日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

桐野夏生著「バラカ」

2019-03-30 | 読書
少し前に読んだ上下刊
桐野夏生著「バラカ」集英社文庫刊



帯の文字が凄まじい
「彼女以外、全員狂気」
「彼女は厄災か。それとも神の恩寵か」
 究極のカタルシス。
 ”桐野夏生を”感じろ!

まるでオカルト物、内容を越える檄文は読書の邪魔!
読む人が自然に感じるまで、自重してもらいたい!?

仲が良くライバル意識を持つ2人の働く女
バリバリ仕事はしていて、突き詰める所まで行っちゃう性格。
性格気性、考えが狂気じみている男に取り込まれ
家庭を築たいと、子どもをドバイまで買いに行く(人身売買)

片や出稼ぎに来ている日系ブラジル人
妻と子が宗教の司祭に取り込まれて行方不明になってしまう。

そんな所で東日本の大震災と原発事故
バラカと名乗る女の赤子、
関東以北が汚染されてしまった日本
バラカを軸に原発推進派と闘う原発反対派

狂気の者も居れば、金儲けに走る者もいる人々
神の恩寵と感じる人も居れば、人の営みと考える人もいる。

作家桐野夏生が人並みのストーリーを編み出す訳はなく
常に狂気を醸し出すが、全員狂気はあり得ない。

桐野夏生のストーリーは常に起承転結よりも
人の闇を拡大解釈させる所にある。

闇は宗教の教誨師を騙り、
倒錯した性癖(差別用語?)の持ち主との関わりが尾を引く。

「彼女以外、狂気」言えているかもしれないが・・
コメント
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