一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

583  スーちゃんが逝った夜の卯の花腐し  豊春

2012年05月13日 | 

(スーちゃんが いったよの うのはなくだし) 

  卯の花には、5月に咲くマルバウツギと6月に咲く本家のウツギがある。歌の「夏は来ぬ」の卯の花は、たぶんマルバウツギやヒメウツギのことだろう。そして、今頃降る長雨を「卯の花腐し」という。「花の雨」と「五月雨(梅雨)」の間の雨のことで、「走り梅雨」と同時期である。

 飲屋なんかでは、例えば鈴木さんを「すーさん」などと頭文字で呼ぶ。「スーちゃん」はそれよりもっと砕けているから、もっと親しみのある女性だったのではないか。いづれにしても、俳句にまで取り上げるのだから、人気者の好人物かつ美人だったに違いない。

 そのスーちゃんが逝ったのだから、悲しみの涙の雨「卯の花腐し」がもっともふさわしい。

ハナイカダ(花筏) ミズキ科の落葉低木。別名、ヨメノナミダ(嫁 の涙)

コメント
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