遠き日を友と分ちて花の宴 鼓夢
なたね梅雨昼間の湯船三国志
晩年や眩しきばかり濃山吹 正太
藁もえて目刺ら連を解かれけり
うしろ手に花吹雪浴ぶ男なり 薪
摘み草の灰汁の指もて嬰をあやす
ゆるやかに雲流れゆく花筵 豊春
名物の黒コンニャクと花見酒
踏まないで忘れな草を踏まないで 遊石
ひらりひら花散る下に君ありし
今なおに会いたき人や糸桜 稱子
風のまま流るるままに花筏
咲き満つる花の重みに触れてみる 章子
斎場に座して花冷足裏より
突風や真逆さまに鯉のぼり 歩智
白牡丹はらはらはらと崩れけり
蓮や宇宙の果ての仏の手 炎火
エプリルフール富士山頂を残し海
竹林の微かなそよぎ春惜しむ 洋子
透き通るサヨリのつくりほの甘き
目黒川上り下りの花見かな 空白
花筏眺める人は数珠つなぎ
お花見や酔えば今年も死にたがる 雲水
ギター抱きおぼろ月夜を帰りけり