはコメントの中で「世界的に金融市場の先行きが不安になったり、多くの主要市場で経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)が悪化するなど、前例のない難題に直面している」と説明。そのうえで「破産法申請は従業員や株主などの利益にならない。憶測は誇張されており、建設的ではない」と強調した。
 10日のニューヨーク株式市場でGMの株価は小幅反発。前日比13セント高の4ドル89セントで引けた。

米自動車業界、金融危機で経営悪化…大再編の可能性 2008年10月12日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081012-OYT1T00113.htm
 米メディアは10日、ゼネラル・モーターズ(GM)がクライスラーと買収交渉を進めていると一斉に報じ、フォード・モーターが傘下のマツダの株式売却を検討していることも明らかになった。
 金融危機で米自動車大手の経営は一段と悪化しており、日本勢を巻き込んだ大再編に発展する可能性が出てきた。
 再編のカギを握るのは米投資会社サーベラスだ。クライスラー株の80・1%と、GMの旧金融子会社GMAC株の51%を保有する。ひと月以上前からGMに、GMが持つ49%のGMAC株と引き換えにクライスラーの経営権を譲る提案をしているという。
 フォードは33・4%を保有するマツダ株の大半を売却して、経営再建資金の確保を図るとみられる。
 金融危機で販売が落ち込んでいる米自動車大手は、資金繰りが悪化し、株価も急落。再編による大胆な再建を目指さざるを得なくなったとみられる。
 ただ、GMとクライスラーはともに大型車中心なだけに、再編効果には疑問もある。フォードも小型車に強みを持つマツダを手放せば開発力が弱まりかねない。
 日本の自動車メーカーは米自動車大手と競合する一方で、提携関係も結んでおり、米自動車業界が再編に動けば影響は大きい。
 トヨタ自動車は米国でGMと小型車の合弁生産を行っているほか、日産自動車もクライスラーと相互OEM(相手先ブランドによる生産)に合意している。
 GMはスズキや、いすゞ自動車とも提携している。
 米ニューヨーク・タイムズ紙は、GMによるクライスラー買収が成立する可能性を50%とした上で、交渉が決裂すれば、日産・ルノー連合にクライスラー売却を持ちかける可能性が高いとしている。
 フォードが保有するマツダ株の売却先は、マツダ自身が買い取るほかに、国内自動車・商社や、海外の自動車メーカーが関心を寄せる可能性もある。

フォード、マツダ株売却を検討 2008年10月11日 
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081011-OYT1T00438.htm
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081011k0000e020056000c.html
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081011AT1D1100711102008.html
 マツダの筆頭株主である米フォード・モーターが、保有するマツダ株式の大半を売却する方向で検討に入ったことが11日、明らかになった。
 フォードはマツダの発行済み株式の33・4%を保有している。関係者によると、マツダが自社株買いを打診されたほか、ほかの日本の自動車大手にも買い取りが打診された模様だ。金融危機に伴う米自動車市場の急速な縮小で、フォードは10日時点の株価が1ドル台に低迷しており、マツダ株の売却資金で経営再建を目指すとみられる。
 フォードは1979年11月、マツダに資本参加し、96年に出資比率を33・4%に高め、フォード出身の副社長を社長に送り込み、傘下に収めた。フォードは06年12月期決算で、純利益が127億ドルの赤字を計上。翌07年2月に、いったんスペインの子会社に移していたマツダ株の一部をフォード本体に戻していた。

米フォード、マツダ株約20%売却へ 2008年10月12日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081012AT1D1101Y11102008.html
 米フォード・モーターは傘下のマツダの株式売却に向け、日本の商社や金融機関など20―30社に売却を打診した。保有するマツダ株33.4%のうち20%程度を売却して経営再建に必要な資金を確保する考え。住友商事や伊藤忠商事などが一部株式の取得を検討している。米金融危機が米企業の経営に打撃を与え、世界規模の業界再編を引き起こしつつある。
 フォードは株式売却により1000億円規模の資金を得たい考え。マツダの株式時価総額は4085億円(10日終値ベース)で、現在の株価で株式20%分を売ると売却額は800億円程度になる。マツダの株価次第で売却分が20%より大きくなる可能性もある。商社や金融機関、部品メーカーなどに売却を打診しており、マツダ車の海外販売で協力している住商と伊藤忠が一部株式の取得を検討している。マツダも一部を自社株買いの形で買い取るとみられる。



