教室暑すぎる…氷配布、体育館に放水にも限界 2010年9月6日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100906-OYT1T00057.htm
新学期が始まった学校で、子どもたちが猛暑にあえいでいる。
東京の区部などを除き、公立小中学校の教室の冷房化率は低く、夏休みで家庭の冷房に慣れた子どもたちの健康や学習への影響が懸念される。各学校では、氷を配ったり体育館に放水したりしてしのいでいるが、5日は屋外での運動中に熱中症とみられる症状で搬送される児童生徒が相次いだ。専門家は「夏の教室の環境は劣悪。継続的な対策が必要だ」と指摘している。
5日には36・6度を記録、最高気温が35度以上の猛暑日が全国最多の計37日となった群馬県館林市。公立小中学校の普通教室に原則冷房は入っていない。
2日、同市立第六小3年1組の教室は33度に上昇、担任の小山長子(ちょうこ)教諭(53)は、運動会の練習を終え校庭から戻った児童たちに、市が学校に配った製氷器で作った氷を渡した。早速ほおばった柿沼莉里花(りりか)さん(8)は「授業中も汗がいっぱい出てしまう」。この日はまだ涼しい方だ。
体育館の温度は36度あり、熱中症の危険を知らせる「携帯型熱中症計」の赤いランプが点灯した。児童たちはまず持参した水筒の水などを飲んでから運動会の踊りを練習、約10分おきに休息し水分をとった。児童の健康や学習に影響すると、同市は教室への冷房導入を検討しているが、約5億円かかりそうだという。
文部科学省が作った基準では、夏季の教室温度は30度以下が望ましく、学習に集中できるのは28~25度だ。
だが、同省の2007年度調査では、全国約40万の公立小中の普通教室のうち、冷房装置があるのは10・2%。普通教室の冷房化には国が費用の3分の1を補助する制度があるが、校舎の耐震化なども進めねばならず、一部を除き普及していない。この夏の酷暑で多くは「基準外」の教室になったとみられる。
想定外の暑さに見舞われた東北地方。岩手県奥州市の市立胆沢第一小では、校舎の改修などのため、8月18日の2学期開始から体育館でも授業をしていたが、同月23日に館内の温度が38度に上昇。翌日と翌々日は地元消防団が屋根に放水してしのいだ。
仙台市教委では8月下旬、児童生徒の水筒持参など対策を講じるよう学校側に通知したが、担当者は「扇風機もない学校がほとんどで冷房機など考えたこともなかった」と困惑する。
暑さが際立つ都市部は地域差が大きい。東京都23区内は、公立小中の普通教室の95%が冷房完備(09年調査)。さいたま市、川崎市、京都市も教室の冷房化をほぼ終えた。一方、東京の市町村地区の冷房化率は17・6%。横浜市は「校舎の改築などがあり手が回らない」(市教委)と、市立学校の教室には原則冷房がないという。
5日、猛暑日が過去最多記録に並ぶ計28日となった大阪市も、市立小中の冷房化率は15・6%。各校は校費で扇風機を買うなどして対応している。同市立今福小の場合、校舎や体育館の壁面をゴーヤやヘチマなどの「緑のカーテン」で覆った。運動場にはテントを張り、霧状の水が噴射されるようにして児童の「避難先」にした。
体育館や屋外の活動では熱中症の危険性も高い。5日は、運動会が行われていた宮城県栗原市の市立小学校で、5年生男児(10)が熱中症とみられる症状で搬送された。新潟県津南町の中学校では体育祭で200メートル走を走り終えた3年男子が、体育祭が行われていた福井市や長崎県の高校でも、生徒が病院に運ばれた。
猛暑:学校現場は対策に四苦八苦 2010年09月06日 毎日夕刊
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100907k0000m040063000c.html
新学期が始まった学校現場で、猛暑のため授業時間を縮めたり、運動会を延期する動きが起きている。うだるような教室やグラウンドで、子供の体調維持を優先した措置だ。エアコン付きの校長室を開放して熱中症予防を図る学校もあり、体調管理に四苦八苦だ。
学校の冷房設備が少ない東京都杉並区では38度に達する教室もあるといい、授業を6時限から4時限に縮める中学が現れた。6日まで2日間短縮した杉森中の風見章校長は「夏休み明けに午後まで授業をしたが、あまりに暑い。子供の体調が第一」と説明した。やはり2日間短縮した井荻中の中嶋隆雄校長は「インフルエンザや台風では経験があるが、暑さでは初めて」と苦渋をにじませた。
横浜市立中山中は、夏休み明けの8月27日から当面、授業を1コマ50分から45分に短縮している。前期の期末テストが近く授業短縮は避けたいが「風通しの工夫で対応できるレベルではない」(諏訪部真史校長)。
