フォルティス:オランダが国有化 グループ分割、自国分を 2008年10月4日 共同通信
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081004k0000e020040000c.html
米国発の金融危機で経営難に陥ったベルギー最大の金融グループ、フォルティスをめぐり、オランダ政府は3日、168億ユーロ(約2兆4500億円)を投じ、オランダ部門の事業を一時国有化すると発表した。グループは分割され、ベルギー部門などは独自に再建を図る。今回の危機でユーロ圏の大手金融会社が国有化されたのは初めて。
ルクセンブルクを加えた3カ国政府は9月29日、計112億ユーロを出資しグループ株の49%を買収する救済策を発表。その後、預金引き出しを求める客が相次いだため、オランダ政府が128億ユーロを上乗せし、オランダ部門を100%買収、国有化すると決めた。
仏BNPパリバ、フォルティスのベルギー現地法人など買収 2008年10月6日
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081006-OYT1T00269.htm
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081006AT2M0600G06102008.html
朝日夕刊 http://www.asahi.com/business/update/1006/TKY200810060171.html
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081007ddm008020110000c.html
フランス金融大手のBNPパリバは5日夜(日本時間6日朝)、経営危機に陥っているベルギー・オランダ系金融大手フォルティスのベルギーとルクセンブルクの各現地法人を、買収することで合意した。
両国政府は9月末に自国の現地法人に各49%出資して一部国有化したにもかかわらず、その後も資金繰り難が続いており、手元資金が豊富で、財務内容が健全な大手金融グループに再建を委ねる。
BNPパリバは、フォルティスのベルギー現法に75%、ルクセンブルク現法に67%を出資し、残りは両国政府がそれぞれ保有する。
ベルギー、ルクセンブルク両政府は、フォルティス株をパリバに売却する代わりに、パリバの株式をそれぞれ持つ。さらに、フォルティスの財務悪化の要因になっていた証券化商品は新設する別会社に移管し、処理を進めることにした。
オランダ政府は先に、フォルティスのオランダ現法を完全国有化すると発表しており、約2200億ユーロ(約32兆円、6月末)の預金を抱えるフォルティスの銀行部門は事実上解体されることになる。
救済が決まっていたフランス・ベルギー系の金融大手デクシアも身売り交渉を進めており、仏金融大手ソシエテ・ジェネラルなどが候補になっていると地元メディアが報じた。デクシアも9月末、フランスなど3か国政府から公的資金注入を受け入れるなどして、総額64億ユーロ(約9000億円)の資本増強を行うと発表したばかりだった。
中国平安保険、フォルティス株で損失2400億円計上 2008年10月6日
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081006AT2M0601806102008.html
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/world/news/20081007k0000m020089000c.html
中国大手生保、中国平安保険は5日夜、保有するオランダ・ベルギー系金融大手のフォルティス株を2008年7―9月期(第3四半期)決算で損失処理すると発表した。損失額は157億元(約2400億円)。第3四半期の収益状況は明らかにしていないが、08年1―6月期の純利益(97億元)を上回る。
平安保険は昨年、フォルティス株の発行済み株式の5%弱を取得。フォルティス株への投資額は238億元にのぼっていた。平安保険は出資を通じてフォルティスとの関係を強化。フォルティス傘下の運用会社の株式の50%を取得し、共同で資産運用ビジネスに乗り出す計画だった。
平安保険が損失計上を発表した後、仏BNPパリバによるフォルティス買収が公表された。「具体的な情報がなく、損失額にどう影響するかは判断できない」(平安保険)としている。
フォルティスについては、ベルギー・オランダ・ルクセンブルグ(ベネルクス3国)が各国にあるフォルティスの銀行子会社の株式の49%を買収すると聞いていましたが、オランダでは更に一歩踏み込んで100%国有化することを選択。
その一方、ベルギーの現地法人には75%の株式をBNPパリバが出資し、残りの25%は政府が保有。ルクセンブルグの現地法人は67%の株式をBNPバリバが出資し、残りの33%は政府が保有するという、一部株式を政府が保有を続けることを条件に、BNPバリバが実質的に救済する形をとることに急遽決まったようですね。