 元々の経営不振に加えてサブプライム問題の影響で、国内消費が減りますます苦境に陥っている米ビッグ3(GM、フォード、クライスラー)ですが、水面下では再編交渉が急激に進んでいるようです。
 まず、GMですが、クライスラーの大株主であるサーベラスとクライスラーとの合併交渉を進めているようで、サーベラスはGMとの交渉が不調に終わるようならば、日産・ルノー連合に売却を持ち込む可能性が高いとされているようです。
 ちなみに、GMの株価は10日には1株4.89ドルまで下落していて、破産法申請の噂まで流れているのですが、GMは破産法申請を否定。まあ、自動車メーカーが突然死するようなことになれば、下請会社や販売店は勿論のこと、鉄鋼・化学・電機などあらゆる業種の取引先の業績に多大な影響を与えますし、そのメーカーが世界各地で生産・販売した自動車の保守に責任を負う主体もなくなってしまうため、簡単に潰すことなどできませんし、特に自動車の場合は、整備不良が原因で走る凶器にもにもなりかねないだけに、仮に特定の会社を消滅させる時も、時間をかけて徐々に取引量そのものを減らして自然消滅しても問題ないレベルにまで規模を縮小させるしかありません(ローバーなどがまさにその格好の事例でしょうか…)が、現実問題としてビッグ3同士、あるいは外資系に買い取ってもらって労組の強力な抵抗を覚悟の上で不採算工場を閉鎖していく以外に、3社全てが生き残っていくことは限りなく困難かと思います。
 一方、フォードは全体の33.4%の株式を握っているマツダ株の一部(2割程度)を売却して1000億円規模の資金を得て経営再建に必要な資金を確保したい模様。
 まあ、マツダがフォードの傘下に入ったときは、当時のメインバンクの住友銀行にも見捨てられる(住友銀行の子会社・グループ会社にも、かなりのマツダ社員が転籍出向させられたと聞いています)形で外資の門に下ったわけですし、その当時はマツダの経営もかなり危ぶまれていたものですが、今のフォード陣営にとってマツダはグループの稼ぎ頭。しかも本拠地アメリカとは遠く離れていることからも、リストラ原資としては格好の対象ですし、フォードにとっても切り離しやすく、買い手となる日本の自動車会社にとっても魅力のある資産だと思いますし、こちらは至極妥当な判断かと思います。

大和生命が破綻 金融淘汰、日本でも 株安痛手で生保5社含み損

2008-10-12 17:52:17 | Weblog
大和生命が破綻 金融淘汰、日本でも 株安痛手で生保5社含み損 2008年 10月11日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081011AT2C1001L10102008.html
 世界を襲う金融危機が日本の金融機関の経営にも波及してきた。更生特例法の適用を10日申請した大和(やまと)生命保険が破綻したのは過度にリスクの高い資産運用を続けるなどの特異な経営が直接の理由だが、株価の大幅な下落により、大手の生命保険でも保有する株式が取得時の価格を下回る「含み損」が軒並み発生した。大和生命の支援企業探しも難航する見通しだ。
 大手生保は保有株式の含み益がなくなる株価水準(3月末)を開示している。日経平均株価の10日終値(8276円)と比べると朝日、住友、三井、富国、第一の5社が含み損になった可能性がある。株式の含み損は自己資本から差し引かれるため、保険金の支払い余力が下がることになる。


 さすがにたった2週間(9月26日~10月10日)で、3617円・3割以上も日経平均が下落すれば、まずは銀行の持ち合い株式の保有益の目減りが心配されるのですが、つい先日も大和生命が経営破綻した生保業界で大手生保9社のうち5社までもが含み損になった可能性があることがわかりました。
*ゲンダイネットが提供している生保大手の含み損益ゼロ水準 http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/n_insurance2__20081012_2/story/12gendainet02038712/)によれば、明治安田生命は7400円、日本生命は7600円、大同生命は8000円、太陽生命は8270円、第一生命は8800円、富国生命は9300円、三井生命は9400円、住友生命は10400円、朝日生命は12750円を割り込むと含み益がなくなってしまうようです。

