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草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

押し付けられた憲法を痛烈に批判した中野重治こそが真の左翼だ!

2015年09月05日 | 思想家

日本に本当の左翼はいなくなってしまったのだろう。お花畑の議論が横行しており、日本のどこに行っても「憲法9条は世界の宝物」とかの看板が目立つ。日本共産党が中心になっているグループが建てたものだ。「豪傑」という詩をつくっている中野重治は、自らが「彼は書物を読み/嘘をつかず/みなりを気にせず」の侍であった。日本国憲法がいかさまであることを見抜いていた。「じっさいは憲法でたくさんのことが教えられねばならぬのだ。あれが議会に出た朝、それとも前の日であったか、あの下書きは日本人が書いたものだと連合軍総司令部が発表して新聞に出た。日本の憲法を日本人がつくるのにその下書きは日本人が書いたものだと外国人からわざわざことわって発表してもらわねばならぬほどなんと恥じざらしの自国政府を日本国民が黙認していることだろう。そしてそれを、なぜ共産主義者がまず感じて、そして国民に訴えぬだろう」(「五尺の酒」)。さらに、そこでは「枢密院は、みな百三条ある憲法を二十分で片づけてしまった」と痛烈に批判した。共産主義者の中野ですら、押し付けられた憲法に怒っていたのである。しかも、この文章は連合軍総司令部の検閲でズタズタにされてしまった。当時の日本共産党は軍備を否定してはおらず、お花畑とは無縁であった。日本人としての屈辱も保守派と同様に共有していた。右であれ左であれ、押し付けられた事実を忘れてはならないのである。

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