団塊世代のサヨクのデモに対して、若者が突っかかる。ようやく日本も悪しき亡霊の影響から脱する時期を迎えた気がする。リュックサックを背負った高齢者が、赤旗を手にヨタヨタとデモをしているさまは、亡霊があてもなくさまよっている感じだ。最後に逃げ込む場所が脱原発や反天皇なのだろう。『生涯にわたる阿修羅』としてに収録された、高橋和己と三島由紀夫との対談「大いなる過度期の論理」のなかで、高橋は全共闘について「革命運動を目ざしてはいますけれども、北一輝にならった言い方をすれば正義運動だと思います」と語っていた。街頭に繰り出す保守民族派のリーダーが「君たちはこんなことをして許されると思っているのか」とアジるのは、誰にでも通用する正義を主張しているのだ。大それたイデオロギーを振りかざしているのではない。かつて全共闘が問いかけたことと変わりがない。だからこそ、若者の心をつかむのだろう。さらに、高橋は「ぼくはマルクス主義者の方とちがいまして、革命というのは案外少数の人がやるものだと思っているんですよ」とも言っていた。日の丸の旗を持って、サヨクのデモに少数で立ち向かうというパトスは、従来の保守派には考えられないことだ。ソビエトが崩壊し、マルクス主義が墓場に追いやられてしまった今となっては、正義の運動が革命をもたらすのであり、少数の者が時代を切り拓くのだ。
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