草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

「福島去る医療従事者」の本音を記事にした毎日の一面トップ!

2012年03月05日 | マスコミ評

 毎日新聞など読んだことがない私だが、今朝の一面トップ記事が原発事故関係であったので、コンビニでついつい買ってしまった。「福島去る医療従事者」という大見出しで、放射線被曝を恐れて、福島市を離れることになった放射線技師を取り上げていた。仕事上の知識では、健康には影響がないはずであるのに、小さな子供がいる家族にとっては、少しでも不安があると、住み続けるのは困難なのである。「やっぱり危ないんじゃない?」と妻から不安を漏らされると、夫は「放射線技師が逃げたら周囲への影響が大きいんだ」と返答するしかなかった。そして、夫婦の話し合いは何時間にも及んだという。しかし、いくら夫が妻を説得しようとしても、「微量な被曝でがんになるという証拠はない。だが、ならないという確証もない」わけだから、まず妻子だけを昨年8月に米沢市に移し、自分も、4月から東北地方の別な病院に移ることになった。細野豪志原発事故担当相は「年間20ミリシーベルト以下であれば安全だ」と言っているが、医療関係者すらも、それに疑問を感じているのだ。武谷三男は『科学入門』のなかで、科学的と称する議論において、「安全も証明されないが、危険も証明されない」という言い方を、痛烈に批判している。「危険が証明されたのなら初めからお話にならない」からだ。福島県東部の人口流出は歯止めがかからなくなっている。不安の解消は難しいのだから、もはや避難を優先させるしか、残された選択肢はないのである。

 
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70年前後に新右翼のラジカリズムをリードした『ジャスコ』!

2012年03月05日 | 思想家

 政治家の離合集散にいちいち目くじらを立てるのも大人気ないので、ここは原点に戻って、保守民族派の思想を考えてみたい。70年前後の頃に、私が愛読していたのは、雑誌では『現代の眼』であり、『論争ジャーナル』であった。それ以外に機関紙としては、日本学生会議の『ジャスコ』と中核派の『前進』は、できるだけ目を通すようにしていた。片方は新右翼のラジカルな主張が述べられており、もう片方も攘夷的な沖縄奪還論を繰り広げていた。あの当時、新左翼に共感するのは普通であるが、あえて新右翼に注目したのは、ストレートな攘夷であったからだ。松本健一も「70年当時の新右翼の動向は、大学闘争を担った新左翼の昂揚と見合う程度にラジカルであった」(『思想としての右翼』)とコメントしている。もちろん、70年安保騒動の主役であった新左翼と少数派の新右翼を、松本が同列に見たのではない。あくまでも、新右翼の「理念創出のエネルギー」(同)を評価したのである。『ジャスコ』紙上での激しい論調は、ヤルタポツダム体制の解体を訴え、日米安保条約も否定したのだった。独立国家としての主権を奪われている日本の現状を、彼らは打破しようとしたのである。だからといって、今の段階でアメリカとの同盟関係を破棄するべきではないが、国家として日本が身構えるにあたっては、それなりの覚悟が求められるのであり、攘夷のパトスがみなぎっていたのが『ジャスコ』なのである。

  
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