先日、婚礼儀礼品店の渋谷利兵衛商店を訪ねた際に、ご主人が屠蘇(とそ)飾りの梅を水引で作っていた。
これからは、新年の飾り物の製作が忙しくなる。その一つがこの加慶(掛け)蓬莱。
仰々しい飾り物よりもシンプルで美しい。清々しさを感じさせる飾りで人気が出ている。
赤、白、黄、緑と彩りも美しい寿ぎ飾りであるが、家内安全の護り飾りになる。
また、部屋のインテリアとして飾るのも華雅精彩を放つような気がする。
家庭画報に掲載されている加慶蓬莱は渋谷社長の作
緊急事態宣言が解除され、終息に向かい新しい年を迎えることができれば言うことはない。
個々で感染対策をしながら徐々に平常の生活習慣や活動ができるようになることを心より期待している。
加慶蓬莱は床の間や床柱に飾るモノ。ヒカゲカズラを蓬莱山に見たて松竹梅を紙と水引細工で作り、
ヒカゲカズラの前に稲穂を垂らした飾り。稲穂もカズラも逆さに吊るすのは天から授けられたものであるいう理由から。
ヒカゲカズラの代わりに水引を垂らしコンパクトにまとめたお飾りもまた可愛らしい。
飾り方は床柱に加慶蓬莱を掛け、床の間は正月にお迎えする歳神の神聖な処なので
右手に三方にのせた和合蝶の折型をつけた屠蘇(とそ)銚子を置き、左手に熨斗(のし)俵、そして中央に扇か軸を掛ける。
渋谷利兵衛商店に飾られている加慶蓬莱と屠蘇飾り
伝統を受け継ぎながら現代の生活や空間にあうディスプレーの一つとして「加慶蓬莱」は注目を集め始めている。
その加慶蓬莱の製作するワークショップを計画している。詳しいことが決まればお知らせらせさせていただく。
リポート&写真/ 渡邉雄二 雑誌写真は家庭画報より複写 場所/ 渋谷利兵衛商店