法と正義を無視しているのは、日本の安倍晋三首相ではなく、中共の習近平主席ではないか。東シナ海や南シナ海での軍事的な膨張にとどまらずに、国が直接関与したサイバー攻撃でも批判の的となっている。今回の米中首脳会談においてもオバマ大統領はその問題を取り上げ「両政府は実行、支援しない」ことで一致した。朝日新聞によると、アメリカは中共によるサイバー攻撃で年間数十億ドルの損失が出ている。それ以外にも今年になってからは、公務員の個人情報が流出したことが明らかになっている。アメリカは2010年からサイバー部隊を展開させており、中共の国有企業を含めて約25社を特定し、対抗処置としてアメリカ国内の資産の凍結や取引制限を課す制裁案が検討されている。日本に対しても中共がサイバー攻撃を繰り返しているのは、誰もが周知の事実である。そうしたことにまったく頬かむりして、安倍首相を悪者にする議論は、どこかピントがずれているのではないだろうか。2009年に就任したオバマ大統領は、これまでは対中共政策で融和的な姿勢を取ってきた。しかし、ことここにいたって対決姿勢に転じたのは、無法者国家中共の振舞いが露骨になってきているからだ。日本の国会が平和安全関連法制を可決し、部分的ではあっても集団的自衛権の行使を容認することになったのも、中共の脅威が高まってきていることが背景にある。それに目を向けないお花畑は、無法者国家の暴走を容認し、戦争の危機を誘発するだけなのである。
←応援のクリックをお願いいたします。