整理整頓の効用について、否定的立場から考察した本。
一般論として、整理整頓すれば仕事の効率が上がり、新しい発想が生まれると言うけれど、著者はそういう意見には否定的。整理が必要なのは精神的な効果を求めるからであり、作業効率とはあまり関係ないらしい。何のための整理なのかを自問することが大切。整理することが目的になると、時間の無駄になりかねないと言う。著者の経験をもとに(理系の作家らしく)論理的に考察されており、共感する部分も多かった。物の整理より人間関係や気持ちの整理の方が重要かもしれない。 整理は他人を意識せず、自分が満足するやり方で良い。 自己満足でいいというのが著者の考え方だ。
因みに整理整頓と言えば、入社した時に先輩から「机の引出しの整理ができない奴は、仕事もできない」と言われた事がある。私への忠告のつもりだったのかもしれないが、しかしその後、その先輩が毎日、終業の30分前からせっせと引出しの整理をしていたのを、私は知っている。そういう事を言ってしまうと、自分が大変な事になる。思っていても言ってはいけない事もある。(^^;)