ちなみに、BNPバリバは昨年末時点で世界の金融機関時価総額ランキング12位で11.02兆円(バンクオブカリフォルニアを買収する前の三菱UFJとほぼ同規模)の金融機関ですが、アメリカでは現地子会社のBank of the westが三和銀行からUnited California Bankを買収し米国40大銀行入り。(フォルティスの資産のうち米国の信用力の低いサブプライムローン関連の資産は特別目的会社に移し、本体から切り離して管理するそうです。 )
そして地元欧州でも、本国フランスやイタリア(イタリア6大銀行の1つであるBNLに出資)に続いてベルギーとルクセンブルグに主要拠点をもつことで、一気にユーロ圏における最大の預金銀行になるようです。
また、フォルティス絡みでは、昨年そのフォルティスの株式の5%弱を保有した中国の平安保険が2400億円の損失を計上することを発表。
これは、当時1株10.05ドルで購入したフォルティス株が現在では4-6ユーロまで急落し、株価取得時の時価も238億元だったものの、そのうち株式評価損として157億元(23億ドル)を計上することになったようで、中国の金融機関が蒙った損失としては最大級の損失となる模様です。
まあフォルティスについては、政府あるいはBNPパリバが保有することが決まったため、おそらくこの5%分も基本的には売却することになるでしょうし、それに伴い損失計上額も変わってくることが予想されますが、その一方でサブプライムにかかる追加損失発生の可能性も基本的になくなるわけですし、平安保険にとっては業績への影響も一時的に終わり、株価的には中長期的には好材料となりそうな気がしますね…。
ちなみに、平安保険は、日本ではようやく名前を聞くようになったかな…くらいの印象かと思いますが、実は中国国内では、生保(中国2位)・損保(同3位)は勿論のこと、医療保険や投資信託などを傘下に置き、銀行や証券部門も運営する金融持株会社で、04年6月にH株として香港に上場し、07年3月には上海A株にも上場。
時価総額だけで見れば、中国建設銀行や中国工商銀行、中国銀行の方が上ですが、今後は大きく成長する可能性のある金融機関の1つではないかと思われます。
BNPパリバ ニュースリリース(BNPパリバが、ベルギーおよびルクセンブルクにおけるFortisの事業により、ヨーロッパ全土において拠点を拡大することについて)はこちら
http://japan.bnpparibas.com/pdf/2008/2008.10.06.j.pdf
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081004k0000e020040000c.html
米国発の金融危機で経営難に陥ったベルギー最大の金融グループ、フォルティスをめぐり、オランダ政府は3日、168億ユーロ(約2兆4500億円)を投じ、オランダ部門の事業を一時国有化すると発表した。グループは分割され、ベルギー部門などは独自に再建を図る。今回の危機でユーロ圏の大手金融会社が国有化されたのは初めて。
ルクセンブルクを加えた3カ国政府は9月29日、計112億ユーロを出資しグループ株の49%を買収する救済策を発表。その後、預金引き出しを求める客が相次いだため、オランダ政府が128億ユーロを上乗せし、オランダ部門を100%買収、国有化すると決めた。
仏BNPパリバ、フォルティスのベルギー現地法人など買収 2008年10月6日
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081006-OYT1T00269.htm
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081006AT2M0600G06102008.html
朝日夕刊 http://www.asahi.com/business/update/1006/TKY200810060171.html
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081007ddm008020110000c.html
フランス金融大手のBNPパリバは5日夜(日本時間6日朝)、経営危機に陥っているベルギー・オランダ系金融大手フォルティスのベルギーとルクセンブルクの各現地法人を、買収することで合意した。
両国政府は9月末に自国の現地法人に各49%出資して一部国有化したにもかかわらず、その後も資金繰り難が続いており、手元資金が豊富で、財務内容が健全な大手金融グループに再建を委ねる。
BNPパリバは、フォルティスのベルギー現法に75%、ルクセンブルク現法に67%を出資し、残りは両国政府がそれぞれ保有する。
ベルギー、ルクセンブルク両政府は、フォルティス株をパリバに売却する代わりに、パリバの株式をそれぞれ持つ。さらに、フォルティスの財務悪化の要因になっていた証券化商品は新設する別会社に移管し、処理を進めることにした。
