お大師さんの大山門をくぐり、大本堂の正面向い左側に新しい小さなお堂が目に留まった。「経蔵」と書かれていた。いわゆる仏教の経典を納める経庫のことである。この経蔵は4年前に建立されたことで、文字通り大本山として七堂伽藍が整った寺院となった。
興味をそそられ経蔵の中に入ってみると、窓で仕切られている棚に、仏陀が説いた仏教聖典「乾隆版大蔵経」全7240冊が収蔵されているという。
見上げると天井の中央には丹青画「双龍」が画かれていた。丹青画というのは、「赤・青」を基調とする絵画で、双龍のうち青龍は王を、赤龍は王妃を表しているという。また、万物生成の根源である太極の陰陽を表し、宇宙の力を象徴している、と説明を受けた。
天井中央の双龍を囲む四面には、「飛天」が画かれている。飛天は空を舞い、音楽を奏で、花を撒き、香を薫じて仏をたたえる天人で女性的な姿であらわされ、天女とも呼ばれている。
仏画を楽しむ者にとってみれば、この天女の美しさは天も、己の心を晴れにしてくれる。
七堂伽藍が整い、広い境内には仏の世界が広がり、非日常の空間として多くの人の拠り所になり、親しまれているのが伝わってきた。
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