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熊本・八代市長に新人の中村博生氏が当選

2013-09-02 08:21:41 | Weblog
熊本・八代市長に新人の中村博生氏が当選 2013年09月02日 熊本日日
http://kumanichi.com/news/local/main/20130902002.shtml
 任期満了に伴う八代市長選と同市議選(定数32)は1日投開票された。市長選は無所属新人で元県議の中村博生氏(54)=自民・公明推薦=が、無所属現職の福島和敏氏(71)を約8200票差で破り、初当選した。投票率は66・99%。09年の前回(77・27%)を10・28ポイント下回り、2005年に新市が発足して以来、最低となった。
 当選した中村氏は同市宮地町の選挙事務所で「長く続いた市政の停滞感を取り除き、国や県と手を携えて、八代市の未来を切り開いていきたい」と抱負を語った。
 中村氏は政権与党の推薦を前面に打ち出し、地元の衆院議員や県議が遊説に帯同。自民党本部役員や閣僚も応援に駆け付け、100近い団体が推薦するなどかつてないほどの組織戦を展開。自民の参院選圧勝の勢いをそのまま持ち込んだ。
 15人の市議選候補とも連動し、「今の市政は国、県との連携が取れていない」と批判。「私なら中央とのパイプを生かして八代を再生できる」と訴え、支持を広げた。
 福島氏は八代港振興などこの4年間の実績を強調し、推薦を受けた連合熊本や反自民の市議や女性・環境グループが支援したが、前回市長選のような「反自民の風」もなく、及ばなかった。
 当日有権者数は10万7955人(男4万9576人、女5万8379人)。
★熊本県八代市 市長選挙結果
当 39926 中村博生(54) 無新=自民、公明推薦
  31708 福島和敏(71) 無現



 熊本県八代市は、県南部の2005年8月に旧八代市・鏡町・千丁町・泉村・坂本村・東陽村が合併して発足した人口約13万人程の市で、市長選は現職で再選を目指す71歳の福島和敏氏に、元県議会副議長で自民・公明が推薦する54歳の中村博生氏が挑みましたが、
 「これまで八代市政はいろいろな混乱があったが、私がまとめて安定させます」と国や県との連携を強調。自公政権や県との「太いパイプ」をアピールした中村博生氏が39926票を獲得して
 「4年前の就任時に『あいさつ日本一運動』を始めてから職員が大きく変わり、市民が市役所に何でも言えるようになった。そして公正公平にスピード感を持って問題を解決してきた」と1期目を振り返ると共に「八代市を良くしていくのは、どこかの党がやることなんですか。市民の協力を得ながら、私が決断して実行していくんです」と市民党であることを強調して31708票を獲得した現職の福島和敏氏 を破り初当選を決めました。
 ほぉ。自民とのパイプをやたら強調するだけの候補は現職には勝てないパターンが多かったのですが、こちらでは自公の組織票に加えて17歳の年齢差も意識されたでしょうか。
 新市長に就任する中村氏がどのような舵取りを行うか要注目です。

愛媛・宇和島市長 石橋さん3選…441票差

2013-09-02 08:16:44 | Weblog
愛媛・宇和島市長 石橋さん3選…441票差 2013年9月2日 読売
 宇和島市長選は1日投開票され、現職の石橋寛久さん(63)(無所属=公明推薦)が、新人で元中学校長の土居通興さん(64)(無所属)を441票差で破り、3選を果たした。当日有権者数は6万9390人、投票率は68・37%(前回81・03%)だった。
 石橋さんは当選が確実となると、同市栄町港の祝勝会場に姿を見せ、支持者らと握手して回った。花束を受け取った石橋さんは「厳しい戦いだったが、今までにない多くの支援で勝てた。市政運営で培った人脈を使い、街の再生に必要な経済対策、お年寄りや子どものための市政に、今まで以上に謙虚な気持ちで取り組みたい」と抱負を述べた。
 石橋さんは同市出身。北海道大農学部を卒業し、商社に勤め、帰郷して家業のホテル経営を継いだ。旧宇和島市議、同市長を経て、合併後初の2005年9月の市長選で初当選した。

