久しぶりの金閣寺。前回参拝したのが記憶にないほど時間が経ちすぎている。
京都観光では欠かせない名所である。外装にあれだけの金箔のみが施されている寺院は世界でも類をみないだろう。だからと言って派手やかなものでなく、庭園の松などの樹木や池にも映える日本独特の禅寺の静寂美が醸し出されている。それを一目見ようと国内外からも多くの観光客が訪れる。
黄金に包まれる建物は、お釈迦様の骨や遺灰が祀られている「舎利殿」である。従って「舎利殿 金閣」という。三層のうち最上層にお釈迦様の遺骨の一部が納められているということのようだ。一層目は寝殿造り、二層目は武家造り、そして三層目が禅宗仏殿造りとなっている。その三層の屋根には聖なる天使の使いとされる「鳳凰」が飾られている。現在の鳳凰は三代目のようであるが、永遠の命と権力の象徴として凛凛と輝きを放っている。
阿弥陀如来と25の仏様が天上から雲に乗って迎えにくる仏画はよく見かける。阿弥陀様が連れていってくださる世界がきっとこの舎利殿金閣、そして鏡湖池のような場所なのかもしれない。この金閣寺が、美しい極楽浄土として創り出されたのに違いない。眺めているとそう思えてくるから不思議だ。
文・写真/ 渡邉雄二
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