Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

ダリアの花、119

2017-04-05 14:00:43 | 日記

 思い立ったが吉日と、若奥様は蛍さんに、ここでちょっと待っていてねと言い置くと、

急いで姑達が話している場所へと走って行きました。

 その少し前、蛍さんの父は相変わらずあんな子は知らぬ存ぜぬと、蛍というのは親戚にいるが、

嫁いだ妹の子で、あの子とは年も違うし顔も違うとうんざりした顔付きをして、お寺の大奥様とあれこれ話しをしていました。

「大体どうして僕が隠し子なんか作っていると思ったんですか、」

お寺さんとは長い付き合いなのに、奥様も酷いなぁと、さも心外だと言わんばかりの物言いと態度でいました。

 これには大奥様も思惑が外れ、悪かったわねぇと謝るしかありません。

「あの本堂にいる女の子が悪いんだよ、蛍だって言って、あなたの事を父親だというものだから、こっちもすっかり騙されてしまってね。」

そう大奥様は言うと、蛍さんの父に照れ笑いなどして、ごめんなさいねと再び謝罪の言葉を述べるのでした。

「分かってもらえればいいんです。」

そう言いながら蛍さんの父は、本堂の奥の方に見える蛍さんの顔を迷惑そうに見やるのでした。

 その後彼は大奥様の取りなしに機嫌を直して、にこやかに2人で話しをしている所へ、

若奥様が血相を変えてころがり込んで来たのでした。

 「お父さんは何処行かれたんでっしやろ、お父さんに1回戻って来てもろた方がようおす。

皆で相談した方がよろしい思います。」

若奥様の緊迫した声と様子に、2人は何だかとんでもない事が起きたのだと感じるのでした。

 お前如何したの、と聞く大奥様に、若奥様はこれこれ云々と、

以前檀家の誰それがこんな相談にお父さんの所へ来た事があるが、あの子と関係があるのではないかと話します。

「あの男の人にも来てもろたらよろしい思います。」

そう若奥様が説明し終えると、彼女の話を傍らで聞いていた蛍さんの父が、さも興味を持ったという顔でほほうと言いました。

「そんな面白い話があったんですか。」

成る程ねと、いやあ興味深いなぁと、もしかしたら本当に別の世界からあの子は来たのかもしれないなと、

何だか楽しそうに笑うのでした。

 「それでは僕もこの話に加えてもらえませんか?、一役買わせてもらい、僕があの子の父親になり切ってみましょう。

そしてもっとあの子からあちらの世界の話を聞き出してみます。」


ダリアの花、118

2017-04-05 13:59:22 | 日記

 それからと若奥様が子供の話を促すと、蛍さんは

「今日は何の日だってお父さんが聞くから、5月5日のこどもの日だとホーちゃんが言って、」

お父さんが、そうだ、5月のこどもの日だ、今日は良い天気で暑いくらいだ、5月のお天気の良い日は五月晴れというんだ。

と言って、こんな5月の暑い夏のような気候を初夏の気候だとか、今はもう5月で夏の始めだとか、夏の始めは初夏というんだよと言って、

分かったかって言うから、ホーちゃん、分かったって言ったら、よしってお父さんが言って、

お父さんはこの奥に知っている人が居るから、その人に会って来る。この奥は女の人は入れないから、

お前も子供だけど女の子だから一緒に連れていけない、だからここで待っていなさい。

ちゃんとお父さんが戻って来るまでここで待っているんだよ。いいねって、そう言って、

直ぐに戻って来るからって言って、あっちの方へ行ったんだけど。と、奥の座敷の方を指さしました。

 何時まで待ってもお父さんが帰って来ないから、そう蛍さんが言うと、

「心配になって奥へ覗きに来たのね。」

若奥様の言葉に、蛍さんはうんと頷くのでした。

 成る程と、若奥様は蛍さんの話は本当だと思いました。

何故なら、蛍さんの話す事が姑と話す男の人の如何にも言いそうな事であり、

その蛍さんの口ぶりが、如何にも彼の口ぶりにそっくりなので、まぁ、あなたうまいわねぇと、つい微笑んでしまったからでした。

そして、この子は真実を言っているのだと益々確信を深めたからでした。

 では、これは一体如何いうことなのだろう。この子のいう事が嘘でないとしたら、

こうやって見ていると、あちらで姑と話す男の人も実際にこの子を知らないようだし、不思議な事があればあるものだと、

そう奥様が考えている内に、ふと、檀家の中のある男性のことに思い当たりました。

 そうだ!あの人もここは自分が今まで住んでいた世界とは違うと言っていた。

元の世界の事が気にかかると言ってお父さんに一時相談に来ていた事があったっけ。

あの人はこの世界の方がよいと言って、別に帰れなくてもよい様な話でそれっきりになったけれど、

この子はこの迄では困ったことになりそうだ。そう考えた奥様は思案顔になりました。

 もしかしたら、その人とこの子は同じ世界から来たのかもしれない。2人を会わせて話をさせて、

その上でお父さんや皆で考えてみるといいんんだわと思い立ちました。


おにぎりかな

2017-04-05 12:50:07 | 日記

おにぎりの、名前は何というのかよく分かりませんが、おにぎりまんの真面目なところが好きです。

男らしいですよね。

あとはメロンパンが好きなので、メロンパンナちゃん。これは名前を知っていました。

 おにぎりもメロンパンも実際に自分の好物なので、やっぱり好物のキャラクターが好きなものなのですね。