草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

『絶対平和論』のように命を捨てる覚悟がないお花畑を嗤う!

2015年09月27日 | 思想家

平和安全法制関連法案へ反対する人たちの合言葉は、憲法を守れという一言である。あたかも憲法が全てであるかのようだ。戦後間もなく保田與重郎は『絶対平和論』を世に問うた。保田には侵略者の前に命を投げ出す覚悟があった。単なる憲法擁護ではないことを明確に述べている。「我々は、新憲法を守るといふ時務論から憲法を云々するのではありません。我々はつねにアジア及び日本の古代の理想を恢復することを念願としてゐるのです。その念願に立脚して、正しい道を貫くための正しい生活を論じてゐるのです」。保田は新憲法がアメリカによる押し付けであることを認識しており、それを拠り所とする議論には与しなかった。「戦争を否定するがゆえに滅亡しても仕方がない」との立場でもなかった。逆に日本を滅亡させないとの強い信念に貫かれていたのである。いうまでもなくそれは、ガンジーの非暴力主義の徹底であり、保田は「日本の自由主義者のやうに、戦争は嫌ひだ、自衛権の一切は振へない、しかし生活は近代生活を続けたいといった、甘い考え方ではありません。その考へ方は非道徳的であって、決して無抵抗主義ではありません」と批判したのである。近代的な生活を拒否することが出発点なのである。侵略者への抵抗は「戦車の前へ横臥して、大勇猛心を振ふ位のやうな決心が必要」なのである。命が惜しいからではなく「崇高な本質からの行為」こそが重要なのである。今回の法案に反対してデモに参加した人たちが口にした「憲法違反」というのは、あくまでも「時務論」でしかなく、保田のような「非暴力主義の徹底」とは無縁なお花畑なのである。

 

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