児相で竹輪食べた保護男児死亡、市に賠償命令 2012年10月31日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121031-OYT1T00061.htm
横浜市の児童相談所で2006年7月、卵アレルギーの男児(当時3歳)が卵白を含んだ竹輪を食べた後に死亡したのは、誤った一時保護が原因だとして、両親が同市や、児童相談所に通告した独立行政法人国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)を相手取り、約9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、横浜地裁であった。
森義之裁判長は「誤って竹輪を与えた過失が認められる」として同市に計約5000万円の支払いを命じた。同センターへの請求は棄却した。
判決によると、男児の食物アレルギーなどの治療をしていた同センターは06年6月、「両親が男児に必要な栄養を与えず、適切な治療を受けさせていない」と児童相談所に通告。男児は翌月3日から一時保護されたが、同27日朝、職員が誤って竹輪を食べさせ、同日午後に死亡した。
男児の死因について、被告側は「司法解剖の結果は左心不全で、竹輪を与えたことと死亡に因果関係はない」と主張したが、判決は、呼吸困難などを引き起こすアレルギー症状「アナフィラキシーショック」が死因だったと判断。「男児には卵白に対して強いアレルギーがあり、竹輪を食べさせてはならない注意義務を怠った」と同市の過失を認めた。
両親は、同センターによる通告や児童相談所の一時保護決定の違法性も主張したが、判決は「両親は必要な栄養を与えず、必要な治療も受けさせていなかった。通告は必要、合理的なもので一時保護決定も違法とは言えない」として認めなかった。
判決を受け、男児の父親(51)は「市の責任は認められたが、一時保護の不当性などが認められなかったのは残念だ」と話した。また、同市は「判決内容を精査して対応を検討したい」とのコメントを出した。
先週の社会ニュースで一番吃驚したのが、田中真紀子文部科学大臣の3大学新設ストップ問題なら、二番目に吃驚したのがこのニュース(賠償が認められたことそのものは妥当としても、認定された賠償額に吃驚です)でしょうか…。
まあ、現実に卵アレルギーの子供に卵白を含んだ竹輪を食べさせたという過失があったのですから、もしこれが保育園のような施設でなされたというのならば、数千万円単位の損害賠償請求が認められても別に不自然でも何でもないのかもしれませんが、死亡事故が起こったのは児童相談所。
そもそも両親がきちんと子供を養育していれば児童相談所が男児を預かることもなかったわけですし、この判決を機に、巨額の損害賠償請求が生じるのを恐れて近所からの通報があっても、児童相談所が児童虐待に対して早期に動くことができなくなる弊害の方が大きいのではないかという懸念をどうしても感じずにはいられません。
地裁判決なので市の側が控訴する可能性も十分ありうると思いますが、命の値段と児童相談所の性格を巡って物議を醸す判決になりそうですね。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121031-OYT1T00061.htm
横浜市の児童相談所で2006年7月、卵アレルギーの男児(当時3歳)が卵白を含んだ竹輪を食べた後に死亡したのは、誤った一時保護が原因だとして、両親が同市や、児童相談所に通告した独立行政法人国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)を相手取り、約9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、横浜地裁であった。
森義之裁判長は「誤って竹輪を与えた過失が認められる」として同市に計約5000万円の支払いを命じた。同センターへの請求は棄却した。
判決によると、男児の食物アレルギーなどの治療をしていた同センターは06年6月、「両親が男児に必要な栄養を与えず、適切な治療を受けさせていない」と児童相談所に通告。男児は翌月3日から一時保護されたが、同27日朝、職員が誤って竹輪を食べさせ、同日午後に死亡した。
男児の死因について、被告側は「司法解剖の結果は左心不全で、竹輪を与えたことと死亡に因果関係はない」と主張したが、判決は、呼吸困難などを引き起こすアレルギー症状「アナフィラキシーショック」が死因だったと判断。「男児には卵白に対して強いアレルギーがあり、竹輪を食べさせてはならない注意義務を怠った」と同市の過失を認めた。
両親は、同センターによる通告や児童相談所の一時保護決定の違法性も主張したが、判決は「両親は必要な栄養を与えず、必要な治療も受けさせていなかった。通告は必要、合理的なもので一時保護決定も違法とは言えない」として認めなかった。
判決を受け、男児の父親(51)は「市の責任は認められたが、一時保護の不当性などが認められなかったのは残念だ」と話した。また、同市は「判決内容を精査して対応を検討したい」とのコメントを出した。
先週の社会ニュースで一番吃驚したのが、田中真紀子文部科学大臣の3大学新設ストップ問題なら、二番目に吃驚したのがこのニュース(賠償が認められたことそのものは妥当としても、認定された賠償額に吃驚です)でしょうか…。
まあ、現実に卵アレルギーの子供に卵白を含んだ竹輪を食べさせたという過失があったのですから、もしこれが保育園のような施設でなされたというのならば、数千万円単位の損害賠償請求が認められても別に不自然でも何でもないのかもしれませんが、死亡事故が起こったのは児童相談所。
そもそも両親がきちんと子供を養育していれば児童相談所が男児を預かることもなかったわけですし、この判決を機に、巨額の損害賠償請求が生じるのを恐れて近所からの通報があっても、児童相談所が児童虐待に対して早期に動くことができなくなる弊害の方が大きいのではないかという懸念をどうしても感じずにはいられません。
地裁判決なので市の側が控訴する可能性も十分ありうると思いますが、命の値段と児童相談所の性格を巡って物議を醸す判決になりそうですね。