一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

762  みづうみを眠らせておく白障子   和子

2012年11月13日 | 

 みづうみ(湖)が眠っているというが、夜ではなく昼間だろう。夏には賑わっていたかもしれない湖も、冬の今時分は人っ子一人いない。

 そんな静けさの湖に向かう障子を閉めておくのは、実に勿体ないような気がするが、何か期することがあるのだろう。単に見飽きただけかもしれないが、この句内省的である。

 竪穴式住居から始まった住宅は、熊や猪、毒蛇や蚊や蠅などから身を守るのが第一だったろう。堅牢な住宅によって安全を、何と言っても安眠を獲得したが、それによって人間は、動物的能力、例えば聴力を著しく低下させた。

 その点、障子は自然界と柔らかく繋がっている。

コメント (3)
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