キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本「シベリア追跡」 

2013年02月06日 | Book

大黒屋光太夫のロシア漂流を追う、シベリア横断の旅。
大黒屋光太夫のロシア漂流は、井上靖の「おろしや国粋夢譚」で読んだことがあります。三重から漂流し千島まで流されてロシア人に助けられ、帰国の許可を求めてシベリアを横断してサンクトペテルブルグの女王に会いに行きます。結局帰国が許されて北海道に送り届けられますが、日本では幽囚の身となって余生を送る実話です。
この本は、20世紀に生きる著者がその経路を追った旅行記です。大黒屋光太夫の記録には無い、生のシベリアの姿が伝えられてとても面白い。20世紀であっても、シベリアの厳しさは昔と変わらないのかもしれない。夏場の蚊の来襲に悩まされ続ける一行の記述がシベリアの過酷さを感じさせる。シベリアを行くなら、やっぱり蚊に襲われないシベリア鉄道でしょうか。"蚊酷な"旅は勘弁です。ちなみに一行には、ロシア語翻訳家でエッセイストだった若い頃の故米原万里さんも参加していたようです。


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