 そういえば、2000年前後にも、第百生命・大正生命・千代田生命・協栄生命・東京生命が相次いで経営破綻するなど、生保の財務内容が問題になり、大手生命保険会社の一角も他の大手保険会社から『あそこは危ない』などとあらぬ?噂を流されて急激に契約を取り崩されるという騒動がありましたが、あの頃と比べると日経平均の水準も2~2.5分の1の水準。
 勿論、当時とは構成銘柄もかなり入れ替わっていますし、保険会社が全て株式などのハイリスクハイリターン商品で運用しているわけではないので、一概には言えませんが、この株安状態が長期化すれば、生保の経営問題が再び再燃しかねないように思います。
 当時はマネー雑誌にも『生命保険会社が経営破綻した時の保険の取り扱いは…?』とか『危ない保険会社の見分け方の1つの基準として格付けやソルベンシ-・マージン比率が注目された』りしましたが、大和生命の経営破綻で、再び当時の疑心暗鬼状態に陥ってしまうのでしょうか…(溜息

大和生命が債権者説明会 経営再建は難航も

2008-10-12 17:46:06 | Weblog
大和生命が債権者説明会 経営再建は難航も 2008年10月12日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081011AT2C1101011102008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081011-OYT1T00587.htm
朝日 http://www.asahi.com/business/update/1011/TKY200810110156.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081012k0000m020081000c.html
 10日に更生特例法の適用を申請した大和生命保険(東京・千代田)は11日、東京都内で保険契約者など債権者向けの説明会を開いた。経営陣が破綻に至った経緯などを説明。今後の再建についても「極めて厳しい」(保全管理人の瀬戸英雄弁護士)との見通しを示した。一方、契約者からは保険金の支払いを不安視する声が相次いだ。
 大和生命の中園武雄社長は冒頭、「かかる事態に至り、債権者には誠に申し訳ない。心よりおわび申し上げる」と陳謝。金融市場の混乱により株式など保有する資産の価値が下落し、経営破綻に至ったと説明した。
 大和生命は今後、「裁判所の認可を得たうえで新たに選任された管財人のもと、再建計画作りなどに入る」(更生手続き開始申立代理人の阿部信一郎弁護士)。ただ、計画作りに不可欠な支援企業のメドは立っておらず、先行きは不透明だ。

大和生命説明会、契約者「人ごとのよう」 2008年10月12日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20081012AT1G1101C11102008.html
 経営破綻した大和生命保険の債権者説明会が11日午後、東京都内で開かれた。約300人を収容するホールは満員で、立ち姿も出るほど。詰めかけた保険契約者からは「説明が足りない」「もう生命保険に入りたくない」など怒りと不安の入り交じった声が相次いだ。
 説明会の冒頭、中園武雄社長は「このような事態になり、心よりおわび申し上げます」と陳謝。その後、弁護士らが今後の日程や保険契約の取り扱いなどを説明した。
 質疑応答では20人近くが手を挙げ「貯蓄保険を一括払いしているが、いくら受け取れるのか」「支払いは責任準備金の約9割との説明だが、責任準備金とは何か」などの質問が相次いだ。1時間半で説明会が打ち切られた後も、詳しい説明を求めて経営陣らに詰め寄る姿が見られた。



 10日に経営破綻した大和(やまと)生命の債権者説明会が11日に東京で開催されていますが、引き受け先となるスポンサー探しは予想以上に難航しているようですね。
 まあ、今はAIGがアリコ・AIGエジソン・AIGスターという財務内容が良好な保険会社を売却しようと試みている真っ最中ですし、そんな中、わざわざ財務内容の悪い保険会社を先に買いたいという物好きもいないと思いますが、契約している方から見れば、保障内容や将来受け取ることができる保険金がどれだけ削られるのかわからない(別に経営陣を擁護するつもりは毛頭ありませんが、引き受け先の保険会社が決まって、『(例えば)3%以上の予定利率の保険契約は、予定利率を一律3%に見直す』といった引き受け基準が決まらないことには、個別の契約の保障がどれだけ削られるのかは本当にわかりませんし、今の段階でうかつなことを言えば、最悪説明者個人に対する損害賠償責任問題にもなりかねないんですよね…)わけで、万が一の時の保障のルールや『責任準備金』など専門用語も知らない、しかも頭に血が上った状態の契約者の方が『何を言っているのかわからない』と不満を爆発させてしまうのも無理もないことだと思います。(おそらく、しばらくは解約禁止期間が設けられるでしょうし、早期の解約はペナルティとして早期解約控除率が適用される可能性が高いため、感情論での解約はお勧めできません)

