魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

クロゴキブリ

2022年07月26日 15時36分26秒 | 昆虫・クモ

最近こん活(昆虫活動)が忙しい。夏はいつもそうである。ということでいつもの森へ。そこで出会ったクロゴキブリの雌。

ゴキブリの仲間も色々いて、この雑木林ではほかにヤマトゴキブリとモリチャバネゴキブリの2種がいる。モリチャバネゴキブリのほうはチャバネゴキブリと異なり在来種で、人家に出現せず、森の中に潜む。落ち葉に多く潜み落ち葉を分解してくれているようだ。個人的にはオオゴキブリも見てみたいのだが、これはまだ見たことがない。しかし去年はこの森林にはヤマトゴキブリがいっぱいいたのだが、今年はまだ見ていない...

肢部をなめるクロゴキブリ。衛生害虫ともされているが、意外ときれい好きな一面もあるようだ。もしかしたら樹液をなめているのかもしれない。よく見るとほかにも樹液を求めて色々な昆虫の姿が見られる。

横からみたクロゴキブリ。こうするとカマキリなどにも見えなくない。実際にゴキブリとカマキリは近い仲間とする意見もある。奥にはまた別の昆虫の姿がみえる。おそらくヨツボシケシキスイだろう。ケシキスイの仲間もまだほとんど見たことがない。

HN「冴」さん、ありがとうございました。

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マメオニガシラ

2022年07月25日 20時25分02秒 | 魚紹介

久しぶりに戸田の深海魚。以前記事を書いてアップする準備をしていたが某社社長氏からの嫌がらせにより削除されたもの。スズキ目・オニガシラ科・オニガシラ属のマメオニガシラという魚である。

オニガシラ科の魚は、見た目はホタルジャコ科のワキヤハタやオオメハタなどに似ているのだが、頭部には大きな違いがある。この仲間は頭部周辺のいくつかの骨が露出しているのである。まるでツボダイ科のツボダイ属の魚のようである。ただ分類学的にはあまり近くないようである。

マメオニガシラの後頭部のアップ。後頭部に角状の突起がある。この特徴があるものは「ツノガシラ」という名前で呼ばれていたのだが、この種はマメオニガシラと同種であるとされた。どうやらこの突起は幼魚のころにのみある特徴だという。成魚は標準体長20cmほどになるが、この個体は10cmもない幼魚である。そのため突起も目立っている。

オニガシラ科の魚はオニガシラ属だけで、世界で3種のみ。そのうち日本には2種が知られている。もう1種オニガシラは静岡県駿河湾からのみ知られているものであるが、同定形質があやふやであり、再検討が必要だという。日本に生息していないもう1種はオーストラリア近海に生息する。

分布域は静岡県戸田と土佐湾であるが、ほかの地域でも探せばいると思う。海外では台湾、フィリピン近海や東アフリカ沿岸などに分布している。水深300mほどの場所から底曳網漁業などにより漁獲されているがほとんど食用にならない。小ぶりなものが多かったからだろうか。ただし今回は揚げ物にして食べると美味しかった。今回の個体は静岡県戸田産で、青山沙織さんにおくっていただいたもの。ありがとうございます。

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オオクチイワシ

2022年07月24日 21時16分20秒 | 魚紹介

今回は以前入手した魚のご紹介。ハダカイワシ目・ハダカイワシ科・オオクチイワシ属のオオクチイワシ。

ハダカイワシ科の魚は種類が多く、同定は難しい。しかしオオクチイワシはやや細長い体や体側の鱗は櫛鱗であること、尾鰭前発光器は4つであることなどが特徴である。オオクチイワシ属は世界で7種ほどが知られているが、日本産は3種である。

体は全体的にぼろぼろ。この個体はハチビキの胃の中から出てきた個体であるため、それは仕方がない。それでもハダカイワシ属(その名の通り鱗がはがれやすい)とは異なり、鱗もしっかりと残っているので同定は可能だ。発光器もぼろぼろだが、なんとか確認はできる。

口。オオクチイワシはその名の通り口が大きい。しかしながらオオクチイワシのほかにも大きな口のハダカイワシ科魚類は多いため、あまり同定には使えない。胸鰭も写っているが、胸鰭はかなり短い。

背鰭。オオクチイワシの背鰭軟条数は19~22軟条とされているがこの個体ではやや軟条数が少ないと思う。根本の部分で消化されているのかもしれない。最初はこの特徴からトンガリハダカかと思われたが、頭部の形状などはだいぶ異なっている。ちなみに日本産のほかのオオクチイワシ属魚類であるイサリビハダカでは21~24、オオセビレハダカは24~27と背鰭軟条数が多いのでオオクチイワシと見分けることができる。

