(こうすいがきて とうぼうを むせかえす)
香水を全く知らない門外漢の私が、名前だけでも「シャネルの5番」だけは知っているのだから、この香水は相当の人気だったに違いない。勿論この句の香水がどうかなど、私にはさっぱり分からない。
この女性、強い近視だったらしく、やたらと接近してくるので、後ずさりした記憶がある。更に香水が強かったので、なにげなくではあるが部屋の窓を開けたほどだった。
しかしよく考えてみると、最近の私の回りには香水の強い女性がいない。香水は嫌いだから有難いことではあるが、淋しい気もする。つまり、この句の女性は、この一句を提供してもらったのだし、今思うと実に希少な存在だったのである。
ところで、今の日本人は、不快な香りに異常に敏感だ。無臭スプレー、口臭を消す洗口液、消臭剤、芳香剤などなど。これらに熱を上げる日本人が上等とは、決して言えないだろう。
ローズマリー(シソ科マンネンロウ属の常緑低木)