文部科学省によると、全国の公立小中学校で冷房が設置されている普通教室は07年度で10.2%。調査は3年に1度で、近く10年度の調査をする予定だが、担当者は「さすがに増えていると思う」と語る。
8月下旬、女児6人が運動会の練習中に熱中症で病院に運ばれた横浜市立さつきが丘小は、9月25日の運動会を10月23日に延期した。冷房のある校長室や特別教室を開放し休息を呼び掛けているが、体調不良を訴える児童が連日のように出ているという。運動会延期の動きは兵庫県西宮市や宝塚市でもある。
9月末の運動会本番を控え、東京都荒川区立汐入東小は大型冷風機(高さ約1.5メートル、幅約1.1メートル)2台を借り入れ、体育館に設置。タンクに入れた水の気化熱を利用し、涼風を送り出す仕組みだ。
5年生の大塚永遠君(11)は「空気を全部流してくれる感じで気持ちいい」と話した。また屋内プールは予定を約1カ月延ばし、10月初めまで利用するという。
群馬県館林市は8月、約1000万円かけて小中学校や幼稚園など全31施設に冷水機や製氷器を配備した。毎年高温を記録する地域だが「例年とは暑さのレベルが違う」と市教委担当者。小中学校の普通教室にエアコンはないが、来年度以降の設置を検討する。
猛暑の埼玉、地区運動会が中止…暑くて 2010年9月7日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100906-OYT1T00348.htm
埼玉県幸手市香日向(かひなた)地区で5日に開催予定だった地区運動会が、参加者が猛暑で熱中症になることを懸念し、中止された。
運動会は毎年9月上旬に行われ、今年で15回目を迎える予定だったが、中止は初めて。住民からは「今年の暑さは異常。安全のためには仕方がない」との声が上がっている。
同地区代表区長の池田輝夫さん(74)によると、運動会は地区住民1000人近くが参加予定だったが、高齢者が多くを占めることなども考慮し、4日に中止を決めたという。熊谷地方気象台によると、同市に隣接する久喜市では5日、最高気温35・8度を記録。県内ではこのほか、鳩山町で37度、熊谷市で36・9度など、軒並み猛暑となった。
池田さんは「いつもなら秋風も感じられる時期。楽しみにしている住民も多いので開催したかった」と残念がっていた。
熱中症で中学生26人搬送 体育祭の練習中 千葉・八街 2010年9月7日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY201009060352.html
千葉県八街市の市立八街北中学校で6日、体育祭の練習中に、1~3年生の男女計26人が頭痛や吐き気などの熱中症の症状を訴え、同市などの病院に運ばれた。ドクターヘリで搬送された2人を含む9人が中等症程度で、17人が軽症、7人が入院したという。
市教育委員会学校教育課などによると、6日は全校生徒約460人が、午前9時からグラウンドや体育館で団体種目などを練習。10時50分ごろからは、全校生徒が屋外で隊形練習などを始めた。その約30分後に、3年の女子生徒が「気分が悪い」などと熱中症の症状を訴え、救急車で運ばれた。
その後も体調不良を訴える生徒が相次ぎ、午後3時25分ごろまでに男子2人、女子24人の計26人が、8カ所の病院に運ばれ、熱中症と診断された。
佐倉市八街市酒々井町消防組合によると、この日の午前11時ごろの八街市の気温は、32.2度。同校は練習中、20分おきに休憩を入れ、水分補給をするように指導、屋外に救護用のテントを張って養護教諭が対応するなどの熱中症対策をしていたという。
前日6日も関西を中心に最高気温が35度を超える地域が相次いだようですが、新学期が始まった学校でも熱中症対策に苦心し、地域によっては地区運動会が中止や延期になったり、体育祭の練習中に熱中症で搬送される生徒が続出する学校もあるなど、一向に収まらない残暑による影響が学校や生徒達を直撃しているようです。
まあ、夏休み中の子供達の場合は、外に遊びに行く時は親の方が熱中症にかからないように注意し、家の中にいる時はエアコンの効いた部屋にいたことから、汗をかく機会が少なく体温調節機能が上手く働いていないのかな…とも思うのですが、さすがに9月に入っても35度を超える日々が続くことなど想定外もいいところですし、かといって全教室にエアコンをつける予算のある学校などそうあるはずもなく、まして運動中など『こまめな水分補給』を徹底する程度の気休め策くらいしかないわけで…。
