キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本「東京スタジアムがあった」

2021年04月01日 | Book
今日は春の高校野球の決勝戦。久し振りに九州のチーム・大分の明豊高校が決勝戦に
進んだので応援していましたが、残念ながら負けてしまいました。
夏は是非リベンジして欲しいと思います。
ということで、今日の本は野球に関するノンフィクションです。

「東京スタジアムがあった」
かつて東京の南千住にあった東京スタジアムと、大毎オリオンズオーナーの永田雅一を
描いたノンフィクション。
大映の社長で名物オーナーだった永田雅一は、自身の夢であるスタジアム建設に乗り出す。
突貫工事で完成させてスタジアムは、大リーグの球場を手本とした日本では異色の野球場
だった。開設当初は多くの観客を集めたが、チーム成績の低迷と共に徐々に閑散とした
球場に変わる。そんな中でも永田オーナーはチームへの情熱を失わず、10年後にリーグ優勝
を果たすが、映画産業の没落と共に負債が嵩み、スタジアムの解体に追い込まれてしまう。
東京スタジアムの建設から解体までの期間における大毎オリオンズの選手達の動向、
永田オーナーの人物像を丹念に追っていて大変面白く読めた。
子供の頃の東京スタジアムの記憶と言えば、「巨人の星」のアニメにこのスタジアムが
登場していたこと、この球場が解体されたというニュースを聞いて、プロ野球の球場が
無くなることがあるのかと驚いたことだ。今で言えば、東京ドームに客が来ないから
更地にするというようなものだろう。それほどショッキングだったのを覚えている。
現代の日本において、個人で球場を作ってしまったり、自分のチームの選手を息子の
ように可愛がるオーナーがいるとは思えないけれど、この永田オーナーは自分のチームに
対する愛情と家族意識が人一倍強かったのだろう。大毎オリオンズはその後、ロッテに
買収され、千葉ロッテマリーンズになっている。
マリーンズファンは、この本を一読すると、よりチームへの愛着が湧くと思う。
ちなみに自分は、太平洋クラブライオンズのファンだった。初めて見たプロ野球の試合が
「太平洋クラブライオンズ対日拓ホームフライヤーズ」(若い人は知らないと思うが)。
太平洋もユニークで面白いチームだった。誰か本を書いてくれないかな。

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