7社に1社、残業100時間 医師面接、うち9割未実施 2006年09月30日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/life/update/0930/011.html
残業時間が月100時間を超える従業員がいる会社が7社に1社あり、うち9割の会社では医師による健康チェックが実施されていないことが、厚生労働省の調査で分かった。調査は、長時間労働者に対する医師の面接指導を会社側に義務づけた今年4月以前のものだが、同省は「企業側と働く側双方の意識の低さの表れでは」とみている。
調査は昨年10月、従業員が10人以上いる1万2000事業所を対象に実施。約7割から回答を得た。
過去1年間に、法定の週40時間を超える時間外労働が、月100時間を超える従業員がいた事業所は13.4%だった。月100時間を超える残業は、過労による心筋梗塞(こうそく)など健康障害を引き起こす危険ラインとされ、労災認定の目安の一つとなっている。
残業が100時間を超える従業員がいた事業所の中で、医師の面接指導を実施していたのは8.6%にとどまった。実施率は規模が小さい事業所ほど低く、従業員100~299人では38.4%、50~99人では20.6%、30人未満では2.7%だった。
過労が引き金となり心筋梗塞や脳出血などを発症、05年度に労災認定を受けた人は前年より12%増え、過去最多の330人に上っている。
厚労省は02年の通達で、長時間労働者には産業医の診療を受けさせるよう事業主を指導。今春施行された改正労働安全衛生法では、従業員50人以上の事業主に対し、従業員からの自己申告があった場合、医師の面接指導を義務づけた。
労働安全衛生法は、もともとは労働基準法第5章の「安全及び衛生」から昭和53年に分離独立して出来た法律ですが、法律の最初の方の条文からいきなり「総括安全衛生管理者」や「安全管理者」「作業主任者」といった用語の定義が並んでいるので、ホワイトカラー職場にはほとんど関係のない法律と誤解されることが多いのですが、実は労働者の健康管理(例えば、健康診断の義務はこの法律に規定されています)もこの法律のカバー範囲で、重要な法改正の割にはあまり注目されていないことが気がかりです。
報告書によれば、まだ面接指導の実施が義務化される改正法施行前とはいえ、月100時間を超える残業をしている労働者に医師の面接指導をしている事業所が、全事業所の1割にも満たないという結果が出ましたが、万が一にも過労死を会社から出せば、メリット制(http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/hoken/roudou-merit1.htm)を導入していた場合に 翌年の労災保険料が上がる目先のデメリットだけでなく、人が1人亡くなれば、企業規模に関わりなく億円単位の損害賠償請求がなされますが、まだほとんどの経営者はそれだけの危機感はお持ちになられていないようです。
法改正後は、当然ながら企業側がどれだけ対策を取っていたかも、賠償額にも影響してくるでしょうし、『安衛法? なんじゃそりゃあ? オレが法律だ』といったタイプの経営者は自業自得としても、法律をよく知らなかった事が理由で会社を畳むようなことがないことを願いたいものですが…。
厚生労働省調査 平成17年労働安全衛生基本調査結果の概況はこちら
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/saigai/anzen/05/index.html
http://www.asahi.com/life/update/0930/011.html
残業時間が月100時間を超える従業員がいる会社が7社に1社あり、うち9割の会社では医師による健康チェックが実施されていないことが、厚生労働省の調査で分かった。調査は、長時間労働者に対する医師の面接指導を会社側に義務づけた今年4月以前のものだが、同省は「企業側と働く側双方の意識の低さの表れでは」とみている。
調査は昨年10月、従業員が10人以上いる1万2000事業所を対象に実施。約7割から回答を得た。
過去1年間に、法定の週40時間を超える時間外労働が、月100時間を超える従業員がいた事業所は13.4%だった。月100時間を超える残業は、過労による心筋梗塞(こうそく)など健康障害を引き起こす危険ラインとされ、労災認定の目安の一つとなっている。
残業が100時間を超える従業員がいた事業所の中で、医師の面接指導を実施していたのは8.6%にとどまった。実施率は規模が小さい事業所ほど低く、従業員100~299人では38.4%、50~99人では20.6%、30人未満では2.7%だった。
過労が引き金となり心筋梗塞や脳出血などを発症、05年度に労災認定を受けた人は前年より12%増え、過去最多の330人に上っている。
厚労省は02年の通達で、長時間労働者には産業医の診療を受けさせるよう事業主を指導。今春施行された改正労働安全衛生法では、従業員50人以上の事業主に対し、従業員からの自己申告があった場合、医師の面接指導を義務づけた。
労働安全衛生法は、もともとは労働基準法第5章の「安全及び衛生」から昭和53年に分離独立して出来た法律ですが、法律の最初の方の条文からいきなり「総括安全衛生管理者」や「安全管理者」「作業主任者」といった用語の定義が並んでいるので、ホワイトカラー職場にはほとんど関係のない法律と誤解されることが多いのですが、実は労働者の健康管理(例えば、健康診断の義務はこの法律に規定されています)もこの法律のカバー範囲で、重要な法改正の割にはあまり注目されていないことが気がかりです。
報告書によれば、まだ面接指導の実施が義務化される改正法施行前とはいえ、月100時間を超える残業をしている労働者に医師の面接指導をしている事業所が、全事業所の1割にも満たないという結果が出ましたが、万が一にも過労死を会社から出せば、メリット制(http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/hoken/roudou-merit1.htm)を導入していた場合に 翌年の労災保険料が上がる目先のデメリットだけでなく、人が1人亡くなれば、企業規模に関わりなく億円単位の損害賠償請求がなされますが、まだほとんどの経営者はそれだけの危機感はお持ちになられていないようです。
法改正後は、当然ながら企業側がどれだけ対策を取っていたかも、賠償額にも影響してくるでしょうし、『安衛法? なんじゃそりゃあ? オレが法律だ』といったタイプの経営者は自業自得としても、法律をよく知らなかった事が理由で会社を畳むようなことがないことを願いたいものですが…。
厚生労働省調査 平成17年労働安全衛生基本調査結果の概況はこちら
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/saigai/anzen/05/index.html
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