Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

ダリアの花

2017-02-05 20:41:56 | 日記

 面白いお話になるでしょうか。ダイアの花です。

そう、ダリアの花は、よく夏に花壇に咲いているお花です。この花が好きな人も多いですね。

さて、この物語の主人公、蛍さんはどうでしょうか?

 8月、菩提寺に、蛍さん一家は何時もの様にお盆の墓参りにやって来ました。

蝉がじわじわ鳴いています。お寺の近くの小川には緑色の藻が揺らめいて、

そっと覗くと小さな魚や昆虫などの生物がいそうです。

周りの田んぼにも、アマガエルやその他何かしらの生き物が生息しています。

 蛍さんの家の大人は、墓参りが済むと座敷で住職さんと話を始めました。

退屈した蛍さんはお寺の外に出て、小川にやって来ると涼しそうな水の中を覗き始めました。

『オタマジャクシがいるかしら?メダカかがいるかもしれない。』

そんな事を思いながら、藻の中に隠れているらしい生き物の姿を探ります。

ドンと足を踏み鳴らして、何かしらの影が藻や水を揺らすのを待つのです。

案の定、すいっと藻の中に動いた影がありました。

 蛍さんはその辺に落ちていた木の枝を拾って、その先で影が隠れた辺りの藻をそっと揺らしてみます。

1匹の虫らしい影が藻から出てきました。

はっきりとその生き物の姿が見えると、蛍さんは不思議そうにその虫らしい姿を観察してみるのでした。

 『何という虫かしら?』

それが虫だという事が分かっても、蛍さんにはその虫の名前が分かりません。

だって、蛍さんはまだほんの子供なのですから、オタマジャクシやメダカという生き物の名前は分かっても、

この虫の名前までは知らなかったのです。

 「それはタガメという虫だよ。」

蛍さんの後ろで声がしました。男の子の声でした。

はっきりとした、どっしりとした、男の子らしい声でした。