日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

川田弥一郎著「白く長い廊下」

2012-04-27 | 読書
二日続きの読後感です。
1992年「長い廊下」の題名で江戸川乱歩賞を受賞した医療ミステリー



60代の現役の医師の処女作
知りつくした医療現場ならではの殺人もの

「長い廊下」は病院にとって設計ミスなのか?
制作意図とは違う視点で読んでみた。
無事手術が成功し、麻酔が覚めた事を確認して看護士にゆだねた。
増築をくり返して長くなってしまった廊下を進み
病室に向かった患者が死亡

麻酔担当の外科医師の責任になりそうになり真相を探る。
都合良く美人薬剤師の協力を得て真相が暴かれたが

病院の経営と医療地域の事情が絡み
都市の大病院で働く事に嫌気がさし、
島の地域医療に着く事になる。

犯人探しは専門分野を駆使してミステリアスに描かれているが
犯人や犯行動機についてはは医師として抵抗はなかったのだろうか?

医療現場は現場、物語は別・・と割り切れていたのだろうか?
島に赴任するのは物語として安易すぎないか?
理想が勝ち過ぎていないだろうか?

長い廊下の弊害をもっと突き詰めて欲しかった
・・設計者の疑問に答えて欲しかった読後感でした。

それにしてもお医者さん作家は結構多い
不具合の個所を推理したり、病名を探るなど仕事自体が
物語的なのだろうか?

患者として横目で見るカルテの読めない文字
文章を練る事が得意な人々とは思えないが・・
患者の生き死にこそミステリアスではあるのだろうが・・

つい、推理脳になってしまった。
コメント (2)
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