先日、ネットニュースで、「おかずのクッキング」の番組の終了の記事が出ていた。
48年続いたテレビ朝日の超長寿番組が幕を下ろした。ご存じ、料理研究家であり料理プロデューサーの土井善晴氏がメインを務め家庭料理として人気を博してきた。
ド氏善晴氏とテレ朝日・堂アナ
その人気料理番組も時代の波には勝てなかったようだ。TVや雑誌で紹介される料理は、ご存じ、いかに簡単に美味しく作れる時短料理やレトルト商品などを使った便利な料理が主流である。その潮流のなかで、むかしのスタイルの「おふくろの味」を前面に出したものでは太刀打ちできなくなっていた。おふくろの味的な家庭料理がいまの一般家庭の生活様式スタイルについていけなくなったということなのだろう。
この「おかずのクッキング」は1974年放送開始で、NHKの「きょうの料理」(57年開始)に追随しようと始まった。TVでの料理番組では「きょうの料理」に並ぶ草分け的な存在だった。
その「おかずのクッキング」の番組の土台を築いたのは、土井善晴氏の父親である、当時、NHKの「きょうの料理」を担当していた故土井勝氏である。NHKでは出せない民放ならではの5分間料理番組をということで土井勝氏を起用しスタートした。当初は「土井勝テレビお料理教室」として放送開始。家庭料理といえば “土井勝” といわれるほどの知名度で、いまでも50代以上の主婦の方なら記憶にあると思う。
80年代の土井勝料理学校の盛況ぶり
スタート当時は平日の夕方5分間の番組で土井氏の関西弁の語り口に魅力あふれる家庭料理のレシピで人気に。主婦層を中心に手軽に作れる家庭料理を数多く紹介し「おふくろの味」を流行語にもした。93年からは土井氏の次男・善晴氏が番組を引き継ぎ、新たな牙城を築き続けられてきたが致し方ない。
どの時代においても目まぐるしく変わっていくのは世のつね。それに対応できる力をもち発信していくには知恵と工夫が欠かせない。
まずは、日本の家庭料理に息づいている「おふくろの味」を忘れてはなるまい。それを受け継ぎながら新しい時代の調味料である “工夫” が施され息の長いモノが生まれてくる。その次世代に期待がふくらむ。
リポー/ 渡邉雄二 写真/ ネット画像を転載
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