一昔前なら『小中学生がエアコンなど贅沢だ!!!』の一言で片づけられていたと思いますが、生徒を受け入れる側の学校としても悩ましいところでしょうね…。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100906-OYT1T00057.htm
新学期が始まった学校で、子どもたちが猛暑にあえいでいる。
東京の区部などを除き、公立小中学校の教室の冷房化率は低く、夏休みで家庭の冷房に慣れた子どもたちの健康や学習への影響が懸念される。各学校では、氷を配ったり体育館に放水したりしてしのいでいるが、5日は屋外での運動中に熱中症とみられる症状で搬送される児童生徒が相次いだ。専門家は「夏の教室の環境は劣悪。継続的な対策が必要だ」と指摘している。
5日には36・6度を記録、最高気温が35度以上の猛暑日が全国最多の計37日となった群馬県館林市。公立小中学校の普通教室に原則冷房は入っていない。
2日、同市立第六小3年1組の教室は33度に上昇、担任の小山長子(ちょうこ)教諭(53)は、運動会の練習を終え校庭から戻った児童たちに、市が学校に配った製氷器で作った氷を渡した。早速ほおばった柿沼莉里花(りりか)さん(8)は「授業中も汗がいっぱい出てしまう」。この日はまだ涼しい方だ。
体育館の温度は36度あり、熱中症の危険を知らせる「携帯型熱中症計」の赤いランプが点灯した。児童たちはまず持参した水筒の水などを飲んでから運動会の踊りを練習、約10分おきに休息し水分をとった。児童の健康や学習に影響すると、同市は教室への冷房導入を検討しているが、約5億円かかりそうだという。
文部科学省が作った基準では、夏季の教室温度は30度以下が望ましく、学習に集中できるのは28~25度だ。
だが、同省の2007年度調査では、全国約40万の公立小中の普通教室のうち、冷房装置があるのは10・2%。普通教室の冷房化には国が費用の3分の1を補助する制度があるが、校舎の耐震化なども進めねばならず、一部を除き普及していない。この夏の酷暑で多くは「基準外」の教室になったとみられる。
想定外の暑さに見舞われた東北地方。岩手県奥州市の市立胆沢第一小では、校舎の改修などのため、8月18日の2学期開始から体育館でも授業をしていたが、同月23日に館内の温度が38度に上昇。翌日と翌々日は地元消防団が屋根に放水してしのいだ。
仙台市教委では8月下旬、児童生徒の水筒持参など対策を講じるよう学校側に通知したが、担当者は「扇風機もない学校がほとんどで冷房機など考えたこともなかった」と困惑する。
暑さが際立つ都市部は地域差が大きい。東京都23区内は、公立小中の普通教室の95%が冷房完備(09年調査)。さいたま市、川崎市、京都市も教室の冷房化をほぼ終えた。一方、東京の市町村地区の冷房化率は17・6%。横浜市は「校舎の改築などがあり手が回らない」(市教委)と、市立学校の教室には原則冷房がないという。
5日、猛暑日が過去最多記録に並ぶ計28日となった大阪市も、市立小中の冷房化率は15・6%。各校は校費で扇風機を買うなどして対応している。同市立今福小の場合、校舎や体育館の壁面をゴーヤやヘチマなどの「緑のカーテン」で覆った。運動場にはテントを張り、霧状の水が噴射されるようにして児童の「避難先」にした。
体育館や屋外の活動では熱中症の危険性も高い。5日は、運動会が行われていた宮城県栗原市の市立小学校で、5年生男児(10)が熱中症とみられる症状で搬送された。新潟県津南町の中学校では体育祭で200メートル走を走り終えた3年男子が、体育祭が行われていた福井市や長崎県の高校でも、生徒が病院に運ばれた。
猛暑:学校現場は対策に四苦八苦 2010年09月06日 毎日夕刊
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100907k0000m040063000c.html
新学期が始まった学校現場で、猛暑のため授業時間を縮めたり、運動会を延期する動きが起きている。うだるような教室やグラウンドで、子供の体調維持を優先した措置だ。エアコン付きの校長室を開放して熱中症予防を図る学校もあり、体調管理に四苦八苦だ。
学校の冷房設備が少ない東京都杉並区では38度に達する教室もあるといい、授業を6時限から4時限に縮める中学が現れた。6日まで2日間短縮した杉森中の風見章校長は「夏休み明けに午後まで授業をしたが、あまりに暑い。子供の体調が第一」と説明した。やはり2日間短縮した井荻中の中嶋隆雄校長は「インフルエンザや台風では経験があるが、暑さでは初めて」と苦渋をにじませた。
横浜市立中山中は、夏休み明けの8月27日から当面、授業を1コマ50分から45分に短縮している。前期の期末テストが近く授業短縮は避けたいが「風通しの工夫で対応できるレベルではない」(諏訪部真史校長)。
