Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

大切な物の破損

2017-03-29 20:13:24 | 日記

 子供が習い物をしていた楽器のケースに、やはり習い物で獲得したバッジが付けてありました。

楽器は結構高い物だっただけに、手元に置いて車で運ぶことにしましたが、気が付いた時にはもう引っ越し荷物と共にトラックの中でした。

それで、後から取り出してもらったのですが、かなり下にあったそうで、ケースを引っ張り出す時にバッジが1個取れてしまいました。

そのとれたバッジが、全国試験の上級ランクの物だったので、子供にすると結構努力して大変な中とったものだったそうです。

「あれとるの大変だったんだよ。」

と、その時子供は恨めしそうでした。

賞状とバッジが来たのは私も知っていましたが、まだ上の級があったので、もう一つ上の級をとればまたバッジが来るじゃないのと言うと、

子供の方は相当怒ったようで、もう取らないと言っていました。

 本当にそれで習い物も辞めてしまい、結局バッジはそのまま無いままになってしまいました。

可哀そうな事をしたなぁと、大人にするとほんの一寸した事なのですが、子供にすると大きな言だったのだなぁと今でも反省してしまいます。

でも、上のランクがあるのだから、頑張ってもう1つ上り詰めて欲しかったなと思うのは、やはり親の身勝手でしょうか?

 


ダリアの花、108

2017-03-29 20:01:42 | 日記

 鴨居にずらっと燭台が並んでいます。欠けている場所はありません。畳の上にも燭台は落ちてなどいないのでした。

誰かが掛け直したと思えない事も無いけれど…、そう祖父が思って燭台を眺めていると、

本堂の向こうの入り口から蛍さんが入ってきました。

何だか伏し目がちでしょんぼりした感じです。気の進まなそうな感じで廊下を少し進むと、向こうの方の畳の縁に腰を下ろしました。

こちらを見ながら光君が来るのを待っているような雰囲気です。

 「ねえ祖父ちゃん、あの子俺を待ってるのかな。」

お母さんかお祖母ちゃんがちゃんと向こうに言っといてくれたのかしら。

そう光君は祖父に問いかけながら、今にも蛍さんの所迄駆け出して行きそうな雰囲気です。

 「まあ、そう慌てずに、ちょっと待っていなさい。向こうにも誰か大人の人が付いてくれるだろうから、

あの子の付き添いに誰か出て来てから行くことにしよう。」

祖父がそう言って光君を留めている内に、向こうの入り口に蛍さんの父が現れました。

そうか、向こうさんはお父さんが付き添いなんだなと、光君の祖父は了解し、

では男の私が孫の側で付き添っていて良いなと判断しました。そして光君を促すと2人で蛍さん達の所迄歩き出しました。

 付き添いの大人同士お互いに会釈して、よろしくお願いします等にこやかに挨拶し合います。

光君はにこにこしてやぁと蛍さんに話しかけます。蛍さんは相変わらず困ったような顔をして入ますが、こんにちはと言います。

蛍さんの父が宜しくねと言うんだよと彼女に注意すると、蛍さんは不承不承ながらもよろしくねと言うのでした。

 「僕の名前は光、光でいいよ。」

「私の名前は蛍、皆はホーちゃんとかほっちゃんとか言う。」

そんな自分の呼び名をお互いに知らせ合いながら、お互いに何だか名前を呼びあう事が出来ない2人なのでした。

 まず、光君にはちゃん付けが出来ないのでした。蛍さんの方はというと、呼び捨てが出来ないのでした。

彼女が光君と呼んでいいかと聞いてみると、彼の方は苗字ならいいけど、名前の方を君呼びする子がいないから、

変な感じがすると言います。蛍さんに光君と言われて、物慣れなくてそわそわしてしまいます。

彼は呼び捨てで光がよいと、彼女にはっきり意思表示しました。

 それは全然言えないことだと蛍さんは内心思いながら、渋々表面は頷いてだけみる蛍さんでした。

では、私はちゃん付けでと希望する蛍さんに対して、蛍でいいよねと光君が苦しい笑顔で強引に言うと、

これは何だかちっとも嬉しくない蛍さんなのでした。首を絶対に縦には振りません。

彼女にするとはここは譲れないと言う強硬な姿勢です。

 早くも不協和音を奏でる2人に、何となく子供達の相性の悪さを感じ取る付き添いの大人達2人でした。

 

 


