芸術の秋と言うことで、「ショーシャンクの空に」は、私の大好きな映画のひとつです。原作は、スティーヴン・キングの『刑務所のリタ・ヘイワース』で、「Different Seasons」という短編集の中のひとつです。
日本語版では文庫でたった170ページ足らずの内容ですが、映画では2時間以上の大作になっています。色んなエピソードで脚色して映画を面白くする、脚本家というのは凄いです。ちなみにこの短編集には、「スタンド・バイ・ミー」も含まれています。
「ショーシャンクの空に」のストーリーは以下の通りです。
「妻とその愛人殺しの容疑で終身刑の判決を受けた銀行マンのアンディ。無実の罪ながら投獄されるが、決して希望を捨てず、自由を得られる明日を信じ続ける。一方、古株の囚人レッドはそんなアンディに、「刑務所で希望をもつのは禁物」だと忠告する。アンディとレッドの友情を中心に、ショーシャンク刑務所で生きる男たちのさまざまな人間模様を描いていく。
人生の不条理や悲しみを問いかけながらも、たどり着くラストシーンは見る者の胸をさわやかに、だが強く打つ。」というものです。(Amason.comのDVD案内より)
私自身、冒頭の妻の不倫場面と、ポスターの「リタ・ヘイワース」「ラクエル・ウェルチ」以外にほとんど女性が出てこない、硬派(死語ですか)なところが気に入っているのですが、しかし、このストーリーをどこかで読んだような覚えがあります。高校時代に夏休みの宿題の読書感想文を書くために読んだアレクサンドル・デュマの「モンテクリスト伯」に似ているように思うのです。時代背景も作者のアプローチの仕方も違うけれど、無実の罪の主人公、脱獄・復讐は同じテーマです。まあ似たようなストーリーの映画はいくつもあって、おそらくどれも「モンテクリスト伯」の影響を受けているのではないかという気がします。
高校生の頃、読書感想文の宿題で選んだ1800ページの「モンテクリスト伯」を読むのに3日3晩もかかってしまい、読み終えた頃にはへとへとになり、原稿用紙5枚に粗筋だけ書いて感想文を終わりにしてしまいました。感想文を書くなら短編に限ります。今なら「ショーシャンクの空に」のビデオを見て、『刑務所のリタ・ヘイワース』の感想文を書けば半日で終わりです。
読まなくても映画を見て読書感想文が書ける良い時代です。