天変地異とはよく言ったもので、人間の力が及ばない災害がいつ襲ってくるかは分からない。かつてない大雨となったこともあって、茨城県の常総市では鬼怒川が氾濫し、あっという間に住宅地が水に呑みこまれてしまった。行方不明者も12名出ている。自衛隊のヘリで次々と救出されるさまがリアルタイムでテレビで報道された。濁流が家を押し流そうとしているのに、危険を顧みず身を挺しての救出であった。日頃の訓練の成果だとしても、国防の第一線にあるからこそ、国の楯となる覚悟があるからこそ、そうした行動が取れるのだろう。人の価値というのは、他者のために何ができるかで決まる。その究極的なものは公への奉仕なのである。電線に引っ掛かればヘリはひとたまりもない。にもかかわらず、低空すれすれで飛ぶのは、他者の命を救うためには、自分を犠牲にすることも厭わない勇気があるからだろう。「国際貢献や集団的自衛権の行使にともなって犠牲者が出れば、自衛隊に入る人がいなくなって徴兵制になる」と平和安全関連法案に反対する人たちがいる。しかし、いつの時代であろうとも、崇高な使命感に共感する若者はいるのであり、そこまで心配するには及ばないのである。危機一髪のなかで、多くの国民が祈るような思いで見守っていたなかで、我が自衛隊はあくまでも沈着冷静であった。安全保障の面も含めて、自衛隊の力があるからこそ、日本の平和と安全が維持されているのを忘れてはならないだろう。彼らこそ平成の世のサムライなのである。
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