◇解説:多選批判くみ取る必要
 宇和島市長選は、現職の石橋寛久さんが、旧宇和島市時代を含めて12年半、市長を務めてきた実績を強調し、辛くも、3選を果たした。
 告示19日前に出馬表明した知名度のほとんどない新人の土居通興さんが大量の票を得たことは、石橋さんの長期にわたる市政運営への不満が表れている証しではないだろうか。
 石橋さんは自民党4支部のほか初めて公明党の推薦を受け、万全の態勢で臨んだ。一方、土居さんは後援会組織も出来上がらないまま選挙戦に突入。親しみやすい人間性を前面に出し、浮動票の獲得に注力した。
 選挙戦では、衆院選愛媛4区の〈代理戦争〉の様相も垣間見えた。自民党県連会長の山本公一衆院議員は長年つながりのある石橋さんを支えた。対して、桜内文城衆院議員(維新)は土居さんの応援演説をするなど支援に動いた。
 石橋さんの市政運営は長いだけに、ともすれば、しがらみに縛られてしまう危険が潜んでいる。市民が土居さんに投じた一票には、そうした批判も込められていることを、石橋さんはくみ取る必要があるだろう。
 石橋さんには、公約の産業振興や減災対策に一日も早く取り組むとともに、少数意見にもじっくりと耳を傾け、公平、公正な市政運営を心掛けてもらいたい。

◇市議26人決まる
 宇和島市議選(定数26)も1日投開票され、現職22人、新人4人が当選を決めた。投票率は68・37%(前回81・03%)だった。選挙戦では定数を2上回る28人(現職22人、新人6人)が激戦を繰り広げていた。
★愛媛県宇和島市 市長選挙結果
当 23564 石橋寛久(63) 無現=公明推薦
  23123 土居通興(64) 無新




 愛媛県宇和島市は、県東部の2005年8月に旧宇和島市と吉田町・三間町・津島町が対等合併して誕生した人口約8万人の市で、市長選は旧宇和島市時代の2001年02月から市長を務めている現職で62歳の石橋寛久氏に、元中学校長で市体育協会理事長の64歳の土居通興氏が挑みましたが、
 今の宇和島に一番必要なのは経済の活性化。これまで培ってきた国や県、大学などとの協力体制の進化。水産業では大浦埋め立て地を利用した6次産業化、農林業では三間地区を利用した新しい流通拠点づくり。商店街活性化や地域づくり交付金の導入、周辺地域の活性化 など地域経済の活性化と市制継続を訴えた石橋寛久氏が23564票を獲得して
 「現職の長期政権の中で偏りやひずみが生じ、市民目線の政治ができなくなっている。誰か新しい人が出るべきだと思った」と現職を批判。地域医療と福祉、教育を柱に「市民のための政治、不安や不満のない政治を目指すと訴え23123票を獲得した土居通興氏 を大接戦の上かろうじて振り切って3選を決めました。
 ん…。何とか3選を決めた現職は結束の固い公明の組織票がなかったらどうなっていたことか…。それだけ市民に不満が高まっていることへの裏返しとも言えるでしょうし、次の4年間で何ができるかが厳しく問われることになるでしょうね。


阿久津氏が再選 実績訴え2氏破る  群馬・渋川市長選

2013-09-02 08:12:23 | Weblog
阿久津氏が再選 実績訴え2氏破る  群馬・渋川市長選 2013年9月2日 上毛
http://www.jomo-news.co.jp/ns/5813780489238755/news.html
 任期満了に伴う渋川市長選は1日、市内59カ所で投票が行われ、即日開票の結果、無所属で現職の阿久津貞司氏(68)が1万8052票を獲得し、ともに新人で元市議の田辺寛治(61)、猪熊篤史(43)の両氏を破り、再選を果たした。投票率は52.98%(男52.19%、女53.72%)で、前市長の急逝を受けて行われた前回を12.1ポイント下回り、旧渋川市を含めて過去最低(2006年、55.82%)を更新した。
 選挙戦は西群馬病院と渋川総合病院の再編統合をはじめとした1期4年間の実績を訴える阿久津氏に対し、少子高齢化を見据えた財政の健全化に向け市政刷新を主張する田辺氏と、新たな発想のまちづくりを呼び掛ける猪熊氏の2新人が挑む構図で争われた。
 阿久津氏は現職の強みを生かし、市内全域に後援会組織を設け、着々と準備を進めてきた。選挙戦では、着手している事業の実施に向け、市民一人一人に市政継続への理解を求めた。自公の推薦に加え、市議会の大半が支持を表明したほか、角田義一元参院副議長も支援を訴えるなど幅広い支持を集めた。
 田辺氏は「市政の流れを変えよう」と自転車で住宅街を回るなど地盤の中心市街地を拠点に支持拡大を図ったが、現職の厚い支持基盤を崩せなかった。猪熊氏は、出馬表明の遅れもあり支持が広がらなかった。
 同じ日程で行われた議員辞職に伴う市議補選(欠員1)は、元職の都丸均氏(51)=渋川=が2万1566票を獲得し、返り咲きを果たした。
★群馬県渋川市 市長選挙結果
当 18052 阿久津貞司(68) 無現=自民、公明推薦
  13882 田辺寛治(61) 無新
  3796 猪熊篤史(43) 無新