オランダ政府は先に、フォルティスのオランダ現法を完全国有化すると発表しており、約2200億ユーロ(約32兆円、6月末)の預金を抱えるフォルティスの銀行部門は事実上解体されることになる。
救済が決まっていたフランス・ベルギー系の金融大手デクシアも身売り交渉を進めており、仏金融大手ソシエテ・ジェネラルなどが候補になっていると地元メディアが報じた。デクシアも9月末、フランスなど3か国政府から公的資金注入を受け入れるなどして、総額64億ユーロ(約9000億円)の資本増強を行うと発表したばかりだった。
中国平安保険、フォルティス株で損失2400億円計上 2008年10月6日
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081006AT2M0601806102008.html
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/world/news/20081007k0000m020089000c.html
中国大手生保、中国平安保険は5日夜、保有するオランダ・ベルギー系金融大手のフォルティス株を2008年7―9月期(第3四半期)決算で損失処理すると発表した。損失額は157億元(約2400億円)。第3四半期の収益状況は明らかにしていないが、08年1―6月期の純利益(97億元)を上回る。
平安保険は昨年、フォルティス株の発行済み株式の5%弱を取得。フォルティス株への投資額は238億元にのぼっていた。平安保険は出資を通じてフォルティスとの関係を強化。フォルティス傘下の運用会社の株式の50%を取得し、共同で資産運用ビジネスに乗り出す計画だった。
平安保険が損失計上を発表した後、仏BNPパリバによるフォルティス買収が公表された。「具体的な情報がなく、損失額にどう影響するかは判断できない」(平安保険)としている。
フォルティスについては、ベルギー・オランダ・ルクセンブルグ(ベネルクス3国)が各国にあるフォルティスの銀行子会社の株式の49%を買収すると聞いていましたが、オランダでは更に一歩踏み込んで100%国有化することを選択。
その一方、ベルギーの現地法人には75%の株式をBNPパリバが出資し、残りの25%は政府が保有。ルクセンブルグの現地法人は67%の株式をBNPバリバが出資し、残りの33%は政府が保有するという、一部株式を政府が保有を続けることを条件に、BNPバリバが実質的に救済する形をとることに急遽決まったようですね。
ちなみに、BNPバリバは昨年末時点で世界の金融機関時価総額ランキング12位で11.02兆円(バンクオブカリフォルニアを買収する前の三菱UFJとほぼ同規模)の金融機関ですが、アメリカでは現地子会社のBank of the westが三和銀行からUnited California Bankを買収し米国40大銀行入り。(フォルティスの資産のうち米国の信用力の低いサブプライムローン関連の資産は特別目的会社に移し、本体から切り離して管理するそうです。 )
そして地元欧州でも、本国フランスやイタリア(イタリア6大銀行の1つであるBNLに出資)に続いてベルギーとルクセンブルグに主要拠点をもつことで、一気にユーロ圏における最大の預金銀行になるようです。
また、フォルティス絡みでは、昨年そのフォルティスの株式の5%弱を保有した中国の平安保険が2400億円の損失を計上することを発表。
これは、当時1株10.05ドルで購入したフォルティス株が現在では4-6ユーロまで急落し、株価取得時の時価も238億元だったものの、そのうち株式評価損として157億元(23億ドル)を計上することになったようで、中国の金融機関が蒙った損失としては最大級の損失となる模様です。
まあフォルティスについては、政府あるいはBNPパリバが保有することが決まったため、おそらくこの5%分も基本的には売却することになるでしょうし、それに伴い損失計上額も変わってくることが予想されますが、その一方でサブプライムにかかる追加損失発生の可能性も基本的になくなるわけですし、平安保険にとっては業績への影響も一時的に終わり、株価的には中長期的には好材料となりそうな気がしますね…。
ちなみに、平安保険は、日本ではようやく名前を聞くようになったかな…くらいの印象かと思いますが、実は中国国内では、生保(中国2位)・損保(同3位)は勿論のこと、医療保険や投資信託などを傘下に置き、銀行や証券部門も運営する金融持株会社で、04年6月にH株として香港に上場し、07年3月には上海A株にも上場。
時価総額だけで見れば、中国建設銀行や中国工商銀行、中国銀行の方が上ですが、今後は大きく成長する可能性のある金融機関の1つではないかと思われます。
BNPパリバ ニュースリリース(BNPパリバが、ベルギーおよびルクセンブルクにおけるFortisの事業により、ヨーロッパ全土において拠点を拡大することについて)はこちら
http://japan.bnpparibas.com/pdf/2008/2008.10.06.j.pdf