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日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

柚月裕子著「パレートの誤算」

2017-05-15 | 読書
連休中に読んだ一冊
柚月裕子著「パレートの誤算」祥伝社文庫刊



帯の「生活保護の闇とは!?」につられて買った。
題名のパレートの法則とは
組織全体の2割程の人が大部分の利益をもたらし
その2割がいなくなると残りの2割が取って代わり、
ある事象の2割が全体の8割をになっている・・

そんな題名はともかく
某市役所の社会福祉課の物語。
生活保護世帯を訪れて話を聞き、生活援助の保護費を支給する担当者達
採用されたばかりの臨時職員の若き女性が主人公

読み進めるうちに、臨時職員がこんな責任ある仕事を担当していいのか??
現実的な疑問が最後迄拭えなかった。

私が仕事で知り合った区役所の人は
介護保険の仕事を1年もしないうちに、生活保護の担当に変わってしまった事があったが
「大変ですね」に「長く生活保護を担当していました」と古巣に帰って行ったが
何時も大きなリュックを背負い、どんな所に行っても困らないような身なりをして
介護保険の施工者より利用者の事を考えていて
私にアドバイスを求めてきた。

きっと、生活に困った人達に取って頼もしい存在だったに違いない・・
・・などと考えながら読んだ。

女性が頼りにしていたベテランのやり手な男性職員が
火災現場から焼死して見つかった。
高価な時計をしていた事から、貧困ビジネスの疑いをかけられた。

区の相方とケースワーカーとして働くうちに
生活保護者を食い物にしている人達の存在を突き止める。

そうこうしているうちに殺されそうになり
身近な人が疑惑に上がる。

引込まれて夢中で読んだが
臨時職員が引っかかり、生活保護者の愛人が名前だけ出てきて解明されないし
棘のような物が残った。

解説(香山二三郎)を読むと、柚月氏は発展途上らしい。

「・・誤算」は世界を引っ張る2割でなくとも
真相は究明出来るし、歯車であろうとも車は動かせる。
2割に入らなくても「舐めるんじゃない!」
・・てな、意味合いかな・・

だからと言って、臨時職員にこんな仕事をさせてはいけない。

一読をお勧めします。
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