ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

わが身は泥の中、人の魂を頭上に乗せ美しい悟りの世界へ導く それが不動明王

2025-02-26 14:48:11 | 仏画曼荼羅アート

古くから息づいているモノやコトには必ずと言っていいほど伝説が付いている。その伝説は、モノやコトが創造されたときに、いまでいう取扱説明書のような役割のものだったのかもしれない。

わかりやすい喩えで言うなら、100年以上も続く老舗には、その店にしかないこだわりの言い伝えがあり、それが代々伝わり店の心柱になっている。

 

それと同じようなことだが、少々推測できそうもない歴史でものを言うなら、すごい話が尾ヒレとなってついている。そのひとつを紹介する。

 

先日、仏画曼荼羅アートの各教室で課題として提示していた「不動明王」にも計り知れない伝説というか、その伝説を創った存在理由のようなのがある。

全ての不動明王にあるとは限らないが、ほとんどの不動明王の頭上には「蓮華座」がのっている。いわゆる “蓮の花” である。通常よく見かける仏像は蓮華座の上に立っているか座っているのが一般的あるが、不動明王は足元に蓮の花があるのではなく、頭上にある。

 

その上に何か物が置けそうである。実は、この蓮の上に仏教に目覚めた人や人の魂をのせるようになっている。その人の代わりに不動明王は、地獄の地面を歩いてくれる仏さまという伝説をもつ仏像として役割を果たす。

 

古代インドでは、蓮は命の創造、豊穣、幸運、繁栄等の象徴とされ、インドの文献には蓮の花の上に立ち、蓮華の飾りをつけて誕生したとされる神様の事が記されている。蓮華台を根本的なシンボルとしている仏教では、仏教が誕生した際に、蓮華はお釈迦様の誕生とともに花が開いたといわれている。蓮華は泥等のある池でもしっかりと根を張り、きれいな花を咲かせるということが仏教の教示に近似することからも大切にされている。

 

蓮は泥の中で成長し、やがて水面から茎をだして美しい花を咲かせる。花の下は泥の中だから、頭上に蓮を頂く不動明王の姿は「泥の中は煩悩にまみれた現世で、わが身は泥の中にありながら衆生を美しい悟りの世界に導く、という強い誓願を示している」という意味のようだ。よごれた泥のような現世で苦悩する衆生のそばに現れ助けてくださる、そんな智慧と慈悲の仏さまだ、と。

 

ものの見事な伝説である。だれが創造し生み出したかはわからないが、悠久の歴史に伝え継がれてきた形ある存在のものとそれにまつわる伝説である。それを想像しながら描く不動明王は深く心にしみいり美しいと思えてくる。

 

 

 

 

 

頭上に人の魂をのせる蓮華座がある

 

 

 

文責/ 渡邉雄二

写真/ ネットフリー画像

参考文献/ ウィキペディア「不動明王」・その他不動明王と蓮華について

 

#不動明王  #伝説  #蓮華座  #蓮の花  #蓮華座は頭上  #人や魂をのせる  #地獄の地面を不動明王が歩く  #人を救い導く仏様


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新たな発見を喜び、描き続け... | トップ |   
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

仏画曼荼羅アート」カテゴリの最新記事