男子のこの10年の優勝校は世羅(広島)が4回 佐久長聖(長野)が1回
山梨学院大付属(山梨)1回 倉敷(岡山)3回 仙台育英1回
長野県の佐久長聖高校は、全国高校駅伝男子では毎年上位に顔を出す強豪
昨年は大会新記録を作った倉敷高校に最終7区でかわされて悔しい2位だったが、今年は逆に倉敷の記録を抜く大会新記録で2位倉敷に1分49秒の大差をつけて優勝した。
男子は42.195kmのフルマラソン距離を7人の選手でタスキリレーする。
北信越勢では優勝の佐久長聖の次が、34位の富山・富山商業 36位の石川・遊学館 37位が新潟・開志国際 39位が福井・鯖江と出場47校中すべてが30位台と振るわなかった。
今年の佐久長聖は出場7選手のうち、5000m13分30秒~50秒の選手を6人揃え、14分台の一人も一桁秒と出場校の中では抜群の選手層
アフリカ系の外国人留学生選手が13分30秒前後、日本人高校生は14分20秒以内なら早い方だから、このチームの強さがわかる。
結局平均した強さのまま走り抜いて大会新記録で勝ったが、唯一14分台の記録の5区佐々木哲選手が51年ぶりに区間新記録を出した、ここで一気に勝負をつけたのであった。
これまでの記録は1972年の小出高校(新潟)の浅利選手だったと聞いてびっくり! 浅利選手の区間記録もむなしく小出チームは44位だった。
最短区間3kmながら区間2位の選手に40秒の大差をつけての記録だった。
この23回大会での北信越勢は上伊那農(長野)38位、若狭(福井)40位、小出(新潟)44位、石川県工が45位、二上工(富山)が最終の46位と振るわなかった。
なおオープン参加で韓国の大聖高校が出場、全体の6位相当の記録で走った。
優勝は広島の世羅高校。
強豪校でも5000m13分台は2名くらい、そんな中で前年優勝の倉敷が13分前半の記録を持つ留学生サムエル・キバティ選手が3区で区間一位14人抜きでチームを3位まで押し上げた、佐久も3区で2位から1位に浮上した、倉敷は4区でも桑田選手が区間1位で全体2位に浮上して佐久に追った、しかし5区以降で区間1位、1位、2位と佐久長聖の3選手の快走で差が広がった。
優勝 佐久長聖(長野) 2位 倉敷(岡山) 3位 八千代松陰(千葉)
4位 須磨学園(兵庫) 5位 埼玉栄(埼玉) 6位 大牟田(福岡)
7位 洛南(京都) 8位 仙台育英(宮城) 以上入賞
佐久長聖の新記録タイムは2時間1分ジャスト、あと1秒早ければ、初の2時間0秒台が出るところだった。
マラソンの世界記録は今年10月のシカゴマラソンで出た。 ケニアのケルビン・キプタムの2時間0分35秒 日本記録は鈴木健吾の2時間4分56秒
今回の佐久の記録は日本記録を4分近く上回る、このメンバーの中から将来日本を背負う長距離ランナーが出るかもしれない。
女子は61校が参加、ハーフマラソン距離を5人のランナーが走る
過去10年の優勝校は
豊川(愛知)1回 大阪薫英女学院(大阪)2回 仙台育英(宮城)3回
世羅(広島)2回 神村学園(鹿児島)1回 長野東(長野)1回
今回35回記念大会優勝は鹿児島の強豪神村学園、2位は宮城の仙台育英だった
北信越は長野東(長野)が堂々の5位入賞、昨年は優勝だった。
新潟の新潟明訓が健闘して19位、福井の鯖江が39位、北信越代表で初出場した帝京長岡(新潟)が44位と大健闘、富山は初出場富山中部が55位
石川の遊学館が58位だった。
神村学園は3区は8位だったが4区小倉が区間3位で5人抜いて3位に浮上、絶対エースのアンカー、カリバ・カロライン(ケニア)につないだ。
一方首位の宮城・仙台育英は2区から4区まで安定した走りで1位をキープ、5区中継点で3位神村に1分20秒の差をつけていた。
しかしカロラインは2位に上がると、ひたひたとトップの仙台育英を追い上げる、そしてついにトラックまで勝負は決まらず、最後の直線50mほどの所でついに追いつき、追い抜いた
ゴールタイムは僅か1秒の差、仙台育英は悔しい2位となった。
ゴール前勝負1秒差で決着は中学駅伝男子と同じだった。
仙台のアンカーの橘山さんも区間6位の激走だったがカロラインの超人的走りにはかなわなかった。
わずか5kmの距離で日本選手のトップクラスよりも1分21秒も早く走られてはお手上げだ。
留学生問題と言うのが出てくるが、仙台も2区で留学生シェロップが区間1位で走っているから、1位、2位には問題がない。
留学生の恩恵で優勝とか、とかく言いがちだが、男子の優勝校、佐久長聖は7人全員が日本人ランナーだった。
駅伝は際立った選手が一人いても勝てない、チーム全員のレベルアップと仲間意識、メンタルの強さと瞬発力、日頃の猛練習がものをいう世界だ。
但し次回からは男女とも出場留学生 選手はチームで1名、全区間で一番短い距離(おそらく3km)にだけ起用できるというルールになることが決まった。
これは大学駅伝と同じルールだ。
女子の順位は、
優勝神村学園(鹿児島) 2位仙台育英(宮城) 3位立命館宇治(京都)
4位大阪薫英女学院(大阪) 5位長野東(長野) 6位須磨学園(兵庫)
7位筑紫女学園(福岡=北九州地区代表)8位青森山田(青森)
新潟明訓が健闘 1区橋本が7位 2区寺木も7位を守った 3区で10位に下がったが4区も10位をキープ しかし5区で力尽きて19位 それでも新潟県にとっては10位台は次への希望となった。