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キプロス議会、預金課税法案を否決 強まる不透明感

2013-03-21 04:02:46 | Weblog
キプロス議会、預金課税法案を否決 強まる不透明感 2013年3月21日 日経
 ユーロ圏による地中海の島国キプロスへの支援をめぐる不透明感が一段と強まっている。キプロス議会は19日夜(日本時間20日未明)、ユーロ圏からの支援の条件となった国内銀行の預金課税を盛り込んだ法案を否決した。キプロスの経済規模は小さいが、金融市場を通じて影響が拡大しており、キプロスやユーロ圏が打開策を見つけられるかが焦点となっている。
 キプロスでは経営が悪化した銀行を救済する資金などが必要となり、ユーロ圏に金融支援を求めたが、その条件として預金への課税措置を求められている。アナスタシアディス大統領は当初案を修正して少額預金を全額保護する方針を示したが、キプロス議会(定数56)の採決では36人の議員が反対。大統領が率いる民主運動党(DISY)は投票を棄権し、賛成票を投じる議員はいなかった。
 ドイツのショイブレ財務相は同国のテレビに対しキプロス議会の否決について「遺憾だ」と表明。そのうえで「支援にはキプロスが金融市場への復帰に向けて信頼できる対応を取る必要がある」と述べ、支援条件の緩和に消極的な姿勢を示した。
 議会の周辺には数百人が預金課税の反対などを求めて集まった。大統領は20日に改めて各政党に協力を求める意向とみられるが、現状のままでは法案可決に向けた調整の進展は期待しにくい。
 キプロス政府は関係の深いロシアからの支援に期待を強めているようだ。現地報道によると、キプロスのサリス財務相はロシアを訪問し、支援を改めて要請。アナスタシアディス大統領もプーチン大統領と電話で協議したという。


キプロス財務相、ロシア訪問し金融支援要請 2013年3月21日 日経
 ロシアを訪問したキプロスのサリス財務相は20日、シルアノフ財務相、シュワロフ第1副首相と相次ぎ会談し、金融支援を要請した。会談の結果や具体的な内容は明らかになっていないが、ロシアがすでに融資している25億ユーロ(約3000億円)の返済期限の延長や追加融資を話し合ったとみられる。
 キプロスでは銀行預金の約3分の1をロシアの法人や個人が占め、経済的な結びつきが強い。2011年末にはロシア政府から25億ユーロの支援融資を受けた。サリス財務相は21日のロシア側との会談で、16年に迎えるこの融資の返済期限の延長を求めたもようだ。
 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、サリス財務相はさらに、ロシアから追加融資を受け取る見返りにロシア側にキプロスの国営ガス会社や銀行の株式を譲渡する新たな提案をした可能性がある。
 ロシア国営ガス会社ガスプロムの系列銀行も19日、キプロスの大陸棚のガス鉱区の開発権を得る見返りに金融支援をする可能性を示した。

キプロスとロシア財務相が会談するが合意に至らず、プランBも模索 2013年03月21日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK835392520130320
 キプロスのサリス財務相は20日、ロシアのシルアノフ財務相と金融支援をめぐり会談した。合意はしていないが、協議は継続するという。
 サリス財務相はシルアノフ財務相との会談後に記者団に対し、「極めて率直な協議だった。状況の難しさを確認した」と述べた。解決策を見つけるための協議を引き続き進めていくとしており、「決まったことは何もない」という。
 キプロスは2016年償還の25億ユーロの融資について、ロシアに期間の5年間延長を求めているほか、金利4.5%の引き下げを求めている。サリス財務相によると、その要求以上のことについても協議したという。
 アナスタシアディス大統領は、政党の代表者や中央銀行総裁と協議した。政府報道官は58億ユーロの拠出、もしくは削減に絡むプランBを協議するため、専門家が中銀に向かったと明らかにしたが、それ以上の詳細に言及はなかった。
 大統領は閣議を開く予定で、国際通貨基金(IMF)、欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)の「トロイカ」の関係者とも協議する。
 現在は、銀行が21日と22日に予定通り営業することを認めるか、来週まで休業とするかの決定が、差し迫ったものとなっている。

キプロス、キプロス・ポピュラー銀行をロシア投資家に売却報道否定 2013年03月21日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE92J00W20130320
 キプロス政府は20日、キプロス・ポピュラー銀行CPBC.CYをロシアの投資家に売却することで合意したとのギリシャメディアの報道を否定した。
 政府報道官は「キプロス・ポピュラー銀行が海外投資家に売却されたとの報道を否定する」との声明を発表した。

キプロスの銀行、21・22日も休業 2013年03月21日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJT835453520130320
 キプロス政府当局者は20日、国内の銀行が21日と22日も引き続き休業すると明らかにした。匿名を条件に語った。
 週明け25日が祝日であるため、実質的に営業再開は26日以降になる。



 キプロス関連ですが、ここにきてロシアに金融支援要請。かってのIMF支援や今回のユーロ支援よりは有利な条件での支援を引き出せる可能性もあり、投資家もひとまずは様子見といったところでしょうか。
 キプロスに資金を逃避させている富裕ロシア層にとっても預金に高額の課税をされてはたまったものではないでしょうし、ロシアの動きをひとまずは拝見といったムードになってきたかと思います。