ステージの後、野外の広々とした場所でやり投げやブーメランを投げる実演を見ました。ヤリ投げの方は、投げる前に何処のどの場所へヤリを落とすという前置きがあり、ちゃんとその場所にヤリが刺さり、皆の歓声と尊敬を集めていました。200メートルはある飛距離でしたから、視力の良さやそれだけ投げられる腕力、肩の力が無いと出来無い事でした。並の人には出来ない事だと感心して眺めていました。
次はブーメランです。まずお手本にアボリジニの人が投げて戻って来るブーメランを掴んで見せてくださるので、いかにも簡単そうに思えました。元々ブーメランというと戻って来る事は知っていましたから、そう難しくないと思い、皆順番に挑戦していきます。
最初は確か新婚さんのご主人が、「若者から…」と言う声に押されて挑戦されたと思います。次が奥様の方で、何人か後で私も挑戦しました。ブーメランを手にえいっと力いっぱい投げると、頭がくらくらっと来てブーメランが何処へ飛んでいったのかさっぱり分からなくなりました。戻って来ると分かっている物だけに、飛行中の場所が分からないと、自分の所に戻って来た時に何処に当たるのかと不安でした。
私はキャーと叫んでしゃがみ込ました。暫くブーメランの戻ってくる気配もないので、そ―ッと顔を上げてみると、目の前3メートルくらいの場所の地面に丁度落ちて来て、ペタンと着地しました。これでぶつかる心配の無くなった私はほっとして、私の両側にいたアボリジニの人と現地ガイドさんに、I´m sorryを言うと、何でも慣れない事はする物じゃないなと、苦笑いして皆の待つ場所迄戻って来ました。