六代目の畳屋さん、五代目の三弦店、三代目の自転車屋さん。町家で営むお店である。
畳は古くからあるのは何となくわかる。平安時代には貴族たちは畳の上に座る習慣があったという。三味線は、歌麿の美人画の中にもよく描かれ、江戸時代から和楽器の一つとして重宝されていた。自転車は明治の後半から昭和にかけて見かけるようになったと記されていた。
店を代々継承してきた長さがそれぞれの業種の歴史の長さとたまたまであるが符合している。京都を歩いていて気になるお店があれば、お客でもないのにノコノコと入り込んで話すのが好きである。仕事中にもかかわらず迷惑千万と思われるだろうが気さくに立ち話に応じてくださるところが多いので有難い。今回の3店も、そうである。
3店舗ともに親子で営む小さな(?) 老舗のお店だが、それぞれに力強い家族の絆のようなものを肌で感じた。親父の背中が大きかったのか、息子の京都イノベーション愛が強かったのか、家業は継いでいくものだという雰囲気が現れていた。京都の良き伝統や風習が身についているのかもしれない。
文・写真/ 渡邉雄二
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