ケアンズの空港には現地ガイドさんが出迎えてくださっていました。白人の男性です。日本語の達者な方でした。
「皆さんケアンズの発音が違います。」
ケァンズです。というようにケァンという部分が口の中で反響するような現地の発音をしてくださいました。私は本場の発音にいたく感動しました。ほとんど外国の方が自分に向けて(今回はツアーの皆に向けて)、間近で話す事など無くここまで来たのですから、喜びに似た感動でした。ああ本当にオーストラリアにいるんだわと浮き浮きしました。
現地ガイドさんの案内で送迎の車の所まで行きました。ボックス型の初めてみる形の車でした。これがこの土地のキャリーカーだという説明(日本語)に、私は言葉がよく聞こえなくて、
「キャリーカー?え、キャリアカー?」
と聞き返してみるのでしたが、自分の発した言葉を考え直してみて、あれっと思うと赤面してしまいました。ぷっと吹き出してしまう人もちらほらいて、どうやら私と同じことを思い浮かべた人もあったようでした。特別に、ジャパニーズジョークを言った訳ではなかったのですが、あれっという感じで、洒落になってしまいました。
頬を赤らめた同行ガイドさんから、「今のうまかったですよ。」と笑顔でコッソリ囁かれて、そういう意味で言った訳ではなかったんですが、と、単に言葉がよく聞こえなくて、英語は苦手だしと言葉を返す私でした。
「荷物を運ぶ車はどっちだったかと迷っただけなんです。でも、もしかすると、荷運びの車は古いという意味に取られたでしょうか、悪かったですね。」
と言って恐縮してしまいました。冗談にしてしまえばよかったんです、真面目に話をして場を白けさせてしまいました。