 もし引き受け先が見つからなければ、最終的には生命保険契約者保護機構主導で厳粛に処理を進めることになるとは思いますが、数年前に中堅の保険会社が相次いで経営破綻した頃に、『もしあなたの契約している保険会社が経営破綻したら契約はどうなる?』といった特集記事が組まれたマネー雑誌のバックナンバーを大切に保存している契約者の方も少ないでしょうし、契約者にとっても情報収集は困難を極めるだけに、(契約者の混乱と不安を最小限に抑えるためにも)とにかく早く引き受け先が決まるといいんですけどね…。
 AIG3社の場合は、別に日本部門の財務内容が悪いわけではないので、売却されても契約内容が一方的に変更されることは、多分ないと思いますが、大和生命の場合は、契約者から預かっていた保険料2800億円のうち約3割をヘッジファンドや資産担保証券(CDO)・不動産ファンド(REIT)・仕組み債などオルタナティブ投資で運用するなど、会社の体質的にも突っ込みどころが満載のようですし、とりわけ貯蓄性商品のカット率は大きくなりそうな嫌な予感がしてなりません。

<参考>生命保険契約者保護機構 生命保険会社が破綻した場合の手続 はこちら
http://www.seihohogo.jp/qa/qa4.html
生命保険契約者保護機構のHP はこちら(保護機構の仕組みを知りたいかたはこちらをどうぞ)
http://www.seihohogo.jp/

止まらないモルガン・スタンレーの株価下落、三菱UFJは損失計上の危機に

2008-10-12 17:30:54 | Weblog
止まらないMスタンレーの株価下落、三菱UFJは損失計上の危機に 2008年 10月 10日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34246620081010
 Mスタンレーと三菱UFJは打ち消しに必死だが、株価下落により、三菱UFJは払い込んだ瞬間に減損による損失計上を余儀なくされる可能性も出てきた。 
 Mスタンレーの株価は9日、終値で前日比25.89%安の12.45ドルまで下落した。三菱UFJが90億ドルの出資計画を取りやめるとの懸念が背景だ。
 9月29日に発表した増資計画によると、三菱UFJが取得する株式の内訳は普通株が30億ドル、優先株が60億ドル。普通株の引き受け価格は1株25.25ドルとなっており、9日の株価はこの価格の半値を割り込んだ。このままの水準で株価が推移してしまえば、三菱は払い込んだ瞬間に減損処理に直面し、15億ドル(約1500億円)の損失計上を余儀なくされる。「このまま増資を強行すれば、三菱UFJの経営陣は株主代表訴訟のターゲットになってしまうのではないか」(欧州系外銀幹部)との見方も出ている。 
 一方、増資の3分の2を占める優先株は「オプションバリューを付与するなどしたため、減損ポイントは相当に低い」(三菱UFJの平野信行取締役)としており、半値でも減損は生じないとみられる。
 両社は14日の払い込みを発表しているが、実際のところ土壇場で三菱UFJが増資を撤回する可能性はあるか――。
 金融関係者の間では「さすがにこの期に及んで撤回はできない」との見方が一般的だ。Mスタンレーの財務状況は「薄氷を踏んでいる状態」との分析もあり、「三菱UFJの増資がなければ、極めて厳しい状況に追い込まれる」(大手銀行幹部)からだ。金融システム不安が継続している状態での出資見送りは、Mスタンレーだけでなく、世界の金融システムへの影響も避けられない。別の大手銀関係者は「出資条件を変更する可能性はあるのではないか」と話す。 
 三菱UFJとMスタンレーの広報担当者は「14日に払い込みをする計画に何も変更はない」と発言している。 

三菱UFJ、モルガン株の含み損リスクを懸念 株価急落で 2008年10月11日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081011AT2C1100B11102008.html
 米モルガン・スタンレーの株価下落が止まらない。10日のニューヨーク株式市場での終値は9.68ドルと前日比22%急落し、10ドルを下回った。大型出資を決めている三菱UFJフィナンシャル・グループはその動向が気が気でない。
 モルガン株のこのところの下落がほかの米欧金融機関の下げと比較しても突出しているのは、三菱UFJがたびたび「連休明けの14日には約束通り90億ドル(9000億円)の出資を実施する」とアナウンスしても「結局、見送るのでは」と市場が疑心暗鬼になっているからだ。

