(はつがつお さばくおやじの くちまがる)
初夏と言えば、やはり初鰹。しかし、季節感が薄れているのは否めない。大型船上における急速冷凍の技術によって、品質の変わらない刺身が1年中出回っているからである。
レイチェル・カーソンが「沈黙の春・Silent Spring」を発表して50年、有吉佐和子がそれの日本版とも言える「複合汚染」を発表して37年。あの当時から比べると、公害などは多少良くなったが、農薬などの大量の化学物質が世界規模で海洋に流入し、蓄積され続けていることは今も変わらない。
食物連鎖によって私達の口に入る鰹もどこまで安全であろうか。この句の「曲ったおやじの口」は、鰹の顔と重なり、水銀や公害によって曲ってしまった口とも想像され、不気味である。
勿論、この句のおやじの口は、単に一生懸命にやっているからなのだろうが・・・・
シラン(紫蘭) ラン科シラン属の宿根草