分布域は広く日本近海では千島列島~土佐湾までの太平洋岸と小笠原諸島。島根県にもいるらしい。海外ではカムチャッカ半島~アメリカのカリフォルニアまでと北太平洋の広い範囲に分布している。ハダカイワシの仲間はいずれの種も昼間は沖合のかなり深い場所に生息し、夜間になると餌を追いかけ浅い海にも出現することが多いが、捕食者も多く、この科の魚は小型のものではアジの仲間から大きいものではマグロ類まで、様々な魚に捕食される。ちなみにこの個体は徳島県で採集されたハチビキの胃の中からでてきたもの。東北地方太平洋岸を曳く底曳網でも漁獲されているようだが、干物などにされるハダカイワシと異なりほとんど食用にはされていない。今回のオオクチイワシは福井県の大栗靖彦さんより。いつもありがとうございます。

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ヒレナガカンパチ

2022年07月23日 02時34分48秒 | 魚紹介

昨日ヒラマサをご紹介したので、今日はこれまでこのぶろぐで紹介できていなかった日本産アジ科ブリ属最後の一種を。ヒレナガカンパチである。

ヒレナガカンパチはカンパチに似ているが、いくつかの点が異なる。

ヒレナガカンパチの背鰭はカマのようになっている。写真は小型の個体であるのだが、それでも強いカマ状。この特徴で区別するのが一番簡単であろう。

カンパチでは尾鰭下方が白くなっていることが多いが、ヒレナガカンパチはそうなっていない。ただし大きいものでは白色斑は消失していることもあるので注意が必要。なおFishbaseでカンパチの中に明らかにヒレナガカンパチと思われる個体も多数いるので注意が必要である。

ヒレナガカンパチは一応世界中の温暖な海域に生息している、ということになっている。ヒラマサみたいに、複数の種に分けられるかどうかは不明。タイプ産地は大西洋かGreek Archipelagoのようで(詳細は不明)、もし日本を含むインドー太平洋産のものと大西洋産のものが別種になれば、日本産の学名はSeriola songoro Smith, 1959となるはずである。標準和名は学名からソンゴロともされたが、下手に変更すると混乱を招くと思われるのでやはりヒレナガカンパチが残るのだろう。現状カンパチという名前で呼ばれているSeriola dumerili (Risso, 1810)は地中海がタイプ産地ということで、大西洋のものと日本のものが別種になるとされれば、Seriola purpurascens Temminck and Schlegel, 1845という学名になるのかもしれない。なおSeriola purpurascensとされても、標準和名はカンパチである。

この個体は2014年にHN「はこふぐ」さんに突いてもらったものを写真に撮らせてもらったもの。ありがとうございます。残念ながらこの種は食したことはないのだが、刺身や塩焼きなどにして大変美味とされる。しかしながらたまにシガテラ毒をもつことがあるので注意が必要という。

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ヒラマサ

2022年07月22日 14時36分53秒 | 魚紹介

名前だけは2回出てきているヒラマサ。ですが、全身の写真をアップするのは今回がはじめて。スズキ目・アジ科・ブリ属の魚であり、食用としてもお馴染みの魚である。もっとも、ブリ属の魚はあまりアップできていない。ブリも魚本体の写真はこれまで2回しかアップできていない。カンパチも2回だけ。ヒレナガカンパチに至っては写真すらなし。

ヒラマサの頭部

ヒラマサの胸鰭と黄色縦帯の関係

ヒラマサはブリに似ているが、いくつかの点で見分けることができる。口角はブリは角ばっているが、ヒラマサでは丸みを帯びている。また胸鰭と黄色い縦帯の位置関係も異なっている。ブリは黄色い縦帯と胸鰭の間に少し空きができるのに対し、ヒラマサでは胸鰭のすぐ上は黄色縦帯である。ただしまれにブリにも胸鰭のすぐ上に黄色縦帯があることがあるので注意が必要。またブリよりもヒラマサのほうが大きくなることが多い。写真での見分け方はまた今度詳しく解説してみたいと思う。

ヒラマサのお刺身。ほかに寿司などにしても美味しい。ことしの5月の連休に鹿児島の回転寿司店「めっけもん」で田中水産の田中積さんに食べさせていただいたヒラマサがものすごく美味しかったので購入してみたい。あのときのヒラマサは甑島産だったと思うのだが、最高であった。また行きたいものだが情勢が急激に悪化して難しくなりそうだ。ちなみにこの写真のは長崎県の個体。この個体はまだ小さく脂ののりはイマイチであるが、脂に頼らない美味しさも重要であると思う。

ヒラマサは世界中の温帯~亜熱帯海域に広く産するとされてきた。しかし、世界中でヒラマサには3つほどの異なるタイプがいるらしい。従来ヒラマサの学名にあてられたSeriola lalandi Valenciennes, 1833というのは基産地がブラジルで、ほかチリや南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどに分布する。日本には産しない。一方アメリカ西海岸にはSeriola dorsalis (Gill, 1863)が分布している。日本においてはSeriola aureovittata Temminck and Schlegel, 1845という種が知られており、これがヒラマサの学名になるようだ。産地ごとにある程度の色彩模様の違いはあるものの、もし3種を並べてもそれらを外見から見分けるのはほとんど無理であろう。

今回の個体は先ほども述べた通り長崎県産。印束商店 石田拓治さん、ありがとうございます!

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