 群馬県渋川市は、県のほぼ中央に位置する2006年2月に旧渋川市と伊香保町・小野上村・子持村、赤城村・北橘村が新設合併して誕生した人口約8.1万人の市で、市長選は現職で再選を目指す自民・公明が推薦する66歳の阿久津貞司氏に、元市議で61歳の田辺寛治氏、元市議で43歳の猪熊篤史氏の2新人が挑みましたが、
 「市民との約束を実現させるため、あと4年間やらせていただければ多くの事業が実現する」と市政の継続を訴えた阿久津貞司氏が18052票を獲得して
 「市が将来、借金を背負って財政破綻の道へ進むのか、決められた財政の中で対策をしていくのか。子供や孫が住んでよかったと思う街をつくっていくのが市長の責任だ」と訴え13882票を獲得した田辺寛治氏、
 「渋川市の魅力を市外の人にもっと認識してもらえるよう、しっかりしたブランドづくりをしていきたい」と訴え3796票を獲得した猪熊篤史氏 の両氏を振り切って再選を決めました。
 再選は決めたとはいえ、自民・公明の厚い支持基盤がありながらライバル2人の獲得票数合計が自らが確保した票数とそう変わらないなど、市民の阿久津貞司氏への1期目の評価はお世辞にも高いものにはなりませんでしたが、再選を決めた阿久津氏は次の4年間でどのような実績を打ち出してくれるのでしょうか…。

山形・村山市長に志布氏初当選 佐藤氏の3選阻む

2013-09-02 08:09:41 | Weblog
山形・村山市長に志布氏初当選 佐藤氏の3選阻む 2013年9月2日 読売
 村山市長選は1日、投開票が行われ、無所属新人で元市福祉事務所長の志布隆夫氏(62)が、3選を目指した無所属現職の佐藤清氏(69)を破り、初当選を決めた。投票率は71・41%で、衆院選と投開票日が重なった2009年の前回(80・82%)を下回った。当日有権者数は2万2002人。
 当選が決まった志布氏は、同市楯岡十日町の事務所で支持者らに「当選は夢のよう。まずは公約の実現に向けて頑張りたい。市民の生活を向上させる政治をやっていく」と抱負を述べた。
 09年に続く挑戦となった志布氏は、人口減対策として保育料の半額補助や除排雪の充実などを主張。自民党村山市支部と公明党村山支部の推薦を受け、県選出の自民党国会議員が応援に駆け付けるなど、国政与党の自公とのパイプを強調したことも功を奏した。
 連合山形の推薦を受けた佐藤氏は、財政再建や市総合文化複合施設「甑葉プラザ」の完成など、2期8年の実績を強調。金谷工業団地の拡張による企業誘致の推進などを訴えたが、支持が広がらなかった。
★山形県村山市長 市長選挙結果
当 8584 志布隆夫(62) 無新=自民、公明推薦
  7014 佐藤清(69) 無現


 山形県村山市は県の中央部に位置する人口約2.6万人弱の市で、市長選は現職で3選を目指す69歳の佐藤清氏に、元市職員で62歳の志布隆夫氏が挑みましたが、
 人口減少はずっと続き、危機的状況だ。今こそ夢と希望のあるまちづくりをしなければ手遅れになる。まずは、皆さんの冬の暮らしを大変にしている雪の対策を第一に取り上げ、解決していく。いろいろな意見を基に検討し、市を良くするなどと訴えた志布隆夫氏が8584票を獲得して、
 村山市の活力を生み出すために必要な働く場の確保や人材育成、住環境の整備、子育て支援、教育環境整備、福祉の充実は今後も進める。安心して住めるまちづくりを目指し、全力を挙げて努力していくと述べ7014票を獲得した現職佐藤清氏 を破り初当選を決めました。
 山形県の中心は内陸部の山形市及びその近辺と湾岸部におおよそ二極化され、村山市の人口減少を止めると言っても即効策を打ち出すこととは中々難しいと思いますが、他の自治体も地域振興を試みる中、どう差別化を図るのか。新市長の手腕に注目が集まることになりそうです。

来年1月からスタートのNISA 複数の金融機関では開設できないことは御存じですか?