文部科学省によると、全国の公立小中学校で冷房が設置されている普通教室は07年度で10.2%。調査は3年に1度で、近く10年度の調査をする予定だが、担当者は「さすがに増えていると思う」と語る。
8月下旬、女児6人が運動会の練習中に熱中症で病院に運ばれた横浜市立さつきが丘小は、9月25日の運動会を10月23日に延期した。冷房のある校長室や特別教室を開放し休息を呼び掛けているが、体調不良を訴える児童が連日のように出ているという。運動会延期の動きは兵庫県西宮市や宝塚市でもある。
9月末の運動会本番を控え、東京都荒川区立汐入東小は大型冷風機(高さ約1.5メートル、幅約1.1メートル)2台を借り入れ、体育館に設置。タンクに入れた水の気化熱を利用し、涼風を送り出す仕組みだ。
5年生の大塚永遠君(11)は「空気を全部流してくれる感じで気持ちいい」と話した。また屋内プールは予定を約1カ月延ばし、10月初めまで利用するという。
群馬県館林市は8月、約1000万円かけて小中学校や幼稚園など全31施設に冷水機や製氷器を配備した。毎年高温を記録する地域だが「例年とは暑さのレベルが違う」と市教委担当者。小中学校の普通教室にエアコンはないが、来年度以降の設置を検討する。
猛暑の埼玉、地区運動会が中止…暑くて 2010年9月7日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100906-OYT1T00348.htm
埼玉県幸手市香日向(かひなた)地区で5日に開催予定だった地区運動会が、参加者が猛暑で熱中症になることを懸念し、中止された。
運動会は毎年9月上旬に行われ、今年で15回目を迎える予定だったが、中止は初めて。住民からは「今年の暑さは異常。安全のためには仕方がない」との声が上がっている。
同地区代表区長の池田輝夫さん(74)によると、運動会は地区住民1000人近くが参加予定だったが、高齢者が多くを占めることなども考慮し、4日に中止を決めたという。熊谷地方気象台によると、同市に隣接する久喜市では5日、最高気温35・8度を記録。県内ではこのほか、鳩山町で37度、熊谷市で36・9度など、軒並み猛暑となった。
池田さんは「いつもなら秋風も感じられる時期。楽しみにしている住民も多いので開催したかった」と残念がっていた。
熱中症で中学生26人搬送 体育祭の練習中 千葉・八街 2010年9月7日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY201009060352.html
千葉県八街市の市立八街北中学校で6日、体育祭の練習中に、1~3年生の男女計26人が頭痛や吐き気などの熱中症の症状を訴え、同市などの病院に運ばれた。ドクターヘリで搬送された2人を含む9人が中等症程度で、17人が軽症、7人が入院したという。
市教育委員会学校教育課などによると、6日は全校生徒約460人が、午前9時からグラウンドや体育館で団体種目などを練習。10時50分ごろからは、全校生徒が屋外で隊形練習などを始めた。その約30分後に、3年の女子生徒が「気分が悪い」などと熱中症の症状を訴え、救急車で運ばれた。
その後も体調不良を訴える生徒が相次ぎ、午後3時25分ごろまでに男子2人、女子24人の計26人が、8カ所の病院に運ばれ、熱中症と診断された。
佐倉市八街市酒々井町消防組合によると、この日の午前11時ごろの八街市の気温は、32.2度。同校は練習中、20分おきに休憩を入れ、水分補給をするように指導、屋外に救護用のテントを張って養護教諭が対応するなどの熱中症対策をしていたという。
前日6日も関西を中心に最高気温が35度を超える地域が相次いだようですが、新学期が始まった学校でも熱中症対策に苦心し、地域によっては地区運動会が中止や延期になったり、体育祭の練習中に熱中症で搬送される生徒が続出する学校もあるなど、一向に収まらない残暑による影響が学校や生徒達を直撃しているようです。
まあ、夏休み中の子供達の場合は、外に遊びに行く時は親の方が熱中症にかからないように注意し、家の中にいる時はエアコンの効いた部屋にいたことから、汗をかく機会が少なく体温調節機能が上手く働いていないのかな…とも思うのですが、さすがに9月に入っても35度を超える日々が続くことなど想定外もいいところですし、かといって全教室にエアコンをつける予算のある学校などそうあるはずもなく、まして運動中など『こまめな水分補給』を徹底する程度の気休め策くらいしかないわけで…。
一昔前なら『小中学生がエアコンなど贅沢だ!!!』の一言で片づけられていたと思いますが、生徒を受け入れる側の学校としても悩ましいところでしょうね…。