Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

美湾

2017-11-07 20:36:15 | 日記

 ケアンズの空港には現地ガイドさんが出迎えてくださっていました。白人の男性です。日本語の達者な方でした。

「皆さんケアンズの発音が違います。」

ァンズです。というようにァンという部分が口の中で反響するような現地の発音をしてくださいました。私は本場の発音にいたく感動しました。ほとんど外国の方が自分に向けて(今回はツアーの皆に向けて)、間近で話す事など無くここまで来たのですから、喜びに似た感動でした。ああ本当にオーストラリアにいるんだわと浮き浮きしました。

 現地ガイドさんの案内で送迎の車の所まで行きました。ボックス型の初めてみる形の車でした。これがこの土地のキャリーカーだという説明(日本語)に、私は言葉がよく聞こえなくて、

「キャリーカー?え、キャリアカー?」

と聞き返してみるのでしたが、自分の発した言葉を考え直してみて、あれっと思うと赤面してしまいました。ぷっと吹き出してしまう人もちらほらいて、どうやら私と同じことを思い浮かべた人もあったようでした。特別に、ジャパニーズジョークを言った訳ではなかったのですが、あれっという感じで、洒落になってしまいました。

 頬を赤らめた同行ガイドさんから、「今のうまかったですよ。」と笑顔でコッソリ囁かれて、そういう意味で言った訳ではなかったんですが、と、単に言葉がよく聞こえなくて、英語は苦手だしと言葉を返す私でした。

「荷物を運ぶ車はどっちだったかと迷っただけなんです。でも、もしかすると、荷運びの車は古いという意味に取られたでしょうか、悪かったですね。」

と言って恐縮してしまいました。冗談にしてしまえばよかったんです、真面目に話をして場を白けさせてしまいました。


美湾

2017-11-07 08:52:58 | 日記

 ブリスベンからケアンズ迄の飛行は2時間程でした。ケアンズに近付くに連れて天候は悪くなるようでした。通路側にいても外の曇り具合や、雨の様子が分かりました。機内アナウンスに乗客の気配がナーバスになっているのを感じました。

 私はというと、英語があまり分からない状態でしたから、多分、アナウンスの中のエアーポケットとかそう言った分かる言葉だけを拾ったと思います。それで、機体が落ちる時があるのかなと思っていました。そして、確かに機がガクンと垂直に降下するのを感じたと思います。

 『やっぱり、エアーポケットという単語でよかったんだ。』と、英単語を聞き取れた事に喜んでいました。その後飛行機は雲の中の飛行だったらしく、ガタガタ揺れたり機体に雨の当たる音や衝撃が響いたりと、一時嵐にもまれる小舟のような状態でした。

 また機内アナウンスが流れ、皆深刻そうな暗い顔つきをしていました。が、こんな点、今回のアナウンスで拾える英単語が全くなかった私はあっけらかんとしたものでした。どうやら皆が前傾姿勢を取り顔を伏せ始めた頃に機首が下がり、ぐんと降下を始めたようでした。嵐のような雨風はまだ続いていました。

 『もしかすると、この飛行機は危険な状態なのかな?』皆の前傾姿勢と、機外の天候、機種が下がって落ちていく様な感じから、私が危機感を感じ取り始めた頃、機は雲の中から脱したようでした。雲から出ると窓外は明るく機体の揺れも無くなり、雰囲気的に危険はないと感じ取れるふわっとした安定的な状態になりました。下降はまだ続いていました。機は着陸態勢に入っていたようです。あっけらかんと、飛行機は程無く着陸しました。

 『良かった、やっぱり大丈夫だったんだわ。』私はエアーポケットの単語を含んでいた先の方のアナウンスを思い出すと、やはりそう心配した飛行ではなかったのだと安堵しました。にっこりでした。

 無事に飛行機がケアンズの空港に降り立つと、皆タラップを降りて飛行場内の道を歩き出しました。と、小雨がぱらついたようです。建物内に入る前に緑のツタや棕櫚のような木々が生えていました。この植物の歓迎に、私たち一行は朗らかに南国情緒を感じる事が出来ました。他の乗客やツアーの同行者も、にこやかに雑談して歩いていました。

 「こちらの天気は何時もこんな感じだそうですよ。」

家族連れのお母様がほっとした表情で、誰かから聞かれたのでしょう、にこやかにこう私に教えてくださいました。