日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

桐野夏生著「だから荒野」

2016-11-28 | 読書
先週読んだ一冊

桐野夏生著「だから荒野」文春文庫刊



文庫化されたら一番に読みたい作家本
帯には「こんなにいとも簡単に
    夫と息子を捨てられるとは。」
   「家族という荒野を生きる」
桐野夏生の毒気が続いているのかと期待して読んだ。

夫に最低限の生活費しか渡されない専業主婦の朋美
2人の息子は作ったご飯にケチをつけて食べないし
一人はネットゲームに夢中で「るせー」くらいの会話しか成り立たない。

せめてお誕生日におしゃれをし、家族全員楽しく過ごしたい。
気張ってお化粧をし、そっと買い求めた洋服を着て・・張り切っていた。
なのに、自分が車の運転をするはめになり
勧進の靴を間違えて履いてしまい
夫や子供に文句をタラタラ言われ
レストランから抜け出し、家族を捨てる旅に出る。

自由気まま、爽快感120%、悲壮感0%

結婚前に捨てた恋人の住む長崎へ目指す。

男に卑しまれ、車を盗られても落ち込む事も
家に助ける事もなくアッケラカン!!

かなりの怪しいストーリー展開にも、アッケラカンに快感を覚える。

小さな幸せを求める人には、そうそう変化は訪れそうもないが
ツイツイ物語の気持ちにそって応援してしまう。

小さな叛乱が家族全員の気持ちに多くな変化をもたらす。
読み終えてしまえば「やっぱり!」だが
ほっこり暖かくなる。

桐野夏生にも毒気以外の変化が現れているのかも??

爽快な主婦の物語です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする