ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.3.28 止まった時間

2011-03-28 20:36:55 | 日記
 地震の日にテーマパークに足止めになり、翌日の夜に帰宅した息子は、何度も書いた通り、それ以来1日も登校できていない。中学校からは、4月4日までは登校禁止の通知が来た。4月5日が臨時登校日で、中学時代の荷物を持ち帰ると同時に学年末テスト、成績表、卒業証書等をいっぺんに頂いてくることになっている。
 そして、翌日は新入生オリエンテーションで高校の教科書等を頂き、さらにその翌日が入学式の予定だ。

 当たり前だけれど、地震翌日以来お友達とも一切会うことが出来ない。これが地元の中学校ならもっといろいろ行き来があるのだろうけれど、なにぶん近くに住んでいる友人は本当に少ない。同じ最寄駅の子が唯一一人、次に近い子は電車で3駅+バスという感じだ。そのため、息子の中ではテーマパーク以来時間が止まっている感じだ。何か話し出すと、そのことしか話題がない。可哀想だけれど、もういいよ・・・、とこちらは食傷気味だ。

 本人とも相談して、今日から塾のコマを入れた。本当は、今頃はスキーに出かけていることになっていたので、塾に行くのは4月最初の3日間だけという予定だったが、あまりに手持無沙汰であるのに、だからといって一人で勉強するなどとても期待できる状況ではないので、ようやく今週だけ、と説得してOKを得たところだ。
 あまりにどこにも行くところがなく、ひたすら家でお留守番状態。しかも、ひたすら流れ続ける地震や原発関係の映像。映画館もスポーツクラブも計画停電のために変則営業で、様子を見ながらおそるおそる行ってみる感じ。友人とはメール連絡はしているようだけれど、そうそうすぐに返事があるわけでもなさそうだ。
 1人でスポーツクラブに行って走るのにも飽きたそうだ。塾で先生や同じ年くらいの子どもたちに会うことで、少しは気分が紛れてくれればよいのだが。

 そして昨夜、最寄駅が同じお友達と今日の午後に、塾の後でお昼を食べてから遊ぶ、という約束をようやくとりつけていた。遊ぶ、といってもひたすら携帯ゲームの対戦なので、なんだかなあ・・・ではあるけれど。息子は、テーマパークでの武勇伝を私たち夫婦以外の誰かに話したくて話したくて仕方がないらしい。親はその話に辟易しているのだけれど、彼の中では全く不完全燃焼なのだろう。今日は話を聞いてもらうために、テーマパークでお土産にもらってきたクッキーを持っていく、とまで言って張り切っていた。
 今日から少しでも彼の”止まった時間”が動き出すことを願いたい。

 それにしても毎日寒い。青空だけれど風が冷たく、相変わらず冬のコートを着込んでいる。昨日はショートジャケットを着て出かけたら背中がスースーしてそれはそれは寒かったので。

 久しぶりにプチ虹の皆や患者会の方たちにお会いして興奮していたのだろう。昨夜は本当に眠れなかった。3時くらいまで目がギンギンに冴えてしまい、早朝お手洗いに起きてそれっきり。それでも不思議と高揚しているせいか疲れや痛みはない。本でも読めばよかったなあ、とちょっと後悔した。

 休み明けの事務室は、計画停電モード明けで空調が全く入っていない。それにしても寒い。外に出ているのとほとんど変わらない。またもコートを着込んで仕事をした。

 そうはいっても、学内のハクモクレンの花が美しく開き始めている。青空のもと見上げると私まで背筋がすっくと伸びる感じだ。都内では桜の開花宣言もあったようだ。あれほどの大震災があった後にも、植物たちは自分の出番をちゃんと知っていることに今更ながら驚く。
 間違いなく春は近い。立ち止まらずにうずくまらずにきちんと前に進まなくては、と改めて思う。

コメント
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