ダリアの花、107

2017-03-29 19:23:56 | 日記

 「やあ、光。具合はもういいのかい?」

祖父が怪我の具合を尋ねると、光君は不思議そうに何の具合かと聞き返してきました。

「怪我だよ、お前の、大したことは無かったのかい。」

その調子ならあまり酷い事も無かったのだなと祖父は思います。光君は面白そうに目を輝かせると、

「祖父ちゃん、何か間違えてるだろう。俺怪我なんかしてないよ。」

と、祖父の言う事が全く的外れで、自分の事ではない話だろうと、さっぱり分からない様子です。

 おや、っと祖父は思いました。もしかしたら光は頭の打ち所が悪くて、一時的に記憶喪失にでもなったんだろうか。

そんなことを思って、光君の様子をしげしげと眺めてみます。何時もと変わらずに機嫌よくにこやかで元気そうです。

「ちょっとこっちに来てご覧。」

祖父は光君を傍に呼んで、さっき見たたん瘤の具合を調べてみます。そっと手で頭に触れてみます。

ここにたん瘤があったんだがなぁと、髪の毛を静かに分けてみて、地肌など眼で眺めてみます。

たん瘤があった場所も、その周りも、光君の頭の何処にも異常は見られないのでした。

 『はて、さて、奇妙な事があるものだ。』

光君の祖父は何が如何なったのか、自分の方が夢でも見ていたのだろうかと、一瞬誰かに頬を抓って貰いたくなりました。

 ちょっと光に訊いてみよう。そう思った祖父は、

「なぁ光、さっきあの女の子、蛍ちゃんだったなぁ、と、一戦やらかしたよな。」

と言ってみます。

「誰が、俺が?蛍ちゃんと、って、女の子と、一戦っていう事は喧嘩したっていう事、まさか。」

女の子と喧嘩なんかした事無いよ。しかも好きな女の子と如何して俺が喧嘩するのさ。変な事ばかり言うなよ、じっちゃんってば。

そう言って光君は、お祖父ちゃん如何したんだと言わんばかりに目を見開いて、驚いた顔をして祖父を見上げるのでした。

 『あら、これは一体全体如何なっているんだろう。』

祖父は内心酷く狼狽しました。しかし、表面は平静を装うと、

「ああ、これは、お祖父ちゃんが勘違いしていたようだ。ごめんごめん。」

そう言って笑って光君に謝ると、光君の様子を観察しながら、本堂の様子もそれとなく眺めてみます。

 

 

 


ダリアの花、106

2017-03-29 10:55:09 | 日記

 昼か、と彼は思います。

腕時計を見ると12時を少し回ったところです。道理で墓所も人がいなくなるわけだと、墓所の塀の向こう、

緑が続く田に目をやると、若い緑の穂の粒が垂れ始めた稲に、降り注ぐ太陽の加減もそんな物だと思います。

 『今日の昼は素麺にするかな。』

そう思って、本堂の奥に見えた娘の顔におーいと呼びかけます。

呼ばれてやってきた娘に、母さんに昼は素麺にしようと言ってくれないかと頼みます。

「素麺、お父さんそうめんを食べられるようになったの?」

娘が驚いて聞き返したのも道理でした。父は兄が死んでから素麺を食べられずに来ていました。

素麺は兄の大好物だったのです。

 夏は素麺、素麺があれば何もいらないと言うくらいに、兄は大の素麺好きでした。

父は素麺を食べると兄の事を思い出す、自分でも周りでも、夫であり、父であり、は、

兄を思い出すのが嫌で素麺を食べられないのだ、家族が皆そう感付いて黙って素麺を勧めずに来た歳月でした。

「急に食べたくなったんだよ。」

照れ臭そうに笑って父は娘に言います。

ならいいけど、本とにそれでいいのね。娘は念を押すと、今日の父さんは如何なっているのやらと、何だか不思議、

狐に鼻を撮ままれたみたいと半信半疑、釈然としないまま母に父の伝言を伝えます。 

 娘の疑問は母にも同じ事でした。やはり自分でも夫に確認しようと本堂の端の窓辺までやって来ました。

そこにいた夫に娘から聞きましたけどと、本当にあなたも素麺を食べるんですかと尋ねます。

食べる人数によって茹でる量が違いますからねと、夫に言うと、夫もああ、今日は私も食べるよ。と答えます。

へ―ッと、感嘆して驚く妻に、なぁに?私が素麺を食べるとそんなに変かしら、私だって素麺は好物なんだよ。

いなくなったあの子と同じでね。そう言って彼は静かに微笑むのでした。

 妻はやや黙って夫の傍で夫の様子を窺っていましたが、夫の様子がそう変では無いと判断すると、

じゃあと、娘と先に家に帰って昼を用意しておきますね。

そう言って夫の傍を離れ、娘を誘って帰り支度に掛かりました。

 光君はもう1度蛍さんと話をしてから帰ると言うので、母は祖父にそう言って、祖父と一緒にいるようにと指示します。

光君は祖母と母を見送ると、すぐに本堂の祖父の下へと向かうのでした。

 「祖父ちゃん。」

にこやかに元気な姿で光君は祖父の傍にやって来ました。

 


ソフトクリーム

2017-03-29 10:44:11 | 日記

 以前食べたセブンイレブンのソフトクリームが美味しかったです。

アイスクリーム専用の冷凍ボックスに入って売られていました。名前は忘れてしまいましたが、ミルクアイスの名がついていたように思います。

スペシャルとかプレミアムとか、北海道ミルク等付いていました、ようは既製品のソフトクリームです。

コーンに入った物です。透明なキャップが被せられていました。

 その時はラーメンを食べた後で、冷やっこいものが食べたくなって近くのコンビニで買いました。

それが、とても美味しくて後日リピートしました。その時にも美味しいと思いました。

次の年に買って食べた時にはそう美味しいと思わなくなりましたが、あれは美味しかったですね。