Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

ダリアの花、12

2017-02-10 23:06:10 | 日記

 褒めたのにお前が泣き出したから、きっとあの子はびっくりしていると思うがなぁ。

そうかしら?

お祖父さんはそうだと思うよ。

お祖父様にそう言われて、光君は何となく小川での蛍さんの様子が理解できたのでした。

 だからあの時びっくりしていたのか。

自分が泣き出した時、どうだいと言う意地悪な顔をすると思っていたのに、あの子はひどく驚いていたっけ。

「そうだね、あの子は意地悪で言ったんじゃ無いと僕も思うよ。」

「 僕か…、」光君の祖父は何だかこそばゆい気がして孫に言います。

別に俺でもいいと思うがなぁ、お前のお母さんは何をあの子に張り合っているんだろう。

あの子にしても、お前が俺と言っても驚いたりガラが悪いとは思わないだろう。反対に僕と言ったらお堅いと思われるぞ。

え、そうなの?

そうさ、この辺の子で僕なんて言う子に今まで出会ったことがあるかい?もちろん男の子でだけど。

それはないけど。光君は答えます。

 ほらな、この辺では普通男の子は自分の事を言う時は俺を使うよ。お前もそうしなさい。

お祖父様の言葉に、光君は気持ちがぱあっと明るくなりました。

今まで押さえつけられていた頭が、重しが取れてグーッと軽くなり浮き上がった気がしました。

 「うん、分かった。俺もそうする。」

ああ、ただしお前のお母さんが家にいない時にだよ。

「そうだね、オッケー、そうするよ。」

決まりだね、祖父と孫はにこやかに握手するのでした。


ダリアの花、11

2017-02-10 12:15:24 | 日記

 ねえ、あのお父さんも僕の事を太っていると言ったんじゃないかな。

光君はお祖父様に言います。うーんとお祖父様はうなりましたが、光君の言葉に特に肯定はしませんでした。

 「お前、桃太郎の本は読んだのか?」

お祖父様の言葉に光君は顔を背けてうんと言います。

お前こそ嘘をついていないかい?

お祖父様の言葉に、光君はいゃ、と言って目を逸らします。

向こうのお父さんの言葉じゃないが、嘘はいけないぞ。

違う、嘘じゃない。

あの子の真似して言って、本当は嘘なんだろう?お前はふざけてそう言っているが、

あの子は嘘を言っていないぞ。

お前はどうなんだい、正直に言ってごらん、お祖父さんとは男同士だろう。

私はお母さんとは違って、お前の事がよく分かるよ。

 お祖父様にこう言われて、漸く光君は恐る恐るですが、本当の事を言います。

「本当は絵だけしか見てないんだ。」

やっぱりな。お話も読んでごらん、いいお話だよ。お祖父様が言います。

昔の男の子は皆、金太郎や桃太郎になりたかったものだ。

あの子は多分お前の事を褒めてくれたんじゃないかなぁ。

本当、褒めてくれたの?

光君はお祖父様の取り成しで、むくれたご機嫌が直って来ました。

そう思うよ。

お前の話からすると、あの子に知らない虫の名前を教えた後に、

あの子はお前のことを桃太郎や金太郎みたいだと言ったんだろう。

お前の事を偉いと思って桃太郎や金太郎と言ったんだ。どちらも優れた人物だからね。

お前のことを物知りの偉い子だと思ったんだよ。

そうなのかな。光君はお爺様の言葉に何だか嬉しくなりました。


暖かいので気に入っています

2017-02-10 11:59:48 | 日記

 羊毛布団が気に入っています。

結婚した時に、親に新しく買って貰ったのが羊毛布団でした。

それまでは昔ながらの綿布団でした。結婚したのは初夏の頃、

ふわふわで、豪華、寝るとボコンと沈んでしまい、頭の方が下がってしまう羊毛布団は、可なり寝苦しかったものです。

暑い時期には畳に転がってしまうくらい、その夏は寝苦しかったので、

羊毛布団を選んだのは間違いだったと後悔したものです。

半年して冬になると、布団もある程度熟されて硬くなり、羊毛本来の暖かさがありがたくなる時期に入りました。

こうなると暖かい布団の効果抜群です。寒い夜にこのお布団に入るありがたさ、泣きたいくらいに嬉しかったものです。

綿布団との格段の違いに、一遍でフアンになりました。

以降、長年羊毛布団を愛用しています。

アレルギーがあるので、慣れている羊毛布団から羽毛布団に変える気は全くありません。