三菱UFJ、モルガン出資へ大詰めの調整 2008年10月12日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081012AT2C1101911102008.html
 三菱UFJフィナンシャル・グループは11日、14日に払い込みを予定している米モルガン・スタンレーへの90億ドル(約9000億円)の大型出資に向けて大詰めの調整に入った。金融危機の深刻化のあおりでモルガンの株価が急落するなか、経営陣はぎりぎりの判断を迫られそうだ。
 三菱UFJによるモルガンへの出資は9月22日に発表したが、その後の世界的な連鎖株安などで環境は激変。特にモルガン株は集中的に売り込まれ、10日終値で10ドルの節目を割り込んだ。合意している1株当たり25.25ドルという三菱UFJによるモルガンの普通株の取得価額を大幅に下回っている状況だ。

モルガンへの出資正式合意 三菱UFJが株21%取得 2008年9月30日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/0929/TKY200809290321.html
 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は29日、米証券大手モルガン・スタンレーの株式のうち約21%を取得することでモルガン側と正式合意したと発表した。MUFGはモルガンの筆頭株主になり、将来的に持ち分法適用会社化も視野に入れる。
 株式は第三者割当増資で取得し、出資額は約9500億円。約3200億円分を普通株、約6300億円分を普通株への転換権付き永久優先株で取得する。邦銀による海外の金融機関への出資額としては最大となる。取締役1人を派遣することも決まった。モルガンの世界的な営業網などを活用し、証券売買や合併・買収の助言業務を強化する。
 MUFGは当初、すべて普通株での取得を検討していたが、最終的に3分の1に減らした。理由について「今後の株価下落に伴う減損リスクを避けるため」と説明した。
 モルガン側からの出資要請にMUFGが応じた。24日からモルガンの資産内容を調べていた。当初は約1カ月をかける方針だったが、海外市場で出資の具体性への懸念からモルガンの株価が不安定化したこともあり、早めの正式合意に至ったとみられる。
 MUFGは米国では傘下の米商業銀行ユニオンバンカル・コーポレーションを完全子会社化した。同社が米金融当局から受けていたマネーロンダリングに関する処分も解除されており、米地銀の再編もにらんで世界最大の米国市場での展開を強める。
 モルガン・スタンレーは米2位の証券会社。同業大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)後に株価が急落。21日に米連邦準備制度理事会(FRB)から、業務形態を銀行持ち株会社に移行する承認を受けた。

三菱UFJ:モルガン日本と経営統合検討 2008年10月4日
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081003k0000e020029000c.html
朝日 http://www.asahi.com/business/update/1003/TKY200810030153.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081003AT2C0300A03102008.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/081003/fnc0810031114009-n1.htm
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081003-OYT1T00403.htm?from
 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が、傘下の三菱UFJ証券と米証券大手モルガン・スタンレーの日本法人を経営統合する方向で検討していることが3日分かった。統合すれば、日本企業が絡んだM&A(企業の合併・買収)助言業務で最大手の野村ホールディングス(HD)を抜き国内トップクラスの証券会社となる。
 三菱UFJFGは、米金融危機で株価が急落したモルガンに90億ドル(約9500億円)を出資し、21%出資の筆頭株主になる。これに併せて投資銀行や資産運用などの業務面での提携も検討しており、来年6月末までに具体化を目指す。証券会社の統合が提携の柱の一つで、弱点である証券業務の抜本的強化を図る。
 三菱UFJ証券を、法人部門(企業の株式引き受けやM&A関連業務など)と個人部門(一般投資家に株式を販売)に分割し、法人部門をモルガン日本法人であるモルガン・スタンレー証券と統合する計画を軸に検討している。個人部門は三菱UFJ証券として残す方針。
 海外企業が絡むM&Aや大企業の新株引き受けで実績があるモルガン・スタンレー証券との統合により投資銀行業務の強化を目指す。
 総合情報会社トムソン・ロイターによると、日本企業が絡んだM&Aの助言業務の08年1~9月の取引金額は、三菱UFJ証券が大半を占める三菱UFJFGは142億1100万ドル(約1兆5000億円)で3位、モルガン・スタンレー証券は91億2300万ドルで6位。両社を足すと、トップの野村HD(162億5200万ドル)を上回る。債券の引き受け業務でも国内最大級となる見通し。
 ただ、一般企業の売上高にあたる営業収益は、首位の野村HD、2位の大和証券グループ本社には及ばない。

三菱UFJ信託、英運用会社に400億円出資 2008年10月3日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081002AT2C0200U02102008.html
 三菱UFJ信託銀行は2日、英資産運用会社、アバディーン・アセットマネジメントに400億円出資すると発表した。まず同日、市場を通じて9.9%の同社株を取得。来春をめどに19.9%まで出資比率を高めて三菱UFJ信託の持ち分法適用会社にする。アジアなど新興国での運用に強みを持つアバディーンと組むことで、資産運用部門の強化につなげる。
 三菱UFJ信託が海外の運用会社に出資するのは初めて。海外の関係官庁の承認を前提に出資比率を引き上げて、同社に非常勤取締役を1人派遣する予定だ。現時点のアバディーンの株主構成からみると出資完了後も三菱UFJ信託は筆頭株主にはならないという。
 出資に伴って業務面でも提携する。まずアバディーンが運用する新興国の債券や株式ファンドなどの商品を三菱UFJ信託が独占的に国内で販売できるようにする。年金基金など三菱UFJ信託の法人顧客への商品提供を想定している。将来的には国内の個人客向けの投資信託の開発や、三菱UFJ信託が運用する日本株ファンドなどを海外で共同販売することも視野に入れる。




 う~ん。三菱UFJがモルガン・スタンレーに9500億円の出資(うち普通株は3200億円、6300億円は普通株への転換権付永久優先株で取得)をして、21%の株式を取得するという話を聞いたときは美味しい買い物だと思ったのですが、どうやらモルガン・スタンレーの株価の急落が原因で、払い込んだ瞬間に減損処理を迫られる可能性が高いという問題に直面しているようですね。
 ちなみに、三菱側の普通株の引受価格は1株25.25ドルだったのですが、9日の時点で12.45ドルまで下落して、この時点で損失計上額は15億ドルに達していたのですが、10日の株価は一時前日の半値近い6ドル71セントまで急落し、終値ベースでも前日比2ドル77セント安い9ドル68セントで終了(1日の下落率22.25%)。
 モルガン・スタンレーの株価もつい1ヶ月前までは40ドル前後の株価をつけていただけに、三菱UFJとしてはとんだ計算違いになってしまいましたが、かといって、出資を撤回すれば、ますます株価の下落に歯止めがかからなくなり、一気に経営破綻にもなりかねないだけに、三菱UFJとしては金融危機を招くような『やっぱりなかったことにして』というつれない態度も取れないでしょうし、今後買い取り価格や出資比率の変更などがあるのか、非常に難しい対応を迫られることになるのではないかと思います。

 一方、三菱UFJはモルガン・スタンレーの日本法人と経営統合することを検討していることも発表。まあ、こちらは日本法人の売却でモルガンの資金繰りを助ける一方、自身の勢力も拡大することで、助言業務に強い野村や大和などに対抗できるグループを作り上げる目的でしょうし、こちらについては話が流れることはまずないと思いますが、他にも子会社の三菱UFJ信託が英運用会社に400億円を出資することを発表するなど、一気に積極的に出る姿勢を見せているようですが、この攻勢が成功に出るか、それとも失敗に転ぶか、非常に注目されるところではないかと思います。

G7が「行動計画」、公的資金で資本増強など5項目

2008-10-12 17:20:44 | Weblog
G7が「行動計画」、公的資金で資本増強など5項目 2008年10月11日 
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081011-OYT1T00316.htm
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081011k0000e020034000c.html
 世界的な金融危機への対応策を協議する先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は10日夕(日本時間11日朝)、7か国が公的資金による金融機関の資本注入など金融安定化に向けた5項目の行動計画を採択して閉幕した。
 「現下の状況は緊急かつ例外的な行動を必要としている」と指摘し、国際金融市場の混乱収拾のための協調体制を強調した。
 世界同時株安に歯止めがかからず、米欧金融機関の信用不安が拡大する中で開かれた今回のG7は、金融危機の打開策を集中的に討議した。その結果も通常の共同声明の形をとらず、各国が優先的に取り組む政策課題を行動計画として5項目に絞り込む異例の展開となった。
 行動計画は、金融危機でG7各国の金融機関が資本不足に陥り、家計や企業への貸し出しが滞っている事態を重視し、「貸し出しを継続するために十分な量を公的資金、民間資金の双方で資本増強する」と強調。各国が金融機関に対して公的資金による資本注入に取り組む方針を明記した。
 中川財務・金融相はG7に先だってポールソン米財務長官と会談、日本が1990年代に苦しんだ金融機関の不良債権処理問題を、公的資金による資本注入によって乗り切った経験を伝え、同様の対応を促した。ポールソン長官は「議決権のない金融機関の株式を購入して公的資金を注入することになるだろう」と具体策の策定を急ぐ考えを示した。中川財務・金融相もG7後の記者会見で「それぞれの国で前進があると確信している」と述べた。
 また、行動計画は「金融システム上、重要な金融機関の破綻(はたん)を避けるために断固たる行動を取る」と指摘し、大手金融機関は破綻させない決意を明確に示した。市場には、米金融当局が米証券大手リーマン・ブラザーズの救済をしなかったことが今回の金融危機を増幅させたとの批判が根強いことに対応したとみられる。
 信用不安の拡大で金融機関の資金調達が困難になっている点に関して、行動計画は「資金調達を広範に確保するため、すべての必要な手段を講じる」と指摘。中央銀行によるドル資金の協調供給策の拡大などを検討することを示唆した。
 預金保護については、「各国それぞれの預金保険・保証プログラムが頑健で一貫していることを確保する」と強調した。ただ、各国の事情に配慮して預金の全額保護など一律の目標を提示することは見送った。
 また、中川財務・金融相が、新興国・中小国を支援する緊急融資制度を国際通貨基金(IMF)に創設するよう提案したことを受けて、行動計画に「IMFが果たす決定的に重要な役割を強く支持する」ことが盛り込まれた。

◆G7行動計画の骨子◆
▽金融システム上、重要な金融機関の破綻回避のためあらゆる手段を活用
▽短期金融市場の機能回復と金融機関の資金調達・流動性の確保へ、すべての必要な手段を実施
▽必要に応じ公的資金、民間資金双方で金融機関の資本を増強
▽各国の預金保険・保証制度を強化
▽証券化商品の流通市場の再開へ向け、資産の正確な評価、透明性の高い開示、質の高い会計基準を実施


G7会議閉幕 具体策、各国に温度差 2008年10月11日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081011AT3S1100G11102008.html
 7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が10日打ち出した異例の行動計画は、世界に飛び火した米国発の金融不安を巡る参加国の危機感と収束に向けた強い意志を表している。もっとも具体策の実施は各国に委ねた形で銀行間融資の政府保証などでは温度差も残る。市場安定につながるかは、各国当局の対策の成否にかかる。
 「重要な金融機関の破綻を避けるため、あらゆる可能な手段をとる」。G7会議では「金融システムにリスクをもたらすような金融機関は破綻させない」(ユーログループのユンケル議長=ルクセンブルク首相兼財務相)との方針を再確認。米リーマン・ブラザーズの破綻が世界の金融市場の動揺のきっかけとなっただけに「大きくてつぶせない」との原則を行動計画の冒頭に掲げた。

米財務長官、公的資金は「幅広く注入できる仕組みに」 2008年10月11日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081011-OYT1T00467.htm
 ポールソン米財務長官は10日、G7後の記者会見で、金融安定化法に基づく金融機関に対する公的資金での資本注入について「幅広い金融機関に適用できる標準的な仕組み作りを進めている」と述べた。
 多くの金融機関に対して公的資金による資本増強を想定していることを明らかにした。また、政府が公的資金で購入する株式は、「議決権のない株式」と説明、金融機関が発行する優先株などを買い取って資本注入する方法を検討していることを明らかにした。

主要中央銀行、追加利下げも視野 G7会議 2008年10月12日 日経
 G7会議が10日採択した行動計画は、財政・金融政策などマクロ経済政策での協調も確認した。金融危機の影響が企業・家計の資金繰りや株価下落を通じて実体経済に波及。世界経済が「同時不況の瀬戸際にある」(IMFのストロスカーン専務理事)ためだ。
 行動計画の文書は「必要かつ適切な場合には、マクロ経済政策上の手段を活用する」と明記。日銀の白川方明総裁は「必要で適切なときに(政策変更を)行う」と述べ、日銀としても緊急時には利下げを検討する余地があるとの考えを示唆した。
 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁も「物価上昇リスクは減退した」と発言。追加利下げが視野に入ってきた。米欧中銀は8日に協調利下げに踏み切ったばかりだが、米連邦準備理事会(FRB)は声明で「必要に応じて行動する」と強調している。

金融危機:ドイツ、一転公的資金投入へ 包括的対策 2008年10月12日 
毎日 http://mainichi.jp/life/money/news/20081012ddm008020099000c.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081011AT2M1004V10102008.html
 ドイツ政府は11日、公的資金の活用を柱とした包括的な金融危機対策を実施する方針を固めた。公的資金投入についてドイツは当初、否定的な立場をとっていたが、金融危機の深刻化を受け、方針を転換。12日にパリで開かれるユーロ圏15カ国の緊急首脳会議で、「欧州が結束して金融安定化に臨む」姿勢を打ち出す。
 ドイツ政府は、英国の救済策をモデルに、銀行が資金調達する際、総額1000億ユーロ(約13兆4000億円)規模の政府保証を付け、大手行への公的資金による資本注入も実施する方向だ。ドイツは今月4日の欧州主要4カ国首脳会議で、フランスの銀行救済案に強く反対。しかし、独フランクフルト市場の主要指数はその後約2割急落した。

週明け株式相場、不安定な展開に 2008年10月11日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081011AT2D1100A11102008.html
 7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を受けた週明けの株式相場は不安定な動きが続きそうだ。ポールソン米財務長官が金融機関への資本注入準備を表明したことを評価する声がある一方、「政策の具体策に欠ける」との見方も多い。金融危機の深刻化と景気後退に対する懸念がくすぶり、市場の不安心理が収まるかどうか不透明だ。
 日経平均株価が1週間で24%、ダウ工業株30種平均も同18%急落しただけにG7でどれだけ具体的な政策が打ち出せるか、市場の注目度は高かった。株式市場ではG7が発表した「行動計画」について「予想の範囲内」との受け止め方が多い。金融機関への強制的な公的資本注入など、一段と踏み込んだ政策を求める声が出ている。





 週末10日のNYダウが、開始直後の1時間で800ドルも上下変動したと思ったら、終盤にかけての2時間でも800ドル高騰して、その直後に450ドル急落して終えたため、一体市場に何が起こったのか戸惑っていた(土日祝日はテレビ東京系の『モーニングサテライト』=日経CNBCでも1時間遅れで放送 がないため、情報収集がしにくいのです)のですが、やはりG7の声明に対する期待と実効性に対する不安を巡る思惑で1日中乱高下したようですね。
 今回のG7では、通常の共同声明の形はとらず、各国が優先的に取り組む政策課題を行動計画として5項目に絞り込む異例の展開となったのですが、重要な金融機関は潰さないなど、これ以上の金融危機の拡大を防ぐための強い姿勢こそ伝わっているものの、具体策は各国に委ねる形で、銀行間融資の政府保証一つとっても温度差が残るなど、短時間に合意できる内容を得る必要があったとはいえ、まだまだ不安の残る妥協的内容。週明けの世界の株式市場はこれで少しは落ち着いてくれるのでしょうか…。(協調利下げの効果もなかっただけに、どうしても懐疑的になってしまいます)

 ヨーロッパでは、ユーロの現在3.75%の政策金利を引き下げたり、資金供給を増やすことを検討し、ドイツ政府もこれまでの『金融機関は個別ケースに応じて柔軟に救済』の姿勢を変更し、信用不安を解消するための包括的な金融危機対策を導入する見通しとなるようですが、今は投資ファンドなど外国勢が急速に外貨建てとなる株式や債券を損失覚悟で売りに出しているような状況ですし、日本市場の売買高の過半数を大きく超えていると言われる外国人勢が一斉に売りに入れば、個人の打診買いなどあっという間に吹き飛ばされてしまいそう…。
 明日は日本市場が休みだけに、まずは海外の値動きを注意深く見守ることになりそうな気がします。