2013-09-01 11:52:07 | Weblog
 来年1月から上場株式や株式投信等の譲渡益・配当や分配金にかかる税率が10%から本則の20%に戻ることから、少額投資非課税制度(NISA)への関心が高まっていますが、複数の金融機関に口座を開設できないことを知らずに金融機関から税務署が申請を受け付ける段階で混乱が生じるケースが相次いでいるそうです。

 では、なぜこのような混乱が生じているのかと言えば、実はこの10%の軽減税率で済むNISA口座を獲得できればメイン口座の獲得にもつながるとばかり、金融機関がしのぎを削り、一部の金融機関ではキャッシュバックキャンペーン(*)まで行っていることから、ついつい目先の利益に目を奪われてしまうからのようです。
*一例を挙げれば、野村証券なら平成25年9月30日までにNISA口座を開設→税務署の審査→口座開設手続き完了 すれば現金2000円をプレゼント。更に家族や友人を紹介して、その紹介した方がキャンペーン期間中に新規に口座を開設した上、キャンペーン対象商品を50万円以上お買付したら、紹介者と紹介頂いた方に3000円をプレゼントするというキャンペーンを行っています。

 ただ、このNISAという制度。上場株式や株式投資信託等の配当金や売買益等は非課税となる一方で、これらの売買損失はないものとされることから、特定口座や一般口座で保有する他の上場株式等の配当金や売買益等との損益通算ができなければ、損失の繰越控除(3年間)もできません。

 ということは、当然購入商品単体で利益を出している時に売却しなければ意味がないわけで、売却する時に一々開設した支店まで出向いて複雑な書類を書かなければならないような金融機関だと、売却そのものが大変になるわけで…。

 私などは野村証券の口座は住所変更前の県外の支店に置いたまま(当然遠方の支店から口座残高が送付されてきます)のため、私に限っては少なくともここは候補から外すことになりますが、(将来法改正がされる可能性は否定できませんが)現時点ではNISA口座を開設後、4年間は他の金融機関に変更することが出来ないという制約もあるだけに、金融機関選びは慎重に行いたいものだと思います。

大病院、紹介状ない初診「1万円」 患者分散へ

2013-09-01 08:03:23 | Weblog
大病院、紹介状ない初診「1万円」 患者分散へ 2013年8月30日 日経(会員記事)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2902L_Z20C13A8MM8000/
 厚生労働省は紹介状を持たずに大病院に来る人に、定額負担を求める方針を固めた。金額は1万円を軸に検討し、2016年度をメドに始める。軽い病気でも大病院に行く患者が多いため大病院が救急医療など本来の役割を十分に果たせない問題に対応する。まず患者が地元の「かかりつけ医」を訪ね、そこで大病院が必要か判断するよう誘導し、医療を効率的にする。過剰診療を避け、医療費の節減につなげる狙いもある。
 金額は2万円や3万円にする案もあるが、1万円が有力。厚労省は15年の通常国会に健康保険法の改正案を提出する。
 現在も入院用ベッド数が200床以上の大病院に紹介状を持たずに来た患者には、病院が患者から特別料金を徴収できる制度がある。200床以上の病院は全国に約2600あり、その半分弱、約1200の病院が特別料金を課している。特別料金は平均1998円で、最高は8400円。
 それでも、大学病院の初診患者の56%は紹介状なしで、大病院を選択している。風邪など軽症患者の診療に医師や看護師が忙殺され、救急や重篤な患者の診療体制が手薄になりがちだ。患者が大病院に集中するのを是正するため、1万円以上の定額負担を求める。
 現在も診療所で紹介状を作ってもらってから大病院を訪ねると、通常の初診料(3割負担の人は810円、1割負担の人は270円)で大病院の診察を受けられる。
 日本は保険証があればどの医療機関も受診できるため、念のためといった理由で初診で大病院を訪ねる患者が多い。その弊害が大きくなったため、政府の社会保障制度改革国民会議は「必要な時に必要な医療にアクセスする」という方向に転換すべきだと提言した。
 高齢化で膨らむ社会保障費のなかでも医療費は25年までの増加分の半分を占め、その効率化は喫緊の課題だ。高度な医療を担う大病院が、救急医療やかかりつけ医から紹介される重篤な患者の診療に専念すれば、質の高い医療をより少ない費用で実現できる。
 日本の1人当たりの平均受診回数は年13.2回で経済協力開発機構(OECD)平均の2倍。「どの医師がよいかわからない」と複数の病院を受診し、何度も同じ検査や投薬を受ける患者も多い。そこで大病院への患者集中を抑えるのと併せ、まず患者がかかりつけ医を訪ね、次に必要な診療を助言してもらう仕組みを作る。無用なはしご受診を避け、医療費を抑える狙いだ。
 かかりつけ医を見つけやすいよう、幅広い診療能力を持つ医師の養成も進める。様々な症状をみて、大病院に紹介する「総合診療医」を専門医として新たに位置づける。18年度にも現場で働けるようにする。

病院の機能分化促す 大病院の初診1万円  2013年8月30日 日経(会員記事)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC2901T_Z20C13A8EE8000/
 厚生労働省が軽症の患者に対し大病院での診療にハードルを設けるのは、診療所との機能の分化を進めるためだ。高度医療をする大病院と地域住民の日ごろの健康管理を担う「かかりつけ医」を患者が使い分けるよう促し、検査や投薬の重複を減らす。そのためには大病院での初診時の負担を重くするだけでなく、「かかりつけ医」の役割を果たせるよう地域の診療所の質を高める必要がある。
 日本のかかりつけ医は定義があいまいだ。日本医師会は診療科に関係なく、地域の住民の健康診断や医療行為まで担う存在ととらえる。だが、1人の患者に対し、様々な診療科の開業医が何人でもかかりつけ医になれる。専門がばらばらで医者の質も一定でない課題もある。
 一方、欧州では診療所のかかりつけ医を家庭医と呼ぶ。英国では家庭医の受診を義務化し、必要なときだけ専門医のいる大病院を紹介してもらう。家庭医は住民数に応じて定額で報酬が支払われる仕組みが一部導入され、治療行為に応じて支払われる日本と違い、無駄な検査や投薬を抑えるインセンティブを組み込んでいる。
 社会保障制度改革国民会議は医療提供体制の改革策として「かかりつけ医の普及は必須」とした。ただ、肝心の定義は明らかにしなかった。欧米のかかりつけ医の仕組みに警戒感を示している日本医師会に配慮したためだ。
 だが、日本でもかかりつけ医を普及させるには、患者が診療所のなかから信頼できる「かかりつけ医」を選べるようにする必要がある。2018年度にも様々な症状を診断し、専門医に紹介する「総合診療医」が誕生する。診療所の医者にも資格取得を促すなどの質の向上策は検討していくべき課題だ。日本総合研究所の西沢和彦上席主任研究員は「家庭医についてもタブー視せずに議論すべきだ」と指摘する。

来年度の診療報酬改定、在宅医療を推進 厚労省 2013年8月10日 日経
 厚生労働省は2014年度の診療報酬改定で、在宅医療を推進する。病院は早い段階から患者のリハビリに取り組むなどして入院日数を減らし、自宅に移れるように促す。かかりつけ医を中心とした地域の医療体制づくりも後押しする。
 9日の社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)で基本方針の中間整理案を示し、大筋で了承を得た。基本方針は年末にとりまとめ、来年の診療報酬改定に反映する。
 かかりつけ医を中心に、病院や歯科、薬局などが連携するのが新たな医療体制だ。専門性が高い大病院には、かかりつけ医から紹介されるしくみも必要となる。
 病院から在宅への推進も打ち出した。病状にあった適切な医療を提供できれば、医療費を減らしやすくなる。いまは本来、緊急性の高い患者を受け入れる病院に、入院患者があふれている。この解決策として、診療報酬だけでなく消費増税分を財源にした補助金の活用も盛り込んだ。



 先週末に突如降ってわいたこの話題にネット掲示板などでは「地元の年寄り医者のやっている診療所では誤診が不安」「急に体調を崩して心配だから駆け込むのに、適当な薬を出されて様子見されるのは嫌だから大病院まで行くのに…」といった不安の声が上がっていたのですが、そもそも大病院の定義(大学病院だけに絞るのか、地域の医療を守る救急指定病院まで含めるのか)がわかりませんし、産婦人科や小児科の場合、前者は産婦人科はやっていてもお産はやっていない(通常のお産は受け付けても高齢等のリスクのある出産は受けたがらない)ケース。後者の小児科も体調の悪さを的確に表現できずに手遅れになるリスクを考慮したら、診療科を問わずに一律に適用するのはいささか無理があるでしょうし、とりわけ近くに腕の良い医者のいない郡部では感情的な反発を招くことになるでしょうね…。
 大方、慢性的な体の不調に悩まされるリピーターのお年寄りを想定して「初診に1万円を別途請求すれば寄り付かなくなるだろう」といった発想なのでしょうが、差額ベッド同様、一定の徴収基準を決めなければ、本当に必要としている人が診療を受けられない国民皆保険制度そのものを揺るがすことにもなりかねないだけに、いくらなんでもこの1万円のボーダーラインは高過ぎるのではないかという懸念をどうしても感じてしまいます。