前回の記事で投げかけたクイズの答えは「油滴天目茶碗」である。茶碗をのぞき込むと宇宙空間を思わせる斑紋が茶碗の中心に向かって流れているように見える。口の部分に保護と装飾を兼ねる金属製の「金覆輪」が付いている。表・内側ともに「油滴」と呼ばれる細かい滴模様が全面に入っており、これは釉薬の中の鉄分が結晶したものである。
油滴天目で国宝に指定されているのはこの1碗のみで、茶碗3碗と鉢1点が重要文化財に指定されている。この油滴天目は豊臣秀吉、西本願寺、三井家、若狭酒井家に伝わり、近代では総合商社の一角だった安宅産業の所有となっていたが、破綻によって住友グループが大阪市に寄付し、当時コレクションを展示・収容するために東洋陶磁美術館が開設された。(資料参照)
今回のコレクションでは、この油滴天目だけを楽しめる空間があった。ケースに入った茶碗を四方から写真におさめた。方向ごとで照明の当たり具合で色が違って見えるが、筆者の腕ではこれが限度である。
それでも、滴模様が宇宙の星のよう。茶碗のなかが想像を絶する銀河の世界に見えてくる。
文・写真/ 渡邉雄二
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