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草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

「祖先を捨てて顧みない人々」(バーク)の暴走が衆愚政治だ!

2015年09月07日 | 思想家

人間のやることは間違いが多いのである。絶対などというのはあり得ない。議会制民主主義にしても絶対ではない。それが他と比べてマイナスが少ないだけである。非合法的なクーデターではなく、ナチスも選挙で権力を手にしたのである。大衆がよいと思って投票をしたのだ。デモの数で政治が動かされてはならないが、生きている者たちの声を絶対視するのも問題である。選挙を重視する橋下徹大阪市長の意見は大筋においては正論だとしても、国民主権を行使に当たっては前提がなくてはならない。エドモンド・バークの「革新好みの精神は、一般的には利己的精神や視野の偏狭さの結果です。祖先を捨てて些かも顧みない人々は、子孫に思いを致すこともしないものです。それだけではありません。相続という観念は、確実な保守の原理、確実な伝達の原理を涵養し、しかも改善の原理をまったく排除しないということを、イングランドの民衆は熟知しています」(『フランス革命の省察』半澤孝麿)との言葉こそが正しいのである。過去から受け継がれた守るべき価値がまずあって、それを保存し、育てていくための改善でなくてはならない。生きている者は時として失敗をやらかす。謙虚であるためには、死者となった祖先の思いに耳を傾けなくてならない。政治的な考えを意思表示する手段としては、選挙やデモがある。しかし、それ以前にバークが主張するように「誤り易くか弱い人間理性の考案物を補強すべく自然の不謬強力な本能の援けを求める」ことこそが大事なのである。生きている者たちの力を過信しないことが保守の